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【詩集4】女の哲学(コズミック・オーガズム)

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詩集「コズミック・オーガズム」は霊的ワンネスを官能的な詩で表した詩です。 【詩集4】は、やがて愛が成熟しふと我に返る時、永遠に変容してしまった世界の中で、自分はいったい何者だった…
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2020年4月の記事一覧

サバンナ|女の哲学

サバンナ|女の哲学

  水晶の音が私の中を通り過ぎていく。

  時に強く
  時に舐めまわすように。
 
  私の身体は海の中の植物の様に
  音の波で漂う。
 
  低い倍音が大地に響く
  這いながら伝わる波の音
 
  私は座っている
  あなたの振動の上に。
 
  高い倍音は空気を揺らす
  上へ上へと引き上げる天界の音

  それは私の知らない
  あなたの姿。
 
  私は官能する
  新しいあなたに

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人生を超えるとき|女の哲学

人生を超えるとき|女の哲学

  人生はままならならぬ
  ままならならぬが人生
 
  思わぬことが起き
  思うことが起きず
 
  そうだと思うと違い
  違うと思うとそうであり
 
  あってはならぬことが起き
  あってよいことが起きない
 
  ずっと続くと思うことが終わり
  すぐ終わるだろうと思うことが続く
 
  抗いようがない
   天のさだめ
 
  翻弄され
  渦に巻き込まれ
  敗北しつくし
  す

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祈りの花|女の哲学

祈りの花|女の哲学

  花びらが落ちる。
  誰にも知られることもなく
  広い星空のもとで
  静かに

  落ちる。。。

  花を揺らしたのはわたしだったのか。
  風に耐えられなかったのはあなただったのか。

  繊細な花は
  あまりにも無邪気に咲き
  そして消える。

  その後に身を結ぶ花であってほしいと
  わたしは祈る。

  咲いた花が
  誰かを励まし
  支えていたのだと
  思えるように。

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あなたへ、美しい花の理由|女の哲学

あなたへ、美しい花の理由|女の哲学

  花が咲いている。
  美しい花。 

  遠い遠い渓谷の谷間の
  日の陰りが
  下草を茂らせ
  滋養を与える大地に。 

  時に吹きおろす風に吹かれ
  嵐の中に翻弄され
  重たい雨に首(こうべ)を垂れる
  美しい花が。

  人に踏みつぶされることも無かった。
  摘み取られ捨てられることも無かった。
  美しいからと花瓶に飾られ干からびることも無く
  大地の

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破壊者|女の哲学

破壊者|女の哲学

  アーティストの恐ろしさを感じた。
  彼らは留まることをしらない。
   安住の地にくつろぐ前に
  さっさと飽きて次に進む。
 
  善良な人々にはそれが理解できない。
  彼らは苦労して安住の地を求める。
  その幸せがいつまでも続くことを願って、
  家族を作り、共同体を作り、その地で平和に生き、
  そして安らかに死んでいく。
 
  アーティストには安住の地はない。
  束の間の休息

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始まりの種|女の哲学

始まりの種|女の哲学

  天国に行きませんか?
  なぜ死ぬまで待つのですか?

  ひとつの国は
  今此処で待っているというのに。
 
  あなたに出会って
  地上の天国の門をみつけた。
 
  あなたとふたりなら
  この門をくぐれる。
 
  それはとても簡単なこと。
  ただ愛せばいいのだから。
  あなたを。
 
  二人の出会いは錬金術。
 
  全く別の方向から
  バラバラの乗り物でやってきた
  

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奇蹟|女の哲学

奇蹟|女の哲学

  あなたは誰?
  あなたはわたし?
  わたしはあなた?
  わたしは誰?
 
  奇蹟の出会い。。
  身体を重ねるたびに
  あなたはわたしになり
  わたしはあなたになる
 
  離れているとあなたは他人で
  逢うことが待ち遠しいのに
  逢ってしまうと
  まるで千年も一緒にいるかのような日常。
  まるであなたがそこにいないかのような
  まるでわたしがそこにいないかのような
  

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見知らぬ誰か|女の哲学

見知らぬ誰か|女の哲学

いつも夢見ていた
見知らぬ誰かに
貪られ抱かれ満たされることを。
 
どんなに素晴らしい恋をしていても
一人のベッドの中では
知らない誰かに抱かれ続けていた。
 
あらゆる場所で
あらゆる方法で
あらゆる理由で
その誰かと.
 
子供の頃から知っていた
わたしにはとてつもない性感が宿り
いつか完全に満たされたいと。
 
そんなことは実現不能。
小さな失望を繰り返しながら
その予感を宝石のように

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ヒマラヤの大地|女の哲学

ヒマラヤの大地|女の哲学

  ヒマラヤの奥地
  ガンジス川源流の聖地ゴームク(牛の口)。
  氷河から初めて地上に顕れる聖なる河のふもと。

  山と川と岩と空だけの何もない荒地。
  およそ文明というものが皆無の場所。
  聖者だけが住むことを許された聖なる場所。
  インド人が一生に一度は訪れたい憧れの地。
  酸素濃度60%。地上の2/3以下の酸素。
  何もしなくても水分が蒸発し消耗する
  生きていくこと自体が

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原子爆弾|女の哲学

原子爆弾|女の哲学

  あなたが戦う。
 
  その戦いのエネルギーの源を
  私の身体は知っている。
  人を殺すほどの情熱で
  命を燃やすあなたの生命。

  あの日あなたがイッたとき
  破壊的で愛に溢れたエネルギーが
  私を根底から変えてしまった
     

  そして今日はたったひとり。
  あなたを想う。 
  
  湧き上がる欲情が
  子宮を突き上げ
  自らの指が摩擦を起こし
  全身が緊張し

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