コスメ売り場で女3人組からマルチ勧誘された話
今日は朝からバイトでヘトヘトだった。脳死状態で用もなくコスメ売り場をうろつく。イオンモールだとバイト終わりに買い物できるのが便利だ。
今日の夕飯なに食べようかな、コロッケ食べたいなあ、夕方だから割引されてるかもとか考えながら、ぼーっと佇んでいたら横から
「あの、すみません。友人にプレゼント送りたくて、お店探してるんですけど、ここのイオン初めてで‥どこか良さげなお店ありませんか?」
私と同い年(20代前半)くらいの女の子が急に話しかけてきた。後ろに50代女性と20代女性が一緒にいる。急に話しかけられたので、驚いたけれど、人が良さそうな女の子で親切に教えてあげた。
すると50代女性が、
「大学生ですか?」
と質問してきた。ああまあそうですと答えると「もしかして〇〇大生(大学名)?この子(後ろの20代女性)もそうなのよ」と言う。
「あ、そうなんですね〜奇遇だ〜」
なんか知らない人と会話始まってんな
テキトーに話流しとくか
なんかそのまま色々質問されて、学年もサークルも学部も答えてしまった
話もひと段落したのでそろそろ解散するかなと思っても、3人はなかなか動こうとしない。
ん?なにか伺っている?
「私も就活生で…」後ろにいた20代女性が話しはじめる
「あらそうじゃない、連絡先交換しといたら?」
「いいじゃん!しときなよ!」
あ、なんかダルい流れになってきたな
まあ交換ぐらいならいいかとインスタを交換する
「頑張る仲間増えてよかったね〜!」
「もし時間あったらこの後どっか行きませんか?せっかく仲良くなったのでカフェとか」
あ、これダメなやつだ。
マルチか宗教じゃん。
「ああ〜この後帰らなきゃいけなくて…」
用なんて無かったけど、あるフリをして断る。
思ったよりすぐに断りを受け入れ、女3人組はニコニコの笑顔で「またね〜!」と手を振りながら去っていった。
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怖かった。
心臓がドクドクしていた
背中に嫌な汗をかいている
なんで最初お店聞いてきたのに、私の情報を根掘り葉掘り聞いて、最後はお茶しませんかって話になるんだよ。
たった5分の出来事だったのに、とても長い時間に感じた。
困惑、恐怖、怒り、屈辱、悲しみ、色んな感情がごちゃ混ぜになって、泣きたくなって、買い物はまともに出来ずに帰った。
本とかニュースで見たことはあったけれど、本当にあるんだ。
というか、自分が勧誘される側に立つとは思わなかった。
自分がホイホイ騙されそうだと判断されたのも悲しかったし、女3人組がマルチにかかってしまっている事実も悲しかった。みんな人が良さそうだったから。
最初に話しかけてきた女の子、とても笑顔が素敵で、柔らかい雰囲気で友達になれそうな子だったのにな。
あの人柄をマルチ勧誘に利用してしまうなんて、悲しい。
きっと心が弱っているときに、あんな風に優しく話しかけられたら、ついていってしまうのだろう。孤独感でいっぱいだったら、仲間に入れてもらえそうな温かさに魅力を感じてしまうのだろう。
ラッキーなことに私には愛すべき家族や恋人、友人がいたから気づけた。けれど、もしその愛する人達が引っかかってしまったらと思うと、ゾッとする。
今日経験したことを私の好きな人たちに伝えたい。ついていかないでね、こんなのに入っても、自分の周りから人が離れていくだけだよと。
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家に帰って、交換したインスタをブロックした。
ごめんね
はやく気づいてくれたらいいな
一人でも多くあなたの周りから大切な人が消えませんように。
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