滞る

その男性に対して抱く気持ちは
「憎しみ」とは少し違う
「怒り」や「憎しみ」になる瞬間はあるが
通常は「邪魔」なのだ

複数の所属の人が関係する仕事の場合
目的を同じくして協力する必要があると思う
毎日の作業なので
全体を滞りなく流していくことが
重要と考えている人たちの中
彼だけは「ミスがないように」と
目を光らす
結果日々の流れが滞ることも多々あった

ミスはない方がよい
それは確かだ
でもそれ以上に
「ミスがあっても流れを滞らせない」
ことが大切だと私は考える
誰かが危険になったり
物が壊れたりなくなったりという
レベルのミスではない
軽微なミスを毎度取り沙汰され
複数回クレームを言われる
（私の上司は複数回恫喝されている）

彼がそうなるワケも分からなくはない
それでもこれは仕事なのだ
（そしてこの場で一番力を持つのが彼なのだ）
滞ることが何より不本意な私は
この三年間その「邪魔」に耐えてきたのだった