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お母さんありがとう

この場所から静かに夜の東京タワーを眺めるのが好きだ。

オレンジ色に光るただの鉄の電波塔なのに

どうしてこんなにも星を眺める時と同じような気持ちになるのだろう。

都会の暮らしは私にとって楽なものではなかった。

新宿の巨大な駅で人ごみに埋もれ

心もカラダも疲れきっていた私は

息苦しくていつも大声で叫びたい気持ちだった。

この人達は何を思い、生きているんだろう。

この大きな波のように押し寄せてくる人達の中に

私と同じ気持ちでいる人はいるのだろうか。

都会の独特の匂いと煌々と光るカラフルなネオンや騒がしい雑音の中で

私はどこに向かっているのか分からず

必死に前へ進もうとしても

強い向かい風にあおられて埃まみれで前が見えなかった。

だけど一歩一歩、前へと歩いてきた。

私は何のために生きているのだろう

今ではなんとなくその意味が分かり始めてきた。

ホームシックでいつも実家へ帰りたいと思っていた私はもう20年も動かずにこの都会に住んでいる。

自分なりに毎日を楽しく過ごせるようになった。

あの時の辛い日々があったから

当たり前で日常だった事の有難さに気づく事ができた。

朝にはお弁当が出来上がってて

帰ってきたら夕食が作ってあって

掃除も洗濯も済ませてある。

お母さん

毎日、仕事をしながら3人の子供を育てるのはとても大変だったと思います。

実家を離れ社会人となって

どれだけ家事が大変なのかに気付かされました。

地元の名物やお米を送ってくれてありがとう

親元で生活をしていた頃の私が

どれだけ我がままで感謝知らずだったのかを

今では十分わかっています。

これからも元気で長生きをしてください

私も元気で楽しく毎日過ごしていきます

今の状況が収まったら

色んな所に旅行に行こうね