人間にとって地獄とは
先日、友人と『地獄』について語りました。
人間にとって地獄とはなにか?
どういう状況のことをいうのか?
などなど…
話が盛り上がったので
せっかくなら文章に残してみようと思います。
…地獄をわざわざ語る私たちってすごい。笑
◆地獄と聞いて思い浮かべること
地獄といえば、天国の反対…
死後の世界であらわれる閻魔様のイメージが出てくる方も多いのではないでしょうか。
本来の意味ではそういった宗教的な死生観のことを表現しますが
日常でも非常に苦難な状況をさして使用することもあるかと思います。
環境になじめなくて地獄みたいだった、とか
勉強が難しくて地獄だった、とか
彼女にフラれて地獄を見た、とか
普段使いもできる言葉でもある『地獄』という言葉。
でも私は思うのです。
そんな地獄は薄っぺらいと。
◆本当の地獄とは
結論から言います。
『地獄』は今この瞬間に在ります。
なにか特別なことな状況が起きるから地獄なのではなく
今ここ、生きてるだけで地獄です。
それくらい、人はひどい物の見方をしています。
周りの人間がみな同じ物の見方をしているので気づきにくいですが
人間の五感覚と脳を持っている時点で
かなり固定して物事を決めつけてしまっています。
人間は全体を認識できず部分的なことしか見えないし
自分とは違うところばかりに目が行くし
過去に知り得た情報と切り離して考えることができないし
無限の可能性をみることができずに
すぐ決めつけて存在させてしまいます。
これが脳機能の限界です。
人間はみんな脳を持っているので気づけないですが
脳って意外とポンコツで完全ではありません。
結局それが原因でいつまでたっても問題は量産されるし
人を傷つけたりだましたり殺し合ったり
うつや自殺が増えていく一方だったりします。
目を背けているだけで
実はこの世界は地獄です。
そこに直視してしまったら生きていくのが辛すぎるので
認識しないようにしているだけです。
◆ニーチェの永劫回帰
ここでニーチェを引用させていただきます。
彼の有名な思想のひとつに『永劫回帰』があります。
曰く、私たちは何度生まれ変わったとしても
今の自分の行動は変わらず同じことを繰り返すと言っています。
これを言い換えれば『業』『カルマ』と言えるでしょう。
私たちはこのカルマから逃げることができないと言っています。
つまり地獄はどこまでも終わらない。
もし今起きていることが地獄だとしても
死後という未来に天国に行けるわけではありません。
いつも自分を超えていき超人として生きることと説いていますが
これはつまり固定された物の見方から自由になって
物事を観ることが必要だと言いかえられます。
◆人間の現在地
科学技術の恩恵により
人類は大きく進化しています。
私たちの外側、つまり身の回りのものはとても豊かになり
できることや行動できる範囲も大きく広がりました。
ですが人間の内側はいかがでしょうか。
こんなに豊かになった現代であっても
争いは終わらず、形を変えて人々は傷つけあっています。
こんな状態で
人類は進化したといえるのでしょうか。
私たちはもう少し
人類に欠陥している箇所を
きちんと理解する必要があると思います。
地獄をきちんと認識できたときに
はじめて解決に向かって思考を巡らせることができます。
正しく地獄を知ること
それは人間の限界を知ることです。
この限界を越えた人間同士が
協力関係を結べるようになるようにしていきたいと常々考えています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?