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それ1本で食べていけないことを後ろめたく思っている私たちへ

今所属しているアマチュアオーケストラには、実際に音楽を仕事にしている人もいる。

そのうちのお一人に以前、どのように仕事をしているのか訊いた。

その人は「あまり話したくないけどせっかくだから……」と、音楽の仕事と合わせて一般企業で働いていることを話してくれた。きっと、音楽専業じゃないことを後ろめたく思っているのだろう。


音楽は専業じゃなくてもいい

これは、コピーライター・阿部広太郎さん主催の企画講座『企画メシ』の第2回「音楽の企画」を通して導いた考え。

それぞれに合った付き合い方でいい。もちろん「音楽で勝負する!」と強い意志を持って毎日スタジオに籠ったっていいし、仕事終わりに家でギターを練習するのもいいし、週末だけ曲を書いたっていい。

たとえそれだけで食べていけなくてもいいと思う。他の収入で補って結果生活できるのであれば。どれも、音楽が好きで携わっていることに変わりはない。専業がすごくて複業が劣るなんてことはないと思う

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今何の仕事してるんですか?とよく訊かれる。私がいつも応えているのはこの通り。

フリーでライターになりたくて仕事しているけど、それだけだと食べていけないので、元上司の伝手で老人ホームの厨房のパートもやってるんです。

こう応えている自分、あまり好きじゃない。「頑張っているんだね」と「ああ、やっぱライターって大変なんだ」が入り混じった相手の反応を見るのが、好きじゃない。早く「フリーライターです」って言いたい。

……あれ、さっき自分、音楽は専業じゃなくていいって言わなかった?
専業がすごくて複業が劣るなんてことはないって言わなかった?

別に、ライター1本で食べていけないことを後ろめたく感じる必要無くない?

もちろん目指している働き方はある。「好きなときに好きな場所に行ける」そして「忙しさを自分でコントロールできる」働き方。そのためにはPCから生まれる収入だけで食べていけるようになる必要がある。

でも、それがまだ達成できていないからといって、今の自分がダメなわけじゃなくない?

いろいろ経験していろいろできた方が絶対楽しいし、今後自分が仕事するうえでのコンテンツが広がる。希少性も上がるし。元居酒屋店長、現老人ホームの厨房で働くフリーライターなんて、なかなか出会えんと思うよ?5,000人に1人にはなれるんじゃない?


人を励ました結果、自分がいちばん励まされた。

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