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小説「先天の少女と魔術機動隊」第2巻、電子出版しています!
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アマゾンにて絶賛販売中です!
「先天の少女と魔術機動隊」はライトノベルです。
イラストは雨つゆさん(ツイッター@ame2yu)(旧名、水都ここさん)にお願いしました。
タイトル:「先天の少女と魔術機動隊(2)」
電子書籍販売サイト:アマゾン
ASIN : B0B69ZNJ49
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B69ZNJ49
ご興味のある方は、ぜひ、読んで頂ければ幸いです!
■「先天の少女と魔術機動隊(2)」はこんな話です。
「な、流されている! 俺たち、ブラックホールに流されている!」
アズマとマキの体は、ブラックホールの引力によって、ゆっくりと、確実に、ブラックホールに吸い寄せられていた。
マキからの通信は『はぁはぁ』と言う荒い息きづかいだけが聞こえてくる。
やばい、かなり疲れている。
「白川将官、どうすれば、どうすればいいですか?」
応答がない。どうやら地上との通信状態が悪いようだ。
『もう一度やる、もう一度やるぞ、アズマ』
低く唸るようなマキの声がした。
「もういい、マキは休んでいろ、あとは俺一人でやる」
アズマは透明のヘルメット越しから、マキを見つめた。
その言葉で、マキの顔が一瞬だけ緩んだけれど、すぐに真剣な顔つきに変わった。
『地球人だけでは、ブラックホールを亜空間に飛ばすことは無理だ。わらわは亜空間の場所を知っている。だから、わらわがやらなければダメだ』
「そ、そうだったな」
ブラックホールに流されているアズマたちに、余り時間は残されていない。
もう、宇宙に転送されてから二〇分はゆうに過ぎている。
酸素もあと一〇分も、もちそうにない。
アズマの頭に『死』の文字がよぎる。
『アズマ……』
いつもと違うマキの弱々しい声が通信機から聞こえてきた。
『アズマ……、あの時の、弁当……、おいしかった』
『アズマ……、あの時の、銭湯……、楽しかった』
『アズマ……、あの時の、戦い……、かっこよかった』
『アズマ……、アズマ……、わらわは……、アズマと会えて……、幸せだった』
マキの透明ヘルメットに、ポタポタと水滴が落ちる。
マキの肩は、ヒクヒクと小刻みに揺れていた。
アズマは無言で、マキをそっと抱きしめる。
するとマキの瞳から、涙が溢れ出てきた。
地球から、三万六千キロメートルの地点に突如現れたブラックホール。
そのブラックホールは地球の大気を飲み込んでいた。地球の生命体が維持できる時間はわずか九〇分。
この地球存亡の危機を救うべく、アズマとマキに白羽の矢が立った。
元々強い魔力を持つアズマとザラアースの王女・マキが繰り広げる学園ファンタジー。
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