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現米国政府のインテリジェンスの凋落

相変わらず不思議に思うのは・・プーチンがウクライナ侵攻を始めた時、彼は米国からの経済制裁がSWIFTからの締め出しに及ぶと意図していたでしょうか?判らない。
バイデンとその周辺を固めている秀才たちがなぜそれまでにSWIFTの威力を信じていたのか?判らない。
あのとき、バイデンは「経済的核兵器を使用する」と言った。彼らの狙いはロシアの金融機関が麻痺して、その責でプーチンが放逐される・・という絵図でした。そして海外(米圏にある)ロシアの外貨準備用3000億ドルを差し押さえてしまいました。・・つまりこれでプーチンは失脚すると考えたわけです。
僕はここに現米国政府のインテリジェンスの凋落を見る。米国の凄さは、情報解析とそれに準じた政略の決定でしょう。トランプのケツを追っても、CIAは最も重要なインテリジェンス対象であるロシアの経済状況の客観的な把握を、正確に行っていなかったということでしょう。

プーチンは、すぐさま金ペッグのルーブルデジタル通貨の発行を宣言しました。そして中国が持つCIPS国際送金回線を使用して米国管理化に無い国との貿易を切り替えました。それも見事な早さです。

あのとき、僕が咄嗟に思ったのは「ウクライナはバイデンのアキレス腱。それを攻めれば米国はSWIFT使用禁止にまで進む・・とプーチンは考えたのか」ということです。
結果として見ると・・このバイデンの決断は、欧米に深刻なインフレ(9%以上)をもたらし、金利は危険水域まで(米国5.5%:ユーロ4.25%)上がりました。そして戦争支援による不毛の国家疲弊です。「ほしがりません・勝つまでは」と云っても・・この支援から利を得るのは兵器産業とウクライナの農作物利権を押さえている少数のエスタブリシュメントです。欲しがりませんで我慢した民は置き去りにされるわけです。この愚政を民は許さない(少なくとも米国やフランスは)

一方、バイデンのやり口に、多くの国が震撼しました。「逆らえば、あれが"明日は我が身"にか?」ということです。
これがBRICS+に繋がったわけです。SwIFTに暴利を貪られない、そしてドルに支配されない可能性を、多くの国々はバイデンの経済政策を凌いだプーチンに見た・・ということです。

BRICS+五カ国は、R5という貿易通貨を作ります。すぐにではない。ユーロでさえ10年かかった。5年はかけるでしょう。しかしR5が動き始めると、ドルは一国家の貨幣になります。外貨として各国に貯められているドル1.6兆ドルは雲散します。・・それでも醜女の深情けでドルに縋りつく(実質的)植民地は残るかもしれません。しかし外貨準備金としてひと様が抱え込んでくれるドルがなければ・・暴落します。1/2くらいまでに落ちます。
ベトナムで疲弊したニクソンが行ったようにドルの引き下げを必ず次の大統領が宣言します。

この経済戦争を(少なくとも)ドローに持っていくには、バイデンは「経済的核兵器を使用する」と宣言したように、突然(なにかの理由を作って)ロシアとの戦争へ持っていくしかないでしょうね。
しかし・・ナポレオンは負けたのです。ロシアはあまりにも広大です。ロシアと米国の戦いはあまりにも米国が不利です。・・先日も、ロシアの超音速核ミサイル(秒速7Km・マッハ20)が、ロンドンに2分で着弾することが分かった時、英国政府は国防相を「無能」として更迭しました。米国でも同じことが起きます。
僕はSWIFT制裁をバイデンに進言した連中が、今度は「戦いとなれば全国民が一致団結する」と妄信することが無いように・・祈念します。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました