【考察】ジブリ作品における“食べ物”の意味
「あなたが一番好きなジブリ作品は何ですか?」
きっと誰しもが、人生で一度は投げかけられたことのある質問ではないだろうか。
初対面の相手とも“好きなジブリ作品”の話は盛り上がりやすく、ジブリはもはや国民の基礎教養と呼ぶに値するのかもしれない。
そしてジブリを語っていると話題に上がりやすいのは、作中に登場する様々な食べ物“ジブリ飯”のことだろう。
視聴者の記憶に残る“ジブリ飯”
冒頭の質問を少し変えてみる。
「あなたが一番興味を惹かれた“ジブリ飯”は何ですか?」
5秒でいいから質問の答えを考えてみてほしい。
きっと、1つか2つは候補が頭に浮かぶのではないだろうか。
ラピュタパン・ニシンのパイ・露店に置かれた謎の大肉など、ジブリ作品には数多くの印象的な食べ物が登場する。
“ジブリ飯”として描かれる食べ物は、決して絢爛豪華なものではない。どちらかと言えば、素朴でありふれたものが多い。
なのになぜ、“ジブリ飯”は強く視聴者の記憶に残るのだろうか。
“ジブリ飯”は、マクガフィンである。
※マフィンではない。
マクガフィンとは「登場人物や作品の物語に何かしらの変化を与えるきっかけ」を指す映画用語。
物語の方向性を決定する上で、直接的ないし間接的に影響を与える、必然性を持った要素のことを指す。
ジブリ作品の、物語全体における“ジブリ飯の役割”に目を向ける。
すると、これらは作中でマクガフィンとして機能していることに気が付いた。
ジブリ作品において“食事”という行為は、物語が大きく動き出す直前に描かれることが多い。
豚の姿に変わる直前に貪っていた謎の大肉。
ボロボロと涙を流しながら食べたおにぎり。
沈没した町を眺めて食べたインスタント麺。
物語の転換期(=名シーン)の側に据えられた数々の食事シーン。
視聴者の記憶に強く刻まれるとともに“ジブリ飯”という共通言語が形成されたのだろう。
一回の食事が人生を変える可能性
僕たちの人生は、周りの環境に影響されて少しずつ変化していくものだ。
「人生を変えたターニングポイント」なんて聞かれても、分からないことの方が多いはず。
人生におけるマクガフィンは、きっと自分では認識できない。
いつ来るかも分からない人生の分岐点に備えて、僕達はいつでも万全な状態を心がけておくべきだろう。
雑な一言で本稿を締めたい。
忙しい時も気分が乗らない時も、毎日しっかり食事を取ろう。腹が減っては戦はできぬ。
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