見出し画像

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

CXに興味があるので、今回はこの本を読んでみました。
ゲームを題材にして書かれていますが、様々なビジネスモデルで応用できる考え方だと感じます。
以下は内容のメモです。

第1章

- 直感のデザイン
仮説→試行→歓喜

直感のデザインが連続するたびにユーザーが歓喜するので、面白いと感じてもらえる

- スーパーマリオブラザーズ
マリオが右に進むというルールを直感できるようなデザイン
→プレイヤーが自らの力で直感的に理解するという体験=面白い

- 初頭効果
学習心理学において、体験のはじめのころに集中力・学習効率が高まること
→体験のはじめの方がより重要

- ユーザーに寄り添うこと
=商品の良さ・正しさを伝えるよりも先に、商品やサービスとの関わり方が直感的にわかることを優先する

第2章

- 驚きのデザイン
誤解→試行→驚愕

直感のデザインが続くと、不安→歓喜と心が動き、疲れたり心的飽和=飽きてしまう
→予想が外れる という体験を組み込む必要がある
→面白いコンテンツは直感のデザインと驚きのデザインをバランスよくちりばめている

第3章

- 物語論において、
ナラティブ(物語)は①ストーリー=物語内容 と②ディスコース=物語言説 に分けられる

- 物語のデザイン
翻弄→成長→意志

- 翻弄
①環境ストーリーテリング
無数の情報の断片からなにがあったかを理解させる物語の伝え方
②テンポとコントラスト
能動的・受動的によって波をつくることで、疲れや飽きを軽減する
③伏線
時間差で真意に気づかせる

- 成長
①収集・反復のモチーフ
②選択と裁量のモチーフ
③翻意と共感のモチーフ

- 意志
①命のやり取りのモチーフ
②未知の体験のモチーフ
③解釈の余地のモチーフ

英雄の旅
物語の終わりにスタート地点に戻ることで、体験を通り抜ける前後の自分をくらべ、成長に気づく

まとめ

直感のデザインによって自発的な体験をさせ、それをより長時間やってもらうために驚きのデザインを用いる。また体験の意義を見出させるために物語のデザインを用いることで、ユーザが自らの成長を実感する。
というのがこの本の大筋です。

プロダクトや体験をデザインする側は、とにかく凝ったものにしようとか、複雑な仕様にすればいいだろうとか思いがちなように感じますが、実際にはよりシンプルな体験のなかで、いかにユーザ自身の人生にポジティブな影響があるかどうかが重要であり、必ずしも豪華で複雑なものがいいわけではないのだと気づかされます。

仕事柄、よく「洋服を買う」という体験について考えますが、ほとんどの事例で「洋服を買う」という体験はシンプルではない、すなわちこの本の原則に則ってはいないように感じます。

「洋服を買う」という体験には、もっと直感的に理解できる仕掛けや、飽きないための工夫、なにより「洋服を着ることで得られる成長(人生におけるポジティブな影響)」がもっとあってもいいのではないかと、この本を読んでいて強く思いました。


1月10日に原宿にオープンする「アットコスメ ストア」の旗艦店(下記URL)など、体験を重視したリアル店舗というのもますます増えていくと思いますが、単にデジタル技術を使っているだけでなく、どんな体験にユーザは心を動かされるのかをもっと考え抜いたサービスを見てみたい・使ってみたいですし、ぜひそういうサービスを提供する側になりたいです。

200ブランドが集結する原宿「アットコスメ」旗艦店が全容を公開 体験コンテンツ多数
https://www.wwdjapan.com/articles/1001394




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?