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瀕死のオタク魂を蘇生した「進撃の巨人」とかいうヤベー漫画

私の人生に影響を及ぼした漫画ベスト3に入るであろう「進撃の巨人」。
(他の2つは特に決めてない)

その魅力を今さらながら綴っていきたいと思います。


ちなみに、これは我が家の「進撃の三毛猫」



◼️私の人生を狂わせた転換点


・実は、過去記事です。


この記事は、10年くらい前
当時20代だった私が他の媒体で書いたものが発掘されたので、
ラッキー、リサイクルしようと思って当時の瑞々しい気持ちを思い出して
加筆・修正してnoteに載せることにした。

進撃の巨人は、2021年に最終巻が発売された
私はもちろん、その最後を見届けた。
最初は絵が商業レベルに達しているとは言い難かったのに、この、綿密に計算された素晴らしい物語を
最後の最後まで届けきってくれた諫山先生に感謝したい。


・人生狂わせてくれてありがとう


10年前にこの記事を書いた当時は、
大人が漫画を読むという行為は今ほどにはメジャーなものではなかった。
なんか、読んでたらモテなさそうな気がした

時代に流されまくることで定評がある私みけ みわ子は、
「漫画とか、まぁ、ちょっとは読むけどね、
少年漫画にガチでハマるとか、もうないよね
オシャレな大人の女性向け漫画をたしなむ程度かな」

そんなふうに、自分の内なるオタク性から目を背け、
封印していた。


しかし、
TSUTAYAのレンタルコミックコーナーで、
ふとした出来心で進撃の巨人を手に取ってから
運命の歯車は大きく狂い始める。


うん、私オタクだったわ。

え、待って。ミカサって可愛いすぎん?


それから時は流れ2024年の現在、
漫画アプリで合法的に漫画が無料で読み続けられるという
人類が未だかつて経験したことのない時代に突入し、
私は常に10種類くらいの漫画を並行して読んでいる

漫画、サイコー

↑このVaundyのMVを観るといつも泣きそうになってしまうんだけど、
3分の2くらいはどの漫画のコマか認識できるようになっていた自分にちょっと引いた。


もういい大人だから漫画なんて読まない、
と必死でクールぶっていた20代会社員だったころの私。

見た目は大人、メンタルは子供で
得体の知れないブログを書いている現在30代フリーランスの私。


進撃の巨人は、
そのおかしな方向に舵を切る最初の大きなきっかけになったような気がします。

(そういえば、当時書いたこのブログを仲間内でけっこう褒めてもらえたことで
文章を書いていきたいと強く思うようになりました。)

気が触れるくらいドキドキして面白い漫画を、
本当にありがとう。


ではでは、
ここから先は当時、まだ進撃の巨人が10巻ちょっとしか発売されていなかったころに書いた記事になります。

(読み返して思ったけど、
現在は、当時に比べると「進撃」のように練り込まれたストーリーの漫画がだいぶ多くなりましたね。)


◼️少年漫画と少女漫画の違い


久しぶりに少年漫画(青年漫画)にハマり、
いてもたってもいられない。
明日も仕事なのに、ページを繰る手が止まらない。


少年漫画と少女漫画を読み比べると
あらためてその違いに驚く。

少年は敵を倒すため、宝を探し出すため、
地球の果てまで突き進む。

一方、
少女は気になるクラスメートの視線に、
友達の言葉に一喜一憂し、
半径5メートルの世界で浮き沈みを繰り返す。

性別の力はすごい。


◼️3つの魅力



「進撃の巨人」は、
そんな少年(青年?)が巨人を倒し自由を掴むため、
壁の外の世界を冒険する物語。

少年でも、もはや少女でもない自分
どうしてそんなにハマるのかという理由を3つ挙げてみる。



① 世界観の作りこみと伏線の張り方の巧妙さ



仕事に追われ、ファンタジーから遠ざかり
現実世界で戦う大人にとって、
「巨人」というテーマは現実離れしすぎていると思ったけれど、
いざ読んでみると
リアリティをもって差し迫ってくるものがある。

まず、物語の設定・世界観が綿密に作られていて、
説得力を持つほど厚みを持っている。

そして、その全貌が
薄皮を一枚一枚はがすように少しずつ提示されていく。
巨人の秘密も、ゆっくりと解き明かされていく。

また、その種明かしの手法が見事だ。
読み進めるうちに、ふと動きが止まるような、
小さな違和感を覚えるコマに出逢う。

誰かの視線の方向とか、短いセリフとか、
そういった些細なものだ。

読み飛ばしてすぐに忘れてしまうのだけれど、
後になってから、そのほんの小さな違和感が
全て布石になっていることに気づく。

気づきつつも見過ごしてしまう。
後から説明されると、難しいけれどなんとか理解できる

そんな絶妙なレベルを保ちながら、
あちこちに伏線が張られている。

厳選された石が積み重なって山ができていて、
その石を、表面から一つ一つ拾い集め、
石と石の組み合わせ方を考えながら、
山の中心に向けて掘り進んでいく。

この物語を読み進めるには、そんな作業が必要となる。

そして、この山は丁寧に作られているけれど、
大きすぎる山ではないと思う。

物語の規模を大きくしすぎて回収不能になってしまい、
最後は雰囲気だけで無理やり終わらせるような漫画もあるけれど、
この漫画は、
最後には風呂敷を綺麗にたたむことができそうな気がする。

人気だからと引き伸ばさずに、
終わるべきところで綺麗に終わるといいな。
デスノートみたいに。



② 登場人物が強すぎない


ドラゴンボールを筆頭にした少年漫画の宿命として、
登場人物が強くなりすぎて人間の範疇を超えてしまう
ということがある。

そうなると、
「もう、誰のほうが強くてどっちが勝つとか、
作者の主観の話じゃん!」と感じて、
主人公が敵に倒されそうになったとしても
あまり緊迫感を感じずに冷めた感情のまま読み進めてしまう。


でも、この物語には明確に限界が定められている
人間はあくまで人間で、
自力で空は飛べないし、刃物がないと戦えないし、
ガスが切れたらそこで終わる。

さらに、巨人の能力にも限界が定められている
そんな、ある意味で現実味を帯びた世界の話だからこそ、
ピンチの場面では、本気で「やばいやばい!」と切迫して読むことができる

というか、ほぼ常にピンチなので
やばいよ、やばいよ、やばいよ!」と何冊も一気に読んでしまい、
手をとめることができない。

一晩でツタヤに2回レンタルに行ったのは
初めての経験だった。


③ 新しい笑い


基本的に切迫していて走り続けているようなストーリーだけど、

たまに、誰かがちょっと変なことをする。

それも、巨人に追われている最中だとか
かなり危機的な状況の中で。

周りのキャラは一瞬凍りつくけれど、
「ツッコミ役」は不在で、
そのままストーリーは何事もなかったかのように流れていく。

読者としては、「え、まさか今、この状況でボケ入った? これ笑っていいの? みんなスルーしているけど…。
って、これ結構おもしろいんだけど!」

と、一瞬の間の後に、取り残されたように笑わされる。
突然緊張が緩み、
神妙な面持ちの登場人物と
神妙なストーリーに対して、ふっと愛着が湧いてしまう

そんな微妙な笑いがそこかしこにしこまれているのが
この漫画の可愛いところだ。  


10年後の私からの追記:
私が一番好きなのは、コニーが言った
「エレンのイェ(家)ーガーーー!!」です。



◼️終わりに


連載中のストーリー漫画を好きになると、
次の巻が出るのが楽しみで、人生が豊かになる
寿命もちょっぴり延びそうな気がする。  

巨人とは何なのだろう。
人類はどうなるのだろう。

でも、そんなことよりなにより、
クールで不器用で可愛いミカサに幸せになってほしい
とやっぱり少女漫画的な「小さな幸せ」に興味を持ってしまうのだった。

この物語が終着点にたどり着く日を楽しみにしている。



みけ みわ子

本日もお読みいただきありがとうございます! お茶どうぞ。

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