見出し画像

ひとさしゆびでなかよし

日々の猛暑が嘘だったかのように急に冷え込み始めたこの頃、息子との公園ライフが復活を遂げた。

仕事おわりに保育園へ直行、その後いつもの公園で遊んで帰宅するコースは、息子が夕方の楽しい時間を過ごすことと体力消耗を目的とした母親の任務である。息子は、毎回のように公園にいる知らない子から声をかけられる。時には一緒に遊ぶことも少なくない。その年齢は幅広く、下は2歳から上は中学生と、おどろきのニーズである。

その日は、遊具で遊んでいると活発そうな中学生の少年から声をかけられた。ハイタッチやグータッチ、頭を撫でるなど、息子のことをかわいがってくれていた。
息子も短時間でお兄さんへ好感を持ち、中学生集団の中へ入ろうと追いかけて行った。

それに気づいた少年が立ち止まると、息子は少し照れくさそうにひとさしゆびを差し出した。
あれ、E・Tのような指先コミュニケーション教えたことあったっけな?
息子は何をしようとしているんだろう、とその様子を観察していた。


すると息子はさらに少年へ近づき、ゆびを差し出した。

その指先に何かがついている。


はなくそだった。

いつ鼻から採取したのかも気づかず、指に大きな塊がついていた。お兄さんへはなくそを渡そうとしていた事実に気づき、恥ずかしさで絶句し謝る母に、周囲にいた中学生集団は大爆笑。
もちろんその少年も腹を抱えて笑っていた。


その様子を見て、息子は満足そうな笑みを浮かべてふふふ、と笑っていた。
正直なところ、参った。

息子よ、こんなにも沢山の人たちを一瞬で笑わせられる術を身に着けているのかと。

ユーモアたっぷりな子に育ってくれたら良いな、と淡い希望を抱きながら日々接している母としては、親バカながら最高な息子だと思った。

しかし実際に人にはなくそを渡す行為は、今は許されてものちに嫌われていくのはたしかなので、息子には、はなくそはティッシュに包んで捨てようね、ママになら渡してもいいけどさ。
と、伝えた。

保育園でもコミュニケーションの一貫として、おともだちや先生に渡すようになっても困るので、翌日の連絡ノートには、公園で出会った少年にはなくそを渡そうとしたこと、園でも同じようなことをしたら諭してほしいと記し送り出した。すると、先生からのお返事には誰とでも仲良くなれるあおくん素敵です!と、お褒めの言葉が。

保育士の先生は、はなくそ事件のことをそっとティッシュに包み、特にそこには触れず長所を褒めてくれた。

そんな息子は2歳4ヶ月になった。
ちなみにブルーベリー丼も朝晩欠かさず1ヶ月以上食していて、ブルーベリー代が家計を圧迫し始めたことだけは記しておきたい。


日課のブルーベリー丼

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?