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【随筆】 宝くじ


義父が年末ジャンボ宝くじを買って来てくれと言う。


千円札1枚出して言うには

「組番号は40、50、60の中から、バラでも続き番号でもよか」

「エッ?1枚300円のくじ3枚買うのに

組番号とかバラ、続き番号とか、そんなこと言いきらん」と言うと

すました顔で「当たるとばくれんの、と言って買って来い」と言う。

嫁に「あんたは言える?」と聞くと「私も言いきらん」と笑う。


「当たったら小遣い銭をやるぞ」

と孫たちに話す義父の顔は”夢見る夢子さん”の笑顔そのものだ。

家族皆で3枚の宝くじに夢をたくしている。






この随筆はがん闘病中の祖母が趣味で始めたもの。

決められた文字数で、祖母が見たこと感じたことを綴り
できあがった随筆を新聞社へ投稿しては
掲載作品に選ばれるのを楽しみにしている。

祖母の随筆は思わずクスッと笑ってしまうような微笑ましいものから
ふと考えさせられるものまでさまざまだ。

そんな祖母の随筆を好きなときに読めるよう残しておきたい
そう思ってnoteに少しずつ投稿している。


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