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【詩集4】女の哲学(コズミック・オーガズム)

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詩集「コズミック・オーガズム」は霊的ワンネスを官能的な詩で表した詩です。 【詩集4】は、やがて愛が成熟しふと我に返る時、永遠に変容してしまった世界の中で、自分はいったい何者だった…
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2020年5月の記事一覧

金色と透明|女の哲学

金色と透明|女の哲学

演奏中の白昼夢。

私の右にある
大きな金色の楽器は
あなた。
左側にある大きな透明な楽器は
私。

その二つを奏でる時
あなたと私はひとつになる。
 
出会うまでの音
ひとつの狂乱の音
ひとつの静寂の音
そして無の音。
 
あなたとの出会からの
物語を創造する。
 
金色の楽器が
実物のあなたなのだろうか?
それとも目の前にいるのが
幻のあなたなのだろうか?

 
音に包まれた私は
あなたとのエ

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氷河|女の哲学

氷河|女の哲学

  私は熱く燃えたぎっているから
  雪の中でまぐあいましょう

  どんなに冷やしても
  冷やしても
  溶けていく
  雪も氷も 
  私に触れて
  一瞬で水蒸気となり

  氷柱なと
  私を傷つけることさえできず

  氷河の崩壊の中
  熱は渦巻き
  
  源流からの
  澄み切った濁流で
  全てを洗い流す
  跡形もなく

  そうしてやっとおさまる
  あなたの腕の中

  

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天空のヴィーナス|女の哲学

天空のヴィーナス|女の哲学

  最初から
  あなたとひとつのエネルギーを感じた。
 
  一音は
  一瞬で空間を埋め尽くした。
  重ねる音はひとつひとつ際立ちながら
  増幅していく。

  開いていく音。
  水晶の原子が
  透明になったかのように
  溶け合いながら広がっていく波。
  クリスタルはもはや
  クリスタルではなく
  生きる命。
 
  あなたは命の中で
  舞っていた。
  楽しそうに。
 
 

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崩れたあとに|女の哲学

崩れたあとに|女の哲学

  あれやこれやを
  全部殺してみた。

  それらは
  あたかも命があるように
  ふるまい続ける
  頭の中だけの世界。

  オピウムに侵された脳のように
  陶酔しながら崩れていく。

  さて?

  残ったものは何?

  形もなく
  積み重なっていく
  
  あなたの
  赦し

(Photo: ©MikaRin)

MikaRin Youtube 音楽チャンネル

擬音|女の哲学

擬音|女の哲学

びよ~んびよ~んびほ~~~~ん
力が抜けちゃった

ぷほ~んぷほ~んぷほ~~~~~ん
張り詰めた糸が緩んじゃった

からんからんから~~~~~~~ん
頭が空っぽになっちゃった

ばひょ~んばひょ~んばひょ~~~~~~~~~ん
もう妄想にはだまされないもん

ばっきょんばっきょんばっきょ~~~~~~~ん
自分がこわれちゃった

さらさらさららら~~~~~~~~~~ん
流れていったよ

ぶっきょんびゅ

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矛盾の神|女の哲学

矛盾の神|女の哲学

  わたしは
  完全な融合と
  完璧な分離の間で
  二つに引き裂かれ
  ゆらゆらしている。

  あなたを
  太陽のように自由に
  愛したい心と

  失いたくないと
  ダイアモンドのように
  自制する心と

  矛盾の中で
  ゆらゆらしながら

  音の中でだけは
  全てを忘れて
  純粋に愛に溺れられる
  自由を知った。

二つに引き裂かれてできた
傷という穴をくぐり抜け

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紡げない言葉 |女の哲学

紡げない言葉 |女の哲学

  果てしない宇宙を前に
  人間はなんと小さいものだろうかと思い
  その中で絶対的に生かされている
  果てしなさに震える。

  その大きさを感じられてしまう感覚は
  いったいどこからきているのだろう?

  探ろうとしても
  手も足も出ない。
  ただただ体を投げ出して
  心を広く開け放ち
  内に外に
  あなたを感じるしかない。

  その壮大さが
  私に言葉を紡がせる。
  

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手を放す|女の哲学

手を放す|女の哲学

手を握りしめる。
握り続ける。

窮屈になって
苦しくなる。

そして
手を放す。
大いなるものへ。

またいつのまにか
固く握りしめる。

想い出す
指の開き方を。

そして
少しだけゆるめる。

手を放す
大いなるものへ。

すると
向こうからやってくる。
すべてが。

【let go】

Clasp my hands.
Continue to hold.

Getting cramped a

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感じる必要もないほどに|女の哲学

感じる必要もないほどに|女の哲学

  もうあなたを感じようとする必要はないみたい。

  あなたは微細なエネルギーで私を完全に満たし
  私の体にぴったりと溶け込んでいる。

  指を一本動かせば、私の中にあなたを感じ、
  一つの呼吸の中に、あなたの振動を感じる。

  大きく澄み切った蒼い空。
  新緑の甘い香り。
  鳥たちのさえずり。
  冷たい風。
  喜び。

  溶け切ったひとつのふたり。

  ♢

  私があなた

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