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【随筆】 ホタルの里


姉の家の横を流れる川はホタルの里らしく

季節になると何万のホタルが乱舞するという。


過日行った時はあいにくの雨続き。

それでも義兄が「来ちょっかね」と言って

様子を見て来ると言うのでついて行くと

暗闇の中に淡い光をともしたホタルが数十匹。

木の枝や草にとまっているホタルや水面を飛び交うホタル。


幼いころに見て以来のことで私は感嘆の声をあげたが

後は息をひそめ見とれていた。

川のせせらぎの音とホタル、田ではカエルの合唱、

なんとも心安らぐひとときだった。


後ろから義兄の懐中電灯がぬかるんだ足元を優しくともしていた。






この随筆はがん闘病中の祖母が趣味で始めたもの。

決められた文字数で、祖母が見たこと感じたことを綴り
できあがった随筆を新聞社へ投稿しては
掲載作品に選ばれるのを楽しみにしている。

祖母の随筆は思わずクスッと笑ってしまうような微笑ましいものから
ふと考えさせられるものまでさまざまだ。

そんな祖母の随筆を好きなときに読めるよう残しておきたい
そう思ってnoteに少しずつ投稿している。


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