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【オーストリア旅行】9日目 【ウィーン】
帰りのフライトが16時間超なので体力温存のためにもう無理はしない。とは言え何もしないのもな〜と思い、最後のカフェに行くことにした。
ホテルを出て横断歩道を渡ろうとした時に楽友協会が見えて、ウィーンを発つ前にもう一度見ておきたかったので歩いて行く。今日は色々な場所にさよならを言う日だ。
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さぁ、最後のカフェに行こう。開店前に並べはすぐに入れるはず。何度も通ったオペラ座の横を歩く。小さな範囲なら一週間で慣れるものだ。観光じゃなくてここに住めたら、色々な所に行くんだけどなぁ。お隣ハンガリーのブダペストまで9ユーロで行けるなんて島国日本からしたら羨ましい限り。
デメルに着くとまだ誰も並んでいないけど、なんとなく入口の前にいると続々と人が集まってきた。皆考えることは同じなのね。2番目に並んでいると、どこかの国の男性が私に何か聞いてくる。たぶん「並んでるの?」と聞いてきたようだ。10時オープンだから、たぶんこの辺りで並んでるんだと思うと言うと、人々が一斉に並び始めた。外国人もちゃんと並ぶんだね。
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オーダーを決めていたので席に着いてすぐに注文する。え?もう決まってるの?と言われる。時間がないのよ、私。オーダーしてほどなく運ばれてくる。早い!今までで一番早い!素晴らしいよ、デメル。しかも接客もナイス。バートイシュルのザウナーとウィーンのデメルが心に残るカフェだね。
ウィーンに到着した時は間違えた電車に乗ったため、外の景色を見る間もなかった。でも空港に向かう今は正しい電車に乗って外の景色を眺めている。ここまでよくやってきたなぁ。と少しだけ自画自賛する。スーパーには英語表記がないのに、ドイツ語はさっぱり分からないのに、指差しや短い単語でどうにかなるものだ。
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海外での出国手続きも初めてなので、また緊張が高まってくる。今回はバッテリーはもちろん機内持ち込み。二度と間違えない。帰りの便はウィーン〜ブリュッセル→ブリュッセル〜成田。ブリュッセル航空のチェックインはオンラインで済ませていたので荷物を預けるだけなのだけど、無事成田まで行ってくれよとベルトコンベアで運ばれて行くスーツケースに手を振った。
とここまで書いて、日本の自宅で続きを書いている。パソコンで書けるのが嬉しい。しかも帰国した翌日は時差ボケと飛行機で乾燥した喉が痛くてよく眠れず、記憶がぼんやりしている。帰国後2日経ってやっと朝起きられるようになった。オーストリアにいる時は常に日本時間を意識していたし、帰国直後はオーストリアだったら何時だなと考えていた。でも、日常に戻ったら時差など気にせず日本時間のことだけを考えればいいのだ。時差ボケはそうして治っていく。
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1時間半のフライトはあっという間で、乗り換えが1時間くらいだったので急ぎ足で出発ロビーに向かう。途中、好きな画家「ルネ・マグリット」のお店があって、ゆっくり見たかったけど後ろ髪を引かれる思いで店を出た。そうだ、ルネ・マグリットはベルギーの画家だったわ。
次回ヨーロッパに来ることがあったら、乗り継ぎは時間に余裕があるフライトにしよう。乗り継ぎでもその国を感じたいしね。
ANAの出発ロビーに着くと、日本人らしき人が多かった。英語のアナウンスの後に日本語のアナウンスもある。久しぶりの日本語。ヨーロッパの人であろう現地スタッフも「いってらっしゃいませ」と訛りのない日本語で見送ってくれた。飛行機に乗る時も出迎えてくれたCAさんは日本人。思わず「日本語〜」と言ってしまったくらいホッとする。
ブリュッセル〜成田は快適なフライトだった。満席ではなかったので、運良く横3席を丸々使えて横になって眠ることができたのが大きい。
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フライト時間は1時間くらいしか変わらないのに、帰りのフライトの方が短く感じた。スカイマップに高度やスピードなど色々な情報が表示されるのだけど、追い風203km/hと表示されていて驚いた。これが偏西風か。
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最初のルートマップだと北朝鮮の上空を通るように表示されていたのだけど、ちゃんと迂回していた。ウクライナと北朝鮮の上空は飛ばない。領空侵犯して撃ち落とされたらさすがに笑えないもんね。本当に飛行機の旅は安心・安全に限る。言葉が通じるというのもあるし事故ゼロというわけではないけど、やっぱり日本の航空会社は信頼できる。ルフトハンザには乗ってみたい。飛行機も車もドイツってなんか強そう(なイメージ)。
成田に着いて荷物を受け取り飲食モールに向かっても自然とExcuse meが出る。今回の旅で英語が話せる・理解できることは本当に大事だと痛感した。最低限英語。自分の意思を英語で伝えられるようになれば怖くない。英語、もう一回やりなおそうかな。
思いっきりラーメンと明太子ごはんを食べた後、成田エキスプレスで帰ろうとすると切符を買うのに長蛇の列ができていた。早く帰りたい……と思い改札の駅員さんに掛け合ってみる。Suicaがあるので車内で精算できますよということで改札を通過して成田エキスプレスに乗り込んだ。
成田に来るのも何十年ぶりかだったので、日本と言えども電車の乗り方が分からない。ウィーン国際空港に降り立った時と同じくまごまごして苦笑する。19時で真っ暗な風景を見て、「ウィーンだったら21時過ぎまで明るいのにな」と感覚がまだウィーン時間なことにも苦笑する。そんなにすぐ切り替えられないよね。
乗り換え駅で降りてJRのホームに向かいながら、ウィーン中央駅も人が多かったけど、こんなに殺気立ってはいなかったよなぁと思う。東京駅でもない地方の乗り換え駅なのに人は急ぎ足で不機嫌だ。マスクをしている人が多い。それを見て日本に帰ってきたんだなと思う。それでも、たった10日ほど日本を離れただけでマスクをしない人も増えたように感じた。
行き帰りの飛行機ではマスクしている人は見える範囲ではいなかった。オーストリア国内でもマスクしている人を見たのは片手で足りる。世界に比べて日本のコロナ感染者が少ないのは、マスクの着用率が高いことや手洗い・うがいをする習慣があって、ハグやキス文化ではないからかもしれない。
自宅の最寄駅に着いて、ガラガラをスーツケースを引いて歩く。ものすごく重いのだけど、その重さは確かに旅をしてきたという証拠だ。家に着くまでが旅行です。まもなく私の初めての海外一人旅が終わる。マンションの入り口までのスロープを登ると更にスーツケースが重い。マンションのロビーには飲料水の自動販売機が設置されている。行く前にはなかった。たった10日なのに世の中は変わる。浦島太郎はこんな気持ちだったんだろうな。玄関を開けてただいまと言う。鍵を閉めた瞬間、終わった……と声が漏れた。