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7月3日週【経験者(中途)採用市場動向】

企業動向


「中途採用実態調査結果(2022年度実績、正規社員)」を公開、中途採用を実施する企業は大幅増加だが過半数が未充足

・2022年度の中途採用実績は前年度の1社当たり1.31人から1.52人へ、採用人数は増加
全ての従業員規模で採用実績が増加。業種別でみると、卸売業で+48.2%と大きく増加した一方、小売業では-14.0%、医療・福祉では-8.1%と減少している

・経験者の採用実績が引き続き増加
経験者の採用人数が1社当たり0.99人と前年度より0.19人増加、前年度に引き続き、企業がスキルの高い経験者をより積極的に採用するようになったとみられる

・必要な人数を確保できなかった企業が多く、採用難度が高まっている
2022年度下半期の中途採用で必要な人数を「確保できた」と回答した企業は45.8%「確保できなかった」と回答した企業は52.7%であり、採用難度が高まっている

評価・報酬は能力主義、成果主義、職務主義が約7割と主流。年功主義は2022年から2.9ポイント減少

評価・報酬制度として「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」を合わせた割合を見ると、最も高いのは「能力主義(個人の能力によって評価・処遇する)」で、76.7%。以下、「成果主義(仕事の成果によって評価・処遇する)」(73.3%)「職務主義(仕事の役割によって評価・処遇する)」(68.7%)と続きます。
『人事白書2022』の結果と比較すると、順位・割合とも全体として大きな変化は見られません。その中で、「年功主義」は54.1%から51.2%と減少しているのが目を引きます。これまで日本的人事慣行として主流だった「年功主義」から、近年は「成果主義」を軸として、「能力主義」「職務主義」へと評価・報酬制度のあり方が移行していることがわかります。

5月の完全失業率2.6%、正規雇用は前年同月比29万人増

総務省が発表した労働力調査(速報)によると、5月の完全失業率(季節調整値)は前月と同水準の2.6%だった。

男女別の完全失業率は、男性が2.7%、女性は2.4%とともに前月と同水準となった。

完全失業者数は188万人(前年同月比3万人減)で、3カ月ぶりの減少となった。完全失業者のうち「勤め先や事業の都合による離職」は27万人(前年同月比5万人減)、「自発的な離職(自己都合)」は75万人(同4万人減)、「新たに求職」は50万人(同1万人増)だった。

就業者数は6745人(前年同月比15万人増)で、10カ月連続の増加となった。就業者数のうち雇用者数は6063万人(同27万人増)。

就業者数の前年同月比を産業別に見ると、製造業(20万人増)、建設業(14万人増)、情報通信業(13万人増)、宿泊業,飲食サービス業(13万人増)などが増加し、医療,福祉(19万人減)、サービス業(他に分類されないもの)(17万人減)、農業,林業(14万人減)などが減少した。

正規雇用は3655万人(前年同月比29万人増)で2カ月連続の増加非正規雇用は2074万人(同3万人減)で2カ月連続の減少となった。

非正規雇用の内訳は、パート994万人(前年同月比12万人減)、アルバイト450万人(同10万人増)、労働者派遣事業所の派遣社員159万人(同4万人増)、契約社員271万人(同11万人減)、嘱託113万人(同1万人減)、その他88万人(同8万人増)。

2022年「労使間の交渉等に関する実態調査」結果を公表(厚労省)

厚生労働省はこのほど、2022年「労使間の交渉等に関する実態調査」結果を取りまとめ、公表した。対象は、民営事業所の組合員30人以上の労働組合。一定の方法により抽出した5159労働組合のうち3137労働組合から有効回答を得た。

 労使関係について「安定的」と認識している労働組合は89.5%で前回(21年調査)の92.9%から3.4ポイント減少。過去3年間に何らかの労使間の交渉があった事項は、「賃金・退職給付」が最多で72.6%。次いで、「労働時間・休日・休暇」(70.0%)「雇用・人事」(60.4%)、「職場環境」(57.1%)、「健康管理」(46.4%)の順で多くなっている。
労使間の交渉の結果、労働協約の改定などがあった事項は、「育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度」42.2%、「休日・休暇(育児休業制度、介護休業制度、看護休暇制度、介護休暇制度を除く)」34.9%、「賃金額」32.6%、「退職給付(一時金・年金)」32.6%などとなっている。

通常業務を2年免除も 企業内デジタル人材育成進む

企業の業務効率化を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)に欠かせないデジタル人材を、社員のリスキリング(学び直し)で育成しようとする動きが広まっている。全社員対象のオンライン講座や、通常業務からいったん離れて専門知識を習得させる制度など、各社、取り組みを工夫する。一方で、技術を身につけた人材の流出を懸念する声もあり、育てた人材を生かせる社内環境の整備も必要になりそうだ。

文具大手のコクヨは6月28日、デジタル人材を社内で育成するプログラムのキックオフイベントを東京オフィスで開催した。オンライン講座で人工知能(AI)や情報技術、データ分析技術などが学べ、AI講座だけで400人を超える応募があった。今や事業提案にデジタル技術の知識は欠かせず、コクヨの宮澤典友・執行役員ビジネスサプライ事業本部長は「学ぶだけで終わりにせず、アイデアを形にしていく場にもしたい」と話す。

 ダイキン工業では新入社員から約100人を選んで、通常業務を2年間免除し、社内講座の「ダイキン情報技術大学」でAIなどの専門知識の習得に専念させている。デジタル人材を生かして事業の拡大、強化を目指すが、「就職市場で優秀な人材を獲得するのは容易ではない」といい、思い切った育成制度の導入に踏み切った。

昨年、全社員(約1万6千人)を対象としたオンライン講座を始めたのは大和ハウス工業。約3時間かけて、業務のDXに関する基礎的な知識を学ぶ。さらに令和8年度中にはリーダー的な役割を果たせる人材を約300人育成する考えだ。住友ファーマも3年から全従業員を対象にした基礎的な研修を行う。また、データサイエンティストなどを目指してより深い学習をする人向けの講座も充実させる。ここで学んだ人材が、業務効率化のツール開発を行った実績も日米で150件以上ある。

オンライン学習サービスを手がける「manebi」(マネビ、東京)が令和4年1月、国内500社を対象に調査したところ、リスキリングを「実施している」とした企業は52.6%にのぼり、内容については「データ分析」などデジタル分野が上位を占めた。田島智也最高経営責任者(CEO)は「大手のみならず中小企業でも社内でデジタル人材を育成していく企業が増えてきている。高度な人材の育成だけでなく、まずはITリテラシー研修を全社で取り入れる企業も多い」と指摘する。  一方で、「技術を身につけたら人材が流出するのでは」という声も中小企業を中心に上がる。岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長は「人材の育成と流動化は日本の経済成長に欠かせない要素だが、人手不足に悩む中小企業にとって人材流出のリスクは深刻な問題。人材を生かせる社内環境づくりなどきめ細かい支援の構築が必要だ」と話している。(田村慶子、黒川信雄、桑島浩任)

求職者動向

6割に迫る20代が、コロナ禍を経て「仕事選びで重視するポイント」が変化。「リモートワークができるかを意識するように」の声

(1)新型コロナウイルス禍を経て、「仕事選びの軸に変化があった」と回答した20代が6割に迫る

(2)新型コロナウイルス禍を経て、仕事選びで重視するようになった点は、「勤務形態」が最多

希望する勤務形態は「テレワークと出社の組み合わせ」が65.8%で最多。「仕事内容に応じて、働く場所を柔軟に調整したい」の声

(1)現在の勤務形態は「出社」が最多。次いで「テレワークと出社の組み合わせ」

(2)希望する勤務形態は「テレワークと出社の組み合わせ」が最多

9割に迫る20代が、「給与が高い企業は志望度が上がる」と回答。一方、「最優先で重視」は16.5%に留まる

(1)昇給や待遇の改善に取り組む企業は「魅力を感じる」と回答した20代が、9割を超える
(2)給与が高い企業は「志望度が上がる」と回答した20代が9割に迫る
(3)転職時に、年収アップや給与は「最優先ではないが重視する」と回答した20代が7割に迫る


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