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怒りと原動力

怒ったところで何も解決しないことは、世の中多いです。

怒りを感じた時、どうして腹が立ったのかを考えると、どれもこれも自分本位な理由が多く、考え方を変えれば何とかなることが多いと感じます。結局、死ぬ訳じゃあるまいしと思えば、気分を変えることはできたりします。

若い頃は、世の中の理不尽さに腹を立て、かといってそれを正すどころか異を唱えることも出来ませんでした。まさに、うっせー、うっせー、うっせーわ〜的不安と不満の世界に満ちていました。

現在は、度胸(図々しさ)も知識もあるけれど、わざわざ怒る必要もないと抑えます。その行動から生み出される損失を計算してしまい、行動に出ない事も多いです。

本日のテーマは、怒りという感情について考えてみました。

社会では様々な怒りを抱えている人々がいて、日々その火消し処理をしています。愚痴る、やけ食い/やけ酒、寝る、諦める等など、行動に起こすか起こさないかは、その人のパーソナリティ(”パーソナリティについて考える”記事参照)によると感じます。

怒っては駄目なのか、とは思いません。その表現方法が自分のために、社会のためになるのかを考えて、適切な行動を選択します。

敬愛する師のお話です。今よりも昔ですが、女性の社会進出が疎まれていた時代、海外の駐在所勤務になった師は、毎日たくさんの理不尽と戦っていました。具体的には教えて下さいませんでしたが、イジメのような事もあったのではと想像します。まさに当時の自分も、組織の中で思い通りにいかない悔しさと怒りを抱えており、どう処理したら良いのか相談したのでした。

師の答えは意外なものでした。
「その怒りは素晴らしい。怒りはパワー、原動力になる。その思いを大切にしなさい」

怒りを原動力に変える。

暴力のように人を非難する/攻撃するという形ではなく、次の行動のエネルギーに変える

師の海外駐在時代のお話に戻ります。その時に取った師の行動は、”毎日早く出社して皆のデスクを拭く”でした。ちなみに、海外なので、日本の伝統的な掃除が当たり前ではなかったと思います。その行動からワンダフルなストーリーが生まれたかは分かりません(笑)。

ここからは師の人柄を想像しての私見ですが、”心を込めて労を労い感謝する”という行動だったのではと思います。机を拭きながら、一人一人の仕事を思い、ご自身の心も浄化していたのでしょうか。相手の気持ちを考えると、こちらの気持ちに余裕が生まれる事が多々あります。どんな人の行動にも必ず理由があります。深い部分を探索すると、解決策が自ずと見えてくると思います。

その後の自分の仕事環境は、変わる事なく壮絶なものでしたが、いつかこの思いを形にすると決意したことで、日々の色々な課題に向き合うことができました。腐らずにやってこられたのも、あの頃の師の言葉があったからだと思います。

話は変わり、

以前お世話になっていたヨガスタジオでのお話

そのスタジオは靴箱がなかったので、履物は玄関にそのまま置かれていました。皆様、ご自身の履物を揃えてお入りなる方がほとんどでしたが、ドアの開閉時に履物が散らばってしまう事があり、最終的に履物を全て揃えてからレッスンに入るようにしていました。お帰りの際に、靴がすぐ見つかるようにと思っての事でしたが、何人かのお客様がお声がけしてくださりました。

「いつも履物を揃えてくれてありがとうございます」

心が晴れやかになりました。お客様の靴を揃える事は当たり前の事かもしれませんが、心が通い合うような瞬間を経験する事は、自身の励みになります。

最後に、道元禅師のお言葉です。以前、永平寺に参拝に行った時に知りました。

「はきものをそろえる」
はきものをそろえると心もそろう
心がそろうと、はきものもそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう。
そうすればきっと、世界中の人の心もそろうでしょう。

小さな行動が積み重なれば、いつか大きな一歩になると思います。

自分の抱いた思いや感情を大切にし、深い部分にある決意や信念を静かにみつめれば、その願いはいつか叶うと、私は思います。

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