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小説特殊慰安施設協会

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2020年12月の記事一覧

小説特殊慰安施設協会#40/千疋屋の闇

林田係長は日本橋に麻雀屋を開いていた。ボーイ間のトラブルを回避するために、林田の指示でボ…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#39/千疋屋の闇

サムズ大佐は娼妓側にもペニシリンを供与することを決定すると、同時に週一回の性病検査実施を…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#38/ペニシリンの奇跡

その太平洋戦における米軍公衆衛生局PH&Wの責任者はクロフォード・サムズ大佐だった。 彼は…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#37/最初の冬

敗戦後、最初の冬が始まっていた。深刻な食糧不足が各地で表面化し始めていた。その上この年は…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#36/オフリミットの嵐と潮目

商売としてみると、R.A.A.の売り上げは順調だった。慰安部もキャバレー部も、連日満員で収益は…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#35/オフリミットの嵐と潮目

10月に入ると、都内・都内近郊だけで40数か所あったR.A.A.慰安部の施設は、ほぼ毎日数か所がGH…

勝鬨美樹
3年前
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小説特殊慰安施設協会#34/東京宝塚劇場

役員室は、日比谷公園に面していた。女子社員が、大きな手拭とお茶を運んできた。小美世はお礼を言いながら聞いた。「結城総支配人はいらっしゃるンですか?」 「はい、すぐ。いらっしゃるそうです。」 「お忙しいでしょうでから、ほんの雨宿りということで、お手を患わずにとお伝いくださいませ。」小美世が言った。女子社員は小さく会釈して出て行った。 「さすが気が利くねぇ。色物じゃない手拭を用意してくださってる。」小美世が千鶴子を見ながら言った。そして手拭で千鶴子の肩を拭き始めた。 「あ

小説特殊慰安施設協会#33/東京宝塚劇場

泰明小学校前の道は「みゆき通り」と云う。 この道は、明治天皇が築地にあった海軍兵学校、海…

勝鬨美樹
3年前
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