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キャラクターは生きている


年末、実家に帰るときに甥っ子に
HelloPika(ハロピカ)という玩具を買っていった。

話しかけるとピカチュウがほっぺをピカピカ光らせて
首をひねって、いろんな鳴き声で返してくれる。

ピカチュウ、ピカチュウ、と愛おしそうに話しかける甥っ子も、
それに答えてピカピカ光るピカチュウも本当に可愛くて、
叔母さん冥利に尽きる光景であった。

(最近のピカチュウは本当にスリムになったよね。。。)


ところで、アラサー世代のみなさんなら、覚えがあるんじゃなかろうか。


これ!!!


以下、ニコニコ大百科より-----

てのひらピカチュウ

てのひらピカチュウとは、タカラトミーから1997年7月17日に発売されたおもちゃである。
底面にセンサーが内蔵されており、手のひらに乗せると「ピカチュウ」と鳴く。
言ってしまえばそれだけのおもちゃなのだが、何と218万個も売れたそうだ。

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ほんと、小学生の5人に1人くらい持ってたんじゃないか、これ。

大人の事情なのか、
鳴き声がアニメの大谷育江さんの声ではなく、
ちょっと艶かしい女性の「ピカチュウ 」という声だったのが忘れられない。笑
手のひらに連打させて、「ピピピピカピカピカピカチュウ」ってただひたすら鳴かせた思ひで。

今の「ハロピカ」は、
首が動いて、
声もちゃんと大谷ボイスになって、
鳴き声のバリエーションも増えたけど (ピカピーーー!)

自分が小学生の頃に熱狂したあのおもちゃが
20年の時を経て、
進化形態で、今も子どもたちにこんなに愛されてるっていうのは嬉しいこと。

ポケモンが生まれたのは自分が小3、4年生くらいの時で、
アニメの主人公サトシとも歳が近く、
素晴らしいものの誕生に、ちょうどいいタイミングで立ち会えたと思う。
(ポリゴンショックもリアルタイムで体験)

時を越えて、
これだけの子どもたちの頭の中で、
友達として、活き活きと動き回っているんだから、
キャラクターというものは、実態はなくても、
ほぼ、「生きている」と言えると思う。


去年、それを実感する出来事があった。

人体デッサンの教室に通っていた時、
サンプルとして、プリントに漫画のキャラクターのようなものが載っていた。

先生が、「これは昔教えていた生徒が描いた漫画のキャラクターなんだよ」と言う。

ツンツンヘアーに手裏剣を持っている。
その表情や服装。。。すさまじい既視感。
このキャラクター、、、どう見てもNARUTOの影響を受けすぎだってばよ!

(『NARUTO -ナルト-』は、岸本斉史による漫画作品。 1994年から2014年まで『週刊少年ジャンプ』で掲載)

そんな私の心の中のツッコミをよそに、先生の講釈は続く。

「すごくかっこいいキャラクターだったし、ストーリーもよく描けていた。
賞も受賞して、いよいよ、連載できる、、、!ってときに、

ジャンプで『ナルト』が始まっちゃったんだよ。
それで、彼の漫画家人生は途絶えてしまったんだ」


・・・・・・!!


鳥肌が立った。

だれがどう見ても「うずまきナルト」君にそっくりな、
無名の彼が書いた名前のわからないキャラクターは、

ナルトに影響されたのではなく、
ナルトと同時期に生まれていた


キャラクターは、「産まれてこようとする」のだ。何が何でも。どんな手を使っても。

自分を活かしきることのできる技量を持った人の頭や手に宿り、
この世界に形を得る。

時には保険をかけて、数人の手を使う。

科学技術の発展なんかも、
全世界でたまたま同時期に同じものの研究が始まり、
発表までの時期を競う。

(このあたりのことは、
『食べて、祈って、恋をして』の著者であるエリザベス・ギルバートの著書
『BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。』にたくさん書いてある)



アイデアもキャラクターも、秘密の泉みたいなところから生まれてきて、「自分を生かすもの」、優秀なクリエーターを探しだして寄生し、形をまとい、

そのキャラクターを見るいろんな人たちの心のなかで動き回り、話をし、関係性を築き、息をしている。



可愛くてふにゃふにゃしていて、問答無用で人をちょっとだけ幸せにしてしまう、

そんな「もののけ」たちが宿りにくる、
優秀なしもべになることが、もっぱら私の夢である。




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