小説特殊慰安施設協会#34/東京宝塚劇場
役員室は、日比谷公園に面していた。女子社員が、大きな手拭とお茶を運んできた。小美世はお礼を言いながら聞いた。「結城総支配人はいらっしゃるンですか?」
「はい、すぐ。いらっしゃるそうです。」
「お忙しいでしょうでから、ほんの雨宿りということで、お手を患わずにとお伝いくださいませ。」小美世が言った。女子社員は小さく会釈して出て行った。
「さすが気が利くねぇ。色物じゃない手拭を用意してくださってる。」小美世が千鶴子を見ながら言った。そして手拭で千鶴子の肩を拭き始めた。
「あ