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三龍戦騎RPG復刻リプレイ 第4話「星界への熱い道のり」第3章(終章)

孤島で、墜落したシンテツ宇宙船の再起動をめぐり、ファーグニル軍・シンテツ部隊・PCら三龍帝国軍・惑星掃討獣の4つどもえの死闘が始まろうとしていた。さらに、巨大永久台風〈豪嵐〉が迫る! ランコと緋七の運命は!?

 カルノタウルス作画:朱雀飛鳥さん、2008年頃

前章(第2章)

リプレイ第4話 第3章開幕

【場面11:〈豪嵐〉接近!】



緋七 「いま接近している嵐は、〈豪嵐〉である可能性が高いです」

オニキス/GM 「何ですって! 輸送艦が危ない! すぐ呼び戻さなければ!」

緋七 「我々も、天航船の残骸内部に避難したほうがいいかも……」

オニキス/GM 「その前に、無線機で輸送艦に呼びかけて下さい」

 緋七は、無線通信の判定に成功した。

輸送艦/GM 『こちらはファーグニル連合海軍輸送艦』

緋七 「至急、沙希見島に戻られたし」といって、輸送艦に事情を説明する。

輸送艦/GM 『了解、直ちに変針する』

緋七 シンテツ部隊にも説明したほうがいいな。
「今、蒼機224型の機関部を積んだ輸送艦が、諸君らへの引渡しのため、こちらに戻ってきている最中だ。引渡しは、知性核とまとめて行うから、機関部が到着するまで攻撃はしばらく待ってほしい」といって、豪嵐によってシンテツたちが行動不能になるのを待つ(笑)。
 それまで、我々は天航船内部に立て篭もる。

ランコ ナナちゃん、腹黒いよ……。

GM いよいよ、すぐ近くに小型戦車型シンテツが接近してくる。

緋七 彼らの前に立って、手にした知性核を見せよう。撃つとヤバイヨ?(笑)

GM シンテツの機関砲身が旋回し、緋七を真っ直ぐ睨みつけるが、撃つことはできないようだ。では、交渉判定をしてもらおう……あ、こちらは1ゾロだ(笑)。
「なるほど! お前たちに言うことももっともだな」と、シンテツたちが妙に納得している(笑)。
「ただし、その知性核が〈軌道華族〉のものでないことは、確約していただく。軌道華族は、我々の不倶戴天の敵だからな」


 〈軌道華族〉とは、衛星軌道上に存在しているとされる、機械生物の一族である。地上に生息するシンテツ属とは対立している。

 軌道華族と第192工廠との間には、未だに戦争が継続しているという噂があるが、第192工廠の深奥は三龍人には知られていないため、詳細は明らかではない。そもそも、シンテツが地上種属と協力しているのは、軌道華族に対抗するためでもある、という説すらある。
 また、軌道華族の活動が、軌道上の宇宙植物アマノワタリの個体数を減少させ、天魂の星界への帰還が妨げられているという噂もあるらしい。


蒼機224/GM 「わたしは軌道華族とは無関係なのに……勘違いされてるのね」ぼそぼそ。

GM 「少佐! 豪嵐の影響により、無線通信ができません!」
 風がどんどん強くなってくるぞ。吹き飛ばされないように「体」で判定をしてくれ。

オニキス/GM 「早く森に退避を! というか、早くわたしを抱えなさい、まったく何をやっているの!」

兵士/GM 「はっ、申し訳ありません少佐!」と、オニキスを抱きかかえる。

ランコ その兵士、けっこう萌えてるんじゃ(笑)。

緋七 大地に根を張る技能をとっておけばよかった(笑)。

GM じゃ、「体」判定、難易度14ね。

緋七 不可能だよ!?

ランコ (ダイスをふる)紅珊瑚は余裕で成功しました。

緋七 「あーれー。」風に飛ばされました……。

GM 緋七、飛ばされてばっかじゃないか(笑)。

兵士/GM 「あっ少佐、何かが飛んでいきますよ!」

緋七 あの……私、知性核を持ったままなんだけど。

オニキス/GM 「やむをえん、撃墜して知性核を確保しなさい!」

ランコ 撃墜しちゃアカン!! ナナちゃんを助けなきゃ!

GM じゃ、オニキス、ランコ、シンテツ部隊が、飛ばされる緋七を追って、一斉に走り出すわけだな(笑)。ああ、緋七は、上空30メートルを舞ってるからね(笑)。

 ランコは、少ない知恵をふりしぼって、緋七の落下地点を予測した!

GM そうだねえ。おおむね、沖合い50メートルぐらいの海面に落下しそうだとわかった。ちなみに、いまは波高20メートルぐらいの大波が吹き荒れているからね。

緋七 落ちたら死ぬな。

蒼機224/GM 「わたしを海中に落とさないで下さい! さびます!」(笑)

ランコ 樹神になるんや、ナナちゃん! 海に根をはるしかないで!

緋七 武魂は6点たまってるし。キズナ×50メートル内に、天魂の組織が繁茂するわけだから、内部にしまえば、知性核は守れるかな。やってみるか。
 (後にこの範囲は、キズナレベル×20メートルと訂正された)

GM おっけー。じゃあ、いきなり空中の緋七と天魂球が、モリモリと植物組織を増殖させて、直径100メートルぐらいの草の塊になって、海中に落下した。その中心にビオランテのような植物龍が立ち上がるわけだ。

緋七 モッサとした毬藻のような状態なのかな。根が海底にズガガガガッと食い込んで、樹龍が天に向かってそそり立つ!(笑)

ランコ ナナちゃんが膨らんだあああ!

オニキス/GM 「まさか、樹神形態にこんな使い方があるなんて!」

緋七 じゃあ、そのままモジョモジョと上陸して、森林に向かうかな。ゴゴゴゴゴ。

ランコ うわあキモイ。なんか、山が動いているようだ……もののけ姫か?

緋七 このままランコたちを体内に隠して逃げたほうがいいかも。

GM いや、質量や「生命」は変わらないし、草の塊だから、撃たれたらボウボウ燃えるだろう(笑)。見かけ倒しではあるかもね。でも、根を張ってるから、暴風に耐える判定はいらない。

ランコ 呆気にとられて見てるよ。

中型ティラノサウルス類のトモガミとアラガミ師(本編とは関係ありません)


場面11 おわり


【場面12:輸送艦の帰還】



GM さて、輸送艦が戻ってきたようで、海岸に接近してくる。激しい高波に揺られて、今にも沈みそうに傾きながら、突っ込んでくるぞ。

緋七 よし、ヒナの触手をモザーっと伸ばして、輸送艦を受け止めよう。

ランコ わたしもそっちの方に行こう。

GM よし、輸送艦がうまく砂浜に乗りあげられたか判定だ……あっ、失敗した(笑)。
 ええと、輸送艦は120メートルほどもある、駆逐艦サイズの艦でね。そいつが姿勢をくずしつつ、砂浜に乗り上げ、舳先がガリガリと砂浜を削って、君らのほうに迫ってくる。

緋七 モザーっと受け止める。達成値は11。

GM 失敗だ。君は、輸送艦になぎ倒された(笑)。バサバサバサ。

緋七 「あーれー!」

GM そうだな、ダメージは天魂球に4点でいいや。

緋七 でも、衝撃を吸収したってことで、艦は止まってくれるんじゃ。

GM そうだな。ところで、トモガミの「生命」が半減したから、「戦場の狂気判定」をしてくれ。
 失敗した? 和魂(ナギダマ)マイナス2ね。荒れ狂う狂気に犯されかかったようだね。(この判定は、ルール適用が現行と異なる)

緋七 まあ、さっきから分けのわからない状況になっているからなあ。そら、荒れ狂うわなあ(違)。

ランコ 知性核は大丈夫なの!?

GM それは大丈夫。
 さて、座礁して停止した輸送艦の甲板から、火柱が立ち上がって。
 内部から、先ほど見たのと同じような、巨大な蛇のような怪物、惑星掃討獣が出現する。
 しかも、先ほどの個体と違って、首が三つあるんだ。全長は40メートルほど、強そうだ。
「キルキルーーン!」(咆哮)

ランコ アカン! もうアカンーー!! 知性核さんは、機関部を動かしてどうにかできないの!?

GM 蒼機224の機関部は、輸送艦内のコンテナに収納されているよ。エンジンだけじゃ、動くことすら出来ないよ(笑)。まず、このエンジンを、山腹に墜落している船体に運んで組み込まないと!

緋七 エンジン(機関部)なんて、どうやって運んだらいいんでしょう?

GM 輸送艦内に、輸送車が搭載されているよ。それを運転して、山腹の天航船まで持っていけばいい。

緋七 「ヒナが輸送車とやらを運転して、機関部を運びます。ランコさんは、この三つ首竜のお相手をお願いします」

ランコ 武魂が足りないから龍化できへんー!

GM そうだなあ。緋七が武魂発動させたから、その影響で(ダイスをふって)……武魂6点、惑星掃討獣(三つ首竜)に対する〈龍魂の呼応〉で武魂1点を追加していいよ。龍化できるね。

ランコ 「しゃーないなー。この借りはそのうち返してもらうで!」と言いながら、龍化!


  戦意の高まりとともに、古代ワニとアガニ少女が、光の粒子となって千々に分解していく。輝く粒子群となった一頭と一人は、光彩きらめく一つの嵐となり、巨大な龍へと変異する。

 雷光閃く暴風雨を、衝撃波がつんざく。
 閃光の中に、御殿(ウドゥン)ほどもある巨大なアラガミが出現した。
 いかつい鱗状生体装甲を、大粒の雨粒が洗う。戦車をも噛み砕く牙をもつ、屈強な鰐型の戦闘竜である。かつて恒星間宇宙で戦った戦略生物の眷属、アラガミの来臨だ。

 三つ首の惑星掃討獣が、目のない頭部をアラガミに向けた。
 中型恐竜をひと呑みにできそうな巨大な嘴を開け、甲高い声で咆哮する。 雷鳴が轟き、稲光が二頭の巨獣を照らす。


GM 惑星掃討獣は、ばきばきと輸送艦の甲板を破壊しながら、ランコ=アラガミのほうへと向かってくる。それを見たシンテツ部隊も、攻撃のために向かってくる。

緋七 樹神形態を解いて、その間に、わたしは輸送艦内の輸送車に向かいます。ちょこちょこ。

場面12 おわり

【場面13:輸送艦/艦内】



GM 輸送艦は、強襲揚陸艦みたいな構造になっていて、内部にある輸送車のコンテナに機関部が格納されている。運転に使うのは、戦車操縦技能かな。

緋七 戦車操縦技能なんて持ってない……。

GM オニキス少佐たちは、森に逃げ込んでるしね。まあ、艦内にいる乗組員に運転を頼んだら?
 艦内は、嵐のため、激しく揺れていて、あちこちから浸水している。
「総員退艦! 総員退艦! 5分ももたんぞー!」
 ドドドドドー! 艦内の通路に、激しく海水が押し寄せてくる。緋七は、押し流されないように「体」で抵抗してみてくれ。

ランコ 天魂は肉体派じゃないのに、なんでこんなに頑張ってるんだろう(泣)。

 当然というべきか、緋七はその判定に失敗! 身長50センチしかない天精花は、艦内の濁流に押し流されてしまった!!(本体も一緒に)

緋七 「あーれー」

ランコ またかよーッッ!(笑)

GM と、側にいたファーグニル人乗組員が、「あっ! なんか可愛いものが転がっている!」と、緋七を拾い上げてみた!(笑)

緋七 「助かりました~」

ランコ ファーグニル軍人も萌え体質かー!?

水兵/GM 「艦長! 何をやっているんですか!」

艦長/GM 「いや……、これは……、故郷の娘に、よく似ているものでな」髭面の艦長が、言っている。「君は一体、何なのかね?」

緋七 ここぞとばかりに、「地上人への愛」技能で話しかけよう。
「どうしても事情があって、あなたたちが運んでいた天航船の機関部を、この島の山腹まで運ばなければならないのです」

艦長/GM 「うむう、しかし、所属も分からぬ者に対して、オニキス参謀の許可もなく、そのようなことはできないぞ」

緋七 「わたしが、オニキス少佐からこれを預かっているのが何よりの証拠です!」といって、例の知性核を見せる。

艦長/GM 「ぬおッ!? な、なるほど」(なるほどではない)

緋七 「オニキス少佐の直接の命令により、わたしはこのような行動をしているのです。さあ、早く!」

水兵/GM 「艦長!(映画ローレライ風発音) それは越権行為です!」

艦長/GM 「まあ待て。このような可憐な少女の言うことを無下に断るのは、連合軍軍人としてどうかな? 若いな、二等水兵よ」


  ここで緋七は交渉判定を行う。結果は大成功であった。艦長は完璧に説得されてしまった。


艦長/GM 艦長はもうめろめろだ。「キミの言うことはもっともだ」

ランコ うわあ、だめだこの艦長(笑)。

艦長/GM 「よし。我が部下に命じて、直ちに輸送車を動かそう」

緋七 「ありがとうございます」ちょっと上目遣いに。憂い気味な表情で。

艦長/GM 「今度帰港したら、故郷に帰ってみるかな……」

緋七 たそがれちゃってるよ(笑)。

水兵/GM 「艦長! 艦はもうもちません!」

艦長/GM 「輸送車を出せ。わたしも乗る!」激しい暴風雨の中、輸送艦の前部扉が開いて、輸送車が発進していく。

ランコ 熱い艦長だ(笑)。

GM 輸送車の窓の外では、暴風雨の中、二大怪獣が戦っている。轟音が響く。
 艦長が、「距離をとれ、巻き込まれるな!」「アイサー!」

場面13 おわり

【場面14:アラガミ 対 惑星掃討獣】



GM 主導権判定ね。掃討獣は16.

ランコ だめだ、6.

GM さあて、(ダイスをふって)距離は6メートル、至近距離だ。さあて、どの首で攻撃するカナ。(ダイスをふる)
 じゃあ、右端の首が、ヴン! とかいって嘴を光らせて噛みついてくる。13.「体」判定で防いでね。

ランコ 12!

GM 食らったね。火弾ダメージ5ね。

ランコ ダメージは……装甲で止めた。そうだな、このまま噛みついて、山腹の天航船まで引きずっていけないだろうか?

GM 途中で何回か抵抗されるだろうが、まあ、出来なくはないだろう。

緋七 ていうかさ、「こんな危険な場所に天航船は置いておけません」とかいって、我々と天航船だけ、さっさとここから逃げたらいいんじゃ? オニキス少佐と怪物は、この島に置きっぱなしにしてさ(笑)。

ランコ 腹黒い……。

GM おお、なるほどね。ところで、言い忘れていたことがある。知性核曰く、「いえ、あの怪物は惑星掃討獣ですから、繁殖能力が物凄く高いんです。おそらく体内に50個以上の卵をもっています。是非とも退治していただかないと。っていうか倒せオラァ!!」

緋七 天航船が完全な状態になれば、強いんですよね?

蒼機224/GM 「機関部の組み込みは、わたしの生体金属細胞により一瞬で完了します。しかし、火器管制装置が回復していないので……あなた方が手伝ってくれれば、あの怪物を宇宙に投棄するぐらいは簡単ですが」

緋七 宇宙投棄やりてー。ウルトラマンっぽく太陽に向かってやりてー(笑)。

ランコ 単純なランコとしては、目の前に敵がいちゃあ、戦うしかないな。口から熱線を撃つ。オラア! ……6ゾロなんだけど。

GM おお! ダメージは電磁7か。では、掃討獣の首が2本吹っ飛んで、血が大量に噴出している。

ランコ おっしゃあ! タマとったるで!!

GM てか、この掃討獣、装甲が設定されてない(苦笑)。だいぶ重傷のようだ。じゃ、こっちも射撃だ。
 ああ、外れた。灼熱のプラズマ弾が空の彼方に飛んでいって、巨大な火球が高空で爆裂しているのが見える。

ランコ 島に当らないで良かった……。

緋七 ヒナは、艦長に抱えられたまま輸送車に乗っている。

GM まあ、山腹にある天航船まで、あと2ターンといったところか。(GMはだいぶ時間を短く設定しているが、終盤なので、これぐらい展開が早いほうが良い)

緋七 それまでランコさん、頑張って!

ランコ マジっすか(汗)。

GM 暴風雨の中、二大怪獣の激しい戦いが繰り広げられている。特撮っぽいなあ~。
 さて、シンテツ編隊が、惑星掃討獣に向かって攻撃を開始する。機関砲が連射されるが……だめだ、外れた。

ランコ そんなの効くわけがないじゃん。よし、口から主砲を撃つぞ。また当った!

GM 電磁ダメージだから強いなあ。惑星掃討獣の胴体が、大きくえぐられた。砂浜を、爆発の炎が照らし上げる。


 「電磁」ダメージの攻撃は、通常の「火弾」属性の装甲を貫通する。アラガミや宇宙怪獣が発射する熱線の強力さを表現するルールである。


ランコ やった! 実はさっきの龍化解除後から生命が回復してないから、敵の攻撃が装甲を通った瞬間に即死なんだよ、怖いよ。勘弁してくださいよ~。

GM マジっすか。高周波噛みつきはダメージ5だからね。ではこっちの攻撃だ、またヤシャダマ砲(プラズマ砲)を撃つ。
 ……外れた、水平線の向こうに着弾、水柱が上がった。

ランコ 危ないよ、ガクブル~。泣きながら主砲を撃つ! ああっ外れた!

GM 熱線が水平線に炸裂しましたねェ。派手だねえ。

場面14 おわり


【場面15:山腹の天航船】



GM 一方、緋七たちは山腹の天航船へとたどり着いた。
「行きます!」と知性核が言う。
 すると、墜落している天航船の横腹から、数百本もの、金属の触手がグバァッと一斉に伸びて、輸送車をまるごと呑みこむ!

緋七 こっちは輸送車に乗ったままなんだけど(笑)。「あーれー」

蒼機224/GM 「すみません、急いでいるもので。では、どうしましょう。このまま、海岸のあの怪物を砲撃しますか? それとも、こちらにおびき寄せたほうがいいのでしょうか? 砲撃すれば、誤射の可能性もありますが」

緋七 「ありがとうございました」といって、艦長の腕から降りて……。

艦長/GM 「あっ、行ってしまった」(笑)

緋七 「あなたたちはここから退避してください。あとはわたしたちの役目です」

オニキス/GM 「あっ、あなたたちも来たのね。一体どうなっているの、何なのあの怪物は!」

緋七 そういやあ、こいつらもいたんだ(笑)。「今からわたしは機関部の設定をしますんで!」

オニキス/GM 「っていうか、ナニ勝手に船を再起動させてんの!?」

緋七 「イヤちょっと今それどころじゃないんで! オニキスさんたちはちょっと向こうに行っててください!」

ランコ なんだよそれ(笑)。

オニキス/GM 「これは抗命行為よ! この場で処刑してもいいんだからね!」腰から拳銃を抜いて、君に向ける。

緋七 うむむっ。わからん女だなー。

オニキス/GM 「知性核はどうしたのッ!?」勿論、もう天航船の船体に吸収されてしまっているんだがね(笑)。

緋七 「えっと……、あのへん? このへん? それともあのへんかなあ(笑)」

オニキス/GM 「これはまさか、船が目覚めつつあるの!?」

緋七 「うん。だって目覚めさせるつもりですから」

GM 天航船のエンジン音が次第に高まっていき、船体が激しく振動している。積もっていた残骸やホコリなどが、落下してくる。いま、船内にいるのは緋七だけかな?

緋七 個人的には、ファーグニル軍人たちには退避してもらって、緋七だけ船内にいるつもりだが。

オニキス/GM 「させない!」といって、オニキス少佐が船内に飛び込んでくる。緋七に向け、拳銃を発砲する。

緋七 なんでこんなにアクション場面が多いの。

GM え? っていうかアクション映画だしこのゲーム(笑)。(ダイスをふって射撃判定をして)……外れた。ガキーン! 隔壁に銃弾が跳ね返る。他の兵士たちも突撃銃を構え、銃口を緋七に向ける。
「少佐! 射撃許可を!」

緋七 演出で戦闘はじまっちゃったみたいだけど、今度はこっちのターンだよね。兵士たちに、「地上人への愛」で語りかけるよ。
「いまわたしがしている行為は、地上の皆さんを救うためのものなのです。オニキス少佐は目先の手柄だけにとらわれて、大儀を見失っています! この天航船を再起動させ、あの怪物を星界に投棄させることこそが、この地上世界を救う唯一の方法なのです! ……だから、オニキス少佐をとりおさえておいて、ネ♪」
 達成値、16かな。

GM ショボーン(´・ω・`)。こっちは一般兵だからなあ。8でした。「なるほど、そうか!」「そうかもしれないなあ!」兵士は迷っている!

ランコ やばい、萌えが世界を救うかもしれん(笑)。

オニキス/GM 「あなたは何を言っているの! 我ら天魂一族の悲願を忘れたのですか! 星界への帰還、それこそが、わたしたちの願いだったはず! あなたのしていることは、我ら一族そのものへの裏切りですよ!」と、拳銃を突きつけるんだが。

緋七 兵士、早く取り押さえろよっ。
「……何もわかっていないのは、あなたの方です」と言うよ。

GM ほお。で、つづきは何て言うのよ。

緋七 うーん、なんて言えばいいのかな。考えるから、ちょっと待ってね。

GM いや待てないから!(笑)

緋七 15秒待ってね。

GM 船の外からは、嵐の荒れ狂う音、そして二頭の巨大怪獣が戦っている轟音が聞こえてくる。

ランコ ナナちゃん早くー!

オニキス/GM 「この船を引き渡さなければ、撃つ!」緋七の肩に、銃口を突きつける。撃つよ?

緋七 ちょっ、待って! 何とか言ってみよう。
「待ちなさい! あなたは、この古代シンテツの気持ちを考えたことはないのですか!

オニキス/GM 「そんなもの! 古代シンテツだろうが、ファーグニルの人間だろうが、あらゆるものを利用して星界へと帰還する、それこそが我ら天魂の本質のはず!」

緋七 「あなたはもう、手段が目的となってしまっています。この古代シンテツの、星界へ帰りたいという願い、それがなぜ、同じ気持ちをもつあなたにわからないのですか!

GM おおお。(たしかに、オニキスは種属の目的に夢中になって、古代シンテツの気持ちを考えてないよな。そこを指摘されれば動揺するだろう)
 それだけ言うなら、交渉判定をしていいよ。知性でもいいが、その口調だと、魅力でもいいや。

緋七 (ダイスを振る)14!

GM オニキスの出目が低いな。判定成功だ。
「……あなたには負けたわ」銃を下ろす。

緋七 早いよ(笑)。

GM じゃあ、天航船を離陸させるんだね?

緋七 最初に出てきた一体と、今海岸にいる三つ首の個体を捕獲して、太陽に向けて投棄だよね。

蒼機224/GM 天航船の知性核が、「わかりました」と答える。

兵士/GM 「山頂付近から、巨大生物、急速接近!」兵士が叫ぶ。最初の個体だ。

ランコ キャー! 二体相手は無理ー!

GM では、天航船が、ランコ=アラガミの龍魂に波長を合わせ、精神に直接、作戦内容を送信してくる。
「その惑星掃討獣をうまくこちらまで誘導してください!」
 「体」判定で勝ったら、うまく天航船まで引きずっていけたことにしようか。

ランコ 根性みせたる! 16!

GM こっちは11なんで、2レベル成功だな。熱帯雨林の木々をなぎ倒して、ランコ=アラガミは、掃討獣を天航船のところまで引きずっていく。そのまま、天航船の横腹の穴に叩き込むのかな。

ランコ よし、一頭は船内に入れたぞ。で、もう一頭が来るんだよね?

GM うん、上空からもう一頭の掃討獣が襲いかかってくるから、ランコさん頑張ってください。「体」判定でうまくいったらイケる。
 惑星掃討獣は達成値12で白兵攻撃!

ランコ 対抗判定で達成値13だ! おっしゃ!

GM ランコ=アラガミは、飛びかかってきた掃討獣の勢いをうまく利用して、そのまま天航船へと叩き込んだ!
「隔壁、閉めます!」と知性核が告げる。

緋七 でも、全員、船に乗れるのかな。島に残されると豪嵐に巻き込まれちゃうからなあ。

GM 兵士は……10人ぐらいいる。無人船なんだけどなあ。

緋七 ファーグニル軍はまとめてギュウギュウ詰めでいいよ。オニキス少佐に密着できるんだから本望だろ!

GM うわひでえ(笑)。

ランコ オニキス少佐(;´Д`)ハアハア状態?

オニキス/GM 「ちょっ、なっ、寄らないで下さい!」

兵士/GM 「ハッ、しかし少佐、これはやむをえない事態でして!」

緋七 「どこを触っているのですか!」なんて、そんなのないか(笑)。

水兵/GM 「艦長! そんなに少佐に密着しては!」

艦長/GM 「うむ、しかしこのような閉鎖空間では、いたしかたないことだ」

ランコ ダメだこいつら(笑)。

蒼機224/GM 「臨時に居住区を確保、生命維持装置を構成します。ただし、30分しか維持できませんよ、いいですね」

ランコ こっちは龍化を解いて、瀕死の状態でぜえぜえ言ってるんで。

水兵/GM 「あ、なんか全裸のアガニが転がってますよ?」

艦長/GM 「おお本当だな。臭いからあっちへやっとけ」(一同笑)


 身内セッションなので、PCに対してひどい物言いである(汗)。


GM ちなみに、ワニは重過ぎるから置いていくんで。

ランコ ワニも乗せてよ! 「ああっ、紅珊瑚ーー!」

緋七 瀕死なんだろうけど、海の中に隠れれば大丈夫なのでは。

GM 紅珊瑚は、寂しそうな目でランコを見つめている!

ランコ 瀕死のトモガミを見捨てるなんて出来ないよ! じゃあ、船を降りて、紅珊瑚と一緒に海に潜る!


 ゲキ(乗り手)とトモガミ(乗騎)の絆を表現する、よいRPである。


GM 暴風に煽られて崖にたたきつけられたりしたら、そのまま死ぬがね……(笑)。判定してもらうよ。

緋七 なんとか、海まで天航船で運べないものかね?

GM 絶対、無理。そもそも航宙船ってものは、余分な重量物を運ぶようには設計されてないわけだから。無事、海にたどり着けたかどうかの判定は……「体」難易度10ね。

ランコ おし、うまくいった、平目だけで11が出た。

GM 増水した川の流れに乗って、そのまま海に潜ったのかな。

ランコ 「お前を見捨てへんでー!」紅珊瑚に抱きついて、そのまま流されていく。

GM 紅珊瑚は、ランコに応えるように咆哮を上げ、一気に、嵐の海へと潜航していった。

蒼機224/GM 「豪嵐、接近! まもなく暴風圏に突入します! いま離陸しなければ間に合いません!」

ランコ というわけで、あとはよろしく。こっちは海の底。

緋七 行きましょうか。兵隊たちも置いていきたいんだけどね(笑)。


場面15 おわり

【場面16:星界へ……】



蒼機224/GM 「行きます!」天航船は、音もなく飛び立った。猛烈な勢いで加速していく。君たちはGを感じない。高度な重力制御が働いているようだ。「成層圏、離脱!」

オニキス/GM 「星界(そら)が……! わたしの前に!」微小重力環境に、オニキス少佐は恍惚としている。

艦長/GM 「おっと、漂っちゃイカンよ少佐」と、つかむ(笑)。

ランコ こいつら(笑)。

緋七 窓はないだろうな。「知性核さん、外を見られるようには出来ませんか?」

蒼機224/GM 「隔壁の分子構成を変化させます」壁の一部が透明になって、外の光景が目に入る。蒼い天体と、宇宙空間とが見えている。

緋七 「これが、星界(そら)」

軌道上の蒼い宇宙船(イメージ)



蒼機224/GM 「衛星軌道上、投棄の予定座標へと到達しました。格納庫の開放はわたしのほうからは出来ません。そちらで、手動で隔壁を開放してください」難易度は、「知性」10ね。

緋七 「やります」やるよ。太陽に向けて、怪獣たちを。16。

GM 見事だ、2レベル成功。君たちはもちろん隔壁で絶縁されているから大丈夫。
 緋七がレバーを降ろすと、惑星掃討獣の格納庫の隔壁が開放される。二頭の巨獣は、中にあった空気とともに、勢いよく宇宙空間へと放り出された。そのまま、遥か彼方へと吹き飛ばされていく。アマミツヨの太陽が、君たちの目を射る。


 惑星の軌道上から太陽に物体を投棄するには、物体の公転速度にブレーキをかけ、太陽に落下させる必要がある。相当なエネルギー量が必要なはずだが、天航船がなんらかのオーバーテクノロジーにより、重力制御をかけたのだろう(編者注)。


ランコ おお、すごい。

緋七 「さようなら。哀しき生命たちよ」

蒼機224/GM 「投棄作業、完了。目標、恒星オボツカグラへの突入予定軌道に乗りました」

場面16 おわり

【場面17:旅立ち】



 地上に残ったランコたちは、蒼機224から安全な航路を指示され、なんとか豪嵐の暴風圏から逃れることができた。
 シンテツ部隊も、どうにかして豪嵐から逃れたようである。

 蒼機224は、豪嵐の影響圏内から外れた安全な無人島へ、緋七たちを降ろす。


蒼機224/GM 知性核は、蒼い髪の少女の三次元映像の姿で話す。
「わたしはこれから、故郷へと帰る旅を始めたいと思います。あなたたちがどのような道を辿るのかは分かりませんが、お元気で」

緋七 「ええ。わたしたちも、自らの力で、あなたたちと会えることを楽しみにしています。自力で星界へと上がれる日が、いつか来ます!」と、がっちり握手をする。

ランコ ホログラムと握手できるんだな。

GM 「握手シタイガ、コレハ映像デース」などと言ってはいかん(笑)。


 この当時でも、ゴジラvsキングギドラねたはやや古いと思われる(編者注)。


オニキス/GM 「わたしたちも……努力します」と、頭を垂れている。

ランコ 「オニキス少佐、まだまだこれからやで。ガッカリしてたらあかん。もっともっと、頑張ろうや。……ところで、報酬は?」ぼそっ。

オニキス/GM 「何のことですか? そんな契約しましたか?」

ランコ 「ナニ言ってるんや、うち死にそうになったんやでー!」

GM さて、天航船が飛び立っていく。爆音とともに、砂煙を巻き上げて。重力制御で、一気に蒼空の彼方へと消えていく。

緋七 「いつか、わたしたちも」

オニキス/GM 「そうだな。道は違えど、我々の目指すところはひとつ。頑張ろう」と、手を差し出す。

緋七 「負けませんよ」と言っておこう。

ランコ 「あんさんの写真、もらえへんか?」

オニキス/GM 「まあ、記録用の簡単な写真機ぐらいならあるが」といって、みんなで記念撮影をしました。

艦長/GM 「うむ、それは艦長権限として、一枚いただかねばな」

水兵/GM 「艦長! ナニをいってるんですか!? 艦長ォー!」

GM では、一応上に報告して、これで終わりだ。無人島から帰るのは、ちょっと大変だったが(笑)。
 報酬は、まあオニキスもいくらかくれるだろうから、合計120万。
 君たちが駐屯地に帰り、アカマツ百騎長に報告すると……、
「まあまあ。それは大変でしたね」と、一言で(笑)。

緋七 ひ、一言で~!?(笑)

ランコ 軽いよ!

アカマツ/GM 「確実に、あなたたちもゲキとして成長を遂げているようで、わたしも嬉しいです。この案件は、正直危険だなぁと思ったんですけどね、あえて我が子を谷に突き落とす獅子の心境で、お仕事を依頼しました(笑)」

緋七 「それはつまり、わたしたちはどうなってもよかったと……?」

アカマツ/GM 「何を言ってるんですか。貴方たちを信じていたからこそ、です。その証拠に、こうして貴方たちは無事帰還したじゃありませんか。アマミツヨの空は、今日も蒼いですねえ」と、窓の外を見たりしている。

緋七 豪嵐の影響で、曇ってるんじゃないですかねえ(笑)。

GM ではそんなところで。今日のハナシの難易度は「普通」で、経験点は……。

緋七 普通かー!? 「難しい」で、経験点30点だろ。

GM じゃあ、そういうことでいいよ。

ランコ 今回は、天魂の考え方に焦点を絞った良いシナリオでしたね。

GM どうも、お疲れさまでした。


リプレイ第4話 終わり

三龍戦騎 リプレイ第4話

「星界への熱い道のり」

 おわり



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