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【本】『感性思考』Takram 佐々木康裕さんが大事にしていること

グロービス主催で、Takram佐々木さんのウェビナーがあったので、参加。
ポイントと、本の紹介などをしていきたいと思います。


イリノイ工科大学(ID)で学んだこと

佐々木さんは商社を経て、米シカゴのイリノイ工科大学で、デザインメソッドを学ばれています。(スタンフォードのD.Schoolが発祥かと思っていましたが、こちらが1937年から続く本家みたいです)

最初にパトリック・ウィットニー教授からは、

「VUCAの時代には答えがない。だからこそ、パズル(論理思考で答えがある世界)を解くのではなく、これから必要とされるミステリー(システム思考・デザイン思考で答えがない世界)を解く武器を与える」
と言われたそうです(かっこいい・・)

実際は、デザインスクールの顔をしたMBAだったそうで、あらゆる「フレームワーク」を学ぶことで、再現性の高い新規事業構想の技を身に着けたと。(ビジネスモデル・キャンバスも、よく教授とカスタマイズしていた、とおっしゃっていました)

カリキュラム見てみましたが、確かに学ぶ分野が幅広い・・(コース詳細)

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今の時代に必要な4象限と積層思考

急速に企業価値を高めているPelotonの事例も踏まえつつ、「近年は総合格闘技かつ異業種混合競争になっているからこそ、下記4象限の行ったり来たりを、いろいろ試してみることが大事」

4象限

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積層思考
また、よくデザイン思考の次は、アート思考ですよね?とか言われるらしいのですが、A→Bのシフトではなく、A+Bとして考えたほうが良いと。

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様々な思考法を学んで、ミックスできる柔軟性があれば、上から全体を俯瞰してみたときに、新たなことに気が付く可能性が高まるそうです。

スイッチすればいいと言われると簡単なのですが、正解がない時代ですものね。やはり、自分なりに解釈して応用する力を、磨いていきたい、と思えます。


感性思考の助けとなる本とオンライン学習法

いくつか本のご紹介もいただきました。

ハイ・コンセプトは、留学を決心するのに大きな影響を与えたそう。

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ビジネスモデル・イノベーションは、ビジネスのフレームワークが、これでもか、というほどに網羅されています。
わたしも持っていますが、昔上司から夏休みの宿題と言われ、いろいろビジネスモデル検討したのを思い出しました。


さらに、101 Design Methodsという手法もあるそうです。

こちらは、イリノイ工科大学デザインスクールのヴィジェイ・クーマー Vijay Kumar教授が執筆した本になります。


本だけでなく、オンライン講座でより深く学ぶこともできるそうです。

おすすめはIDEOが提供しているオンラインプログラム。(有料)

このように、海外の大学院に留学しなくても、思考のツールと学ぶ環境は整っているので、あとは覚悟と時間の捻出だけです。

コンサルとの違い

下記3点を大事にしているとのことです。

1.正解を好むよりも、失敗からのラーニングも大切にする

2.論理よりもインサイト

3.定量よりも定性
あるユーザーのこの一言!に依拠したものを追うということもある

そのほうが、深いインサイトが得られることも。


思考のコツと課題

いくつか考える上でのコツと、課題も教えていただきました。

コツ
1 )カスタマージャーニーマップ
人間中心でグラフィカルに描くことが多く、汎用フレームワークとして使いやすい。

2)ビジネスモデルの複雑化
商社時代に培った心構え。複雑になればなるほど、他社が真似しにくくなるので、どう仕組みに入れることができるかを考える。

3)観察時は背景まで
目に見えている対象物だけを観察するのではなく、対象物の周辺環境や常識、社会・文化背景など、実際に見えてないモノまでみるように心がける、想像する。

一体何が彼らを、そういう行動にさせているのか?を、スナップショットから考えて、掘り下げていくことで、より深いインサイトが得られるようになる。

課題
ただ現状、日本のデザイン分野には、上記のような背景をうまく読み解ける、民俗学・社会学・文化人類学出身の、いわゆる文系の人が少ないらしいです。

最近、歴史の本を数冊読んだのですが、時間のあるときにまとまって時代を振り返ってみるのも、おすすめです。




探索としてのキュレーション

最後、新たな挑戦として、世界中のメディアから情報を集め、インサイトあるニュースレターの発行を始めたそうです。



まとめ

4象限に積層思考、ハイコンセプト、ビジネスモデル、101 Design Methods、カスタマージャーニーマップ、背景まで考慮した観察法、など今の時代に必要な、様々な思考のヒントをたくさんいただいたわけですが、

「VUCAの時代は、5年10年ずっと使い続けられる思考法はない。
きっと○○思考、△△思考というのは、これからもたくさん出てくるので、その都度、自分なりに勉強して取り込んでいく姿勢が大事。
論理思考だけでもダメだし、デザイン思考だけでもだめ、常に、新しい思考体系・考え方・コンセプトを学び続ける必要がある」

「コンセプト・フレームワークは自分でつくれるので、基本を知った上で、自分なりにカスタマイズして使っていけばよい」という言葉も印象に残りました。


ということで、佐々木さんのニュースレターと、101 Design Methodsをさっそくポチってしまいました。

素敵なセミナーを、ありがとうございました!


【紹介した本まとめ】

佐々木さんの前作は下記





最後までお読みいただき、ありがとうございます!スキ💛コメント、とても嬉しいです💛