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オーストリアと日本 福祉の違い

パソコンで記事が書ける嬉しさと便利さよ。iPhoneで記事を書くのってちまちましていて結構労力が要るのよ。旅行記も書きたいんだけど、先に残しておきたいことがあるのでそちらを先に。これから書くことは私が見て感じたことなので、必ずしもその国の全てではないのでその点だけご了承ください。

オーストリア滞在中、杖をついた高齢者、歩行器で歩く高齢者、車椅子に乗った人をよく見かけた。ウィーン・フィルのコンサートで隣の席だった水玉のパンツに黒のセーターを着た可愛いおばあちゃまは、杖をついてやっと歩いていたけれど周りが助けていたし、綺麗にお化粧をしておしゃれをしてタイヤのホイール部分が花柄の車椅子に乗る女性など、高齢になれば歩くのが遅いのは当たり前、障害があるから何?という感じで街に自然に溶け込んでいた。

ウィーンは石畳の道はあるわ段差はあるわ路面電車の線路なんかもあって、杖をついた高齢者や歩行器を使っている高齢者、車椅子の人はおろか、キャリーケースを引く旅行者にとっても歩きにくい街だと思う。そういう点では全然優しくない街だ。

でも、そのことを気に病んでいる様子もないし、そういうものだと受け入れているのか、高齢者がゆっくり歩いていても周りがイライラすることもなく、むしろ手助けしている。両膝下が無い男性が車椅子に乗って移動していたけれど、ガンガン進んで行っていたし、それを奇異な目で見る人もいない。車椅子の旅行者も多く見かけたけど、家族や駅のアシスタントサービスが付き添って不自由なく旅を楽しんでいし、支援を面倒に思っている様子もない。

私がオーストリアに来た初日に助けてもらったように、社会全体が困っている人や助けが必要な人に手を差し伸べている印象を受けた。北欧や大陸ヨーロッパが福祉国家だと言うし、高齢になっても障害を持っても安心して暮らせるお国柄なのだろう。障害者も旅行を楽しんでいいし、お化粧だっておしゃれだって楽しんでいい。たまたま障害を持っただけ。そんな風に見えた。

日本はどうだろう。真逆のような気がする。高齢者は地味な色の洋服を着て、お化粧をしなくなり、お年寄りがゆっくり歩こうものなら渋滞する。障害者が移動を伴う時は支援が必要。1人で出かけても周りが手助けしている感じでもない。成田からの帰り、地元の乗り換え駅で足早に歩く人々、不機嫌そうな表情を見て、たった数日日本を離れていただけなのに日本ってこんなだっけ?と大きなスーツケースが邪魔にならないように小さくなっていた。

バリアフリーや点字ブロックなどハード面をいくら整備しても、手を差し伸べるというソフト面では大きく遅れている気がするNIPPON。このソフト面の方が大事なんじゃないの?と今後介護・福祉に携わる身としてこの体験を忘れたくないけど、今は帰国したばかりだからそう思えるけど、日常に染まったら忘れてしまうかな。ん〜それでもやっぱり手助けはしたいよね。お互いに気持ちいいし、助けてもらうって本当に嬉しいから。

今回のオーストリア旅行は観光だけでなく、福祉のことも垣間見ることができて良い体験になったし、帰ってきたばかりだけどまた行きたい。