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無性愛者のキャラクターに出会えて嬉しかった話

初めてaceのキャラクターを見て嬉しいと感じた。

そのキャラクターは「アラスター」。
海外アニメの「ハズビンホテル」という作品に出てくる、公式にAロマンティックAセクシュアル(無性愛者)だと明言されている男性のキャラクターです。

「ハズビンホテル」パイロット版はYouTubeで、アニメ本編はアマプラで観れます。


彼は性的な誘いに絶対乗らない、むしろ食い気味にきっぱり断ります。それは相手を好きではないからとか、禁欲的だからではなく、性的な魅力そのものがわからないから。下ネタや、人から触られることも好きではない。

そんな彼の隣にはちゃんと人がいる、恋人ではなくパートナーや友人として。一緒に笑って過ごす相手がいる。まあアラスターは常に笑顔なんだけど。

例えばロージーやニフティ。アラスターから好意を向ける相手がいて、親密な関係を築いていることが嬉しかった。
無性愛者が無性愛者なのは、異性が苦手だからとか、人と親しくなることに興味がないからとかではないのです。

ロージーとアラスターのダンスシーンはとても可愛い


アラスターの頭に冠(ゴキブリを添えて)を乗せて
遊んでいても許される強者、ニフティ


ニフティに関してはパイロット版だけ観てた頃のイメージより、対等に話し合っているように見えた。もっと子ども扱いとか主従関係とかかと思ってた。

彼は恋愛関係を築くことを拒んでいるとか、誰にも心を開かないとかではなくて、そもそも恋愛感情を持たないだけ。その描かれ方がなんというか自然で、嬉しかった。

アラスターの友人と言えば、ミムジーもいましたね。アラスターと仲良いのはむしろ女性のほうが多そう?


アラスターから他者への距離感はかなり近い。女子の部屋に平然と入る。なんならベッドにも平然と上がる。他人から触られるのは嫌いなくせに。
でもその感覚は私もなんとなくわかる。無性愛者の距離感は、傍から見ると独特かもしれない。

恋をしないというと、その理由が求められがち。例えば、性的なトラウマがあるとか、自信がないとか、人に関心がないとか。

でも、ハズビンホテルの物語において、アラスターがaceであることに理由はない。チャーリーがヴァギーに恋をしたのに説明がないように、エンジェルが男を好きなのに説明がないように、アラスターが恋をしない理由も説明されないままお話は進んでいった。それが嬉しかった。
変に特別扱いされないで、こういう人もいるって当たり前に受け入れられたようで嬉しかった。


あと、このアニメ、色々なセクシュアリティが出てはくるものの、ポリコレ・コンプラ的なアニメでは全くないというのがまた嬉しい。
最近話題の「多様性を認めましょう」的な説教くささは一切なく、みんな違ってみんな最悪な地獄絵図なので。

気になったらぜひ観てね〜

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