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小学生の時に読んだ本 その後

本好きになって、学級文庫をあらかた読んでしまうような「本好きな良い子」っぽく育っていた小学生の私。外国の童話の次に夢中になったのは、シートンの動物記やファーブルの昆虫記だ。元々生き物が好きだったのでこれらの本の面白さに夢中になった。なのだが、この後私は妙な方向に屈折してしまう。

その頃は江戸川乱歩の少年探偵団シリーズが大流行りだったのだ。一度読んで乱歩の怪しい物語のゾクゾクするような魅力にハマってしまった私を、本は欲しいと言えば直ぐ買ってくれた両親が少し警戒心を見せ始め「もっと他の本も読んだら?」とやんわり乱歩方面から引き離そうとしていた(笑)

そりゃそうだわ、江戸川乱歩と言えば人間椅子に、踊る一寸法師、屋根裏の散歩者、陰獣、押し絵と旅する男、おまけに黒蜥蜴だよ〜。昭和初期のエログロナンセンスだもんね。人が誘拐されたり顔がぐちゃぐちゃになった死体とか高価な宝石が盗まれたりでは、子どもの情操教育にプラスになんかなる訳がないわ(笑)

暗闇に潜む怪人二十面相とそれを追いかける明智小五郎、小林少年。そして街灯も満足にない暗い街を影のように走るチンピラ別動隊。二十面相が潜む古い洋館の仄暗いイメージと、古い木造校舎と廊下の隅の埃を被った気持ちの悪いカエルの解剖標本とがオーバーラップする!こりゃたまらんわ〜。

もちろん小学生だった私が読んだのは少年探偵団シリーズだけだったけど、乱歩の物語の妖しさにはすっかり魅せられてしまった感じだ。年齢が上がって当然私は大人向けの乱歩の小説も読みふけった。読めば読むほど妖しい話ばかり。今ならオタク青年がおかしなアニメにハマるとか、そんな感覚に近いのかもしれない(分からないので適当に言ってます)

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その後高校の頃は横溝正史が大流行りで、犬神家の一族とか映画化されてもう社会現象と言っていいほどの盛り上がりぶりだった。

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妙な本ばかり選んで読むようになったけど、割合まともに「新潮文庫の100冊」とか興味があるものは結構読んだ方かも。ただ、自分の好き嫌いが世の中のスタンダードからかなり外れている感覚はあった。

だからこれ以上、文学から妙な影響を受けて認知が歪んでも困るし(笑)音楽にハマりまくっていたのもあったから、その後は本はあまり読まなくなった記憶がある。ハイティーンになって読んだ本といえば、ノンフィクションや他はビジネス本とかの実用書。随分落差がある好みだったなぁ。

あんまり物語の世界にハマるのも何だかな〜って読書に自己規制をかけたような記憶はある。小さい頃に読みたい本はだいぶ読んで満足したこともあって、あとはノーマルに軽いエッセイとかそんな感じの本を時々読む程度になった。


小さい頃の読書体験は大人になってもその人の本質的な部分の一部になっているのかも、とかちょっと思ったりする。




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