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國嶌りょう
2019年1月4日 00:27
京都駅まで向かう電車は予想よりもすいていた。通路を挟んだわたしの目の前には、小さな男の子が座っている。やわらかそうな栗色の髪の毛、肌は白くて、マリンブルーのダウンがよく似合っている。4歳ぐらいだろうか。母親はすこし離れた場所に立って、スマートフォンをいじっている。揺れる車内で、その子はわたしをじっと見つめている。わたしは見つめ返して、「ごめんね」とつぶやく。「変なものを見させてご