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多くの人が「SNSで情報が正しいかを判断」しているという現実

誤情報はSNSを通して拡散されることが多い。気軽に発信でき、気軽に読んで、気軽にシェアできるからだ。そのためだろう、誤った発言をすることで有名なトランプ前大統領は、現在、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeのアカウントを停止されている。彼の事実に基づかない発言が拡散されるのを防ぐためだ。

先日もnoteに書いた 第 14 回メディアに関する全国世論調査(2021年) の結果について今日も紹介したいと思う。

まずはこちら。

・新型コロナウイルスのワクチンについての不確かな情報やデマと思われる情報を「見聞きしたことがある」のは 55.5%、「見聞きしたことはない」が 43.3%だった。

第 14 回メディアに関する全国世論調査(2021年) P13

そもそも不確かな情報やデマをこの調査回答時に信じてしまっていたら「見聞きしたことがない」と回答するはずなので、この回答はあまり当てにならないのではないか、と思わなくもないが、回答者の半数以上は見聞きしたと認識していることがわかる。

驚いたのはこの結果である。

・不確かな情報やデマと思われる情報を「見聞きしたことがある」と答えた人(全体の 55.5%)に、どのようにして正しい情報を確認したか尋ねたところ、「テレビの報道」が最も多く 48.3%、以下「SNS(LINE、Twitter、Facebook など)」32.2%、「専門家によるネット上の情報発信」27.5%、「政府の発表や呼びかけ」25.2%、「家族や友人」23.9%、「新聞の報道」19.7%、「自治体の発表や呼びかけ」15.5%となった。

第 14 回メディアに関する全国世論調査(2021年) P13

正しい情報の確認手段の2番目がSNSなのである。確かに一言にSNSと言っても色いろある。ここにあるLINEは何を指すのだろうか。専門家のLINE公式アカウントからの情報だろうか。そうであるかもしれないし、そうでないかもしれない。Twitterはどうだろう。Twitterにはマスメディアや専門家の公式アカウントもあるので、そのようなサイトを見ているのかもしれない。でもそうではないかもしれない。情報が少ないのではっきりしたことは言えないが、SNSの情報のほとんどは大手メディアや専門家ではない個人が発信しているものだ。そう考えると、SNSで正しい情報を確認する、ということは有効とは言えないのではないか。

結果を性別、年齢別にみる。

第 14 回メディアに関する全国世論調査(2021年) P14

18~19歳で一番割合が高いのは64.1%の「SNS(LINE、Twitter、Facebookなど)」で情報を確認する、であった。これは18~19歳をピークに、年齢が上がるほど減少している。

全年代で一番割り合いが高い「テレビの報道」48.3%が良いとも限らないが、SNSに比べると特定の発信者がある程度制約がある中で流している情報であることを考えると、まだ安心できると思う。もちろん「テレビの報道」も100%正しいとは限らないので、注意が必要である。

このようなSNSで情報を確認する人が多い状況下で、正しい情報を基にした健全な社会を作ることができるのだろうか。どうすれば正しい情報にたどり着く確率が上がるのか、そのことを教えるとともに、SNSにはどのような情報が紛れ込んでいるのかということを伝えていかなければいけない、と改めて感じた統計データだった。


★関連note:ネットニュースの「出典」を気にしないとどうなるの?
「インターネットニュースを見る時に出所を気にするか?」
"年代別ではいずれも「気にしない」と答えた人が「気にする」と答えた人より多くなった。「気にしない」は、20 代以下で 60%を超えた。"


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