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衣食住のまんなかだけ、異常に遅いです

前職で居酒屋店長をしていたころ。

営業が終わり、私は制服から私服に着替えるために更衣室に向かう。

どの店でも更衣室は1つしか無いので、私と男子バイトの上がり時間が被るといつも外で待たせてしまっていた。


着替え終わり、更衣室から出る。こちらがバイトに「お待たせ」という前、決まってこのことばが飛んでくる。


「え?着替えるの早くないですか?!」


あるいは、友だちと飲食店に行ったときのこと。

用を足しにトイレに向かい、戻ったとき。

「え?トイレ早くない?!立ちションしてんの?!」(してません。)


いずれも、急いでやっているわけではない。
急かされているわけでもない。

マッサージ店に行くと、足のマッサージをするスタッフに「歩くの速い方ですか?」と聞かれる。

誰かと泊まりに行って大浴場に入ると、いちばん先にお風呂から上がる。


総合的に考えると、私はあらゆる行動が「はやい」方らしい。

それなのになぜか、私は食べることだけ致命的に遅いのだ。

食べるのが遅い、これまで

「自分は食べるのが遅い」と自覚したのは、中学時代の給食の時間。

小学生までは給食の時間、ふざけたりしゃべっていたりする人が多かったので、みんなと食べ終わる時間はそこまで大差なかった。

しかし、中学になるとみんな、ちゃんと給食を食べる。

そうして私はいつの間にか、みんなが片付けを始める中いちばん最後まで席で食べていることが増えた

本当はもっとたくさん食べたいのに……。

給食の時間内に食べ切れず、泣く泣く断念したことは数多い。


食べるスピードは大人になっても変わらず、あらゆる場面で周りに迷惑をかける。

友だちとランチに行って、私の料理だけ最後に提供されると、「みんなを待たせちゃいけない」とプレッシャーがかかる。

前職の居酒屋で休憩時間が短くなってしまったとき、時間内に賄いを食べ切れず、パックに詰めて持ち帰ることもあった。

あまりに食べるのが遅いので、「口に合わなかったら残してもいいからね?」と気を遣われることも多い。

早く食べればいいじゃん、ができない

「遅いってわかってるなら、早く食べればいいじゃん」

いや、そう。早く食べればいい。

これまでに何度も、早く食べ終わるための工夫してきた。

口を大きめに開けて、一口で食べる量を増やしてみたり、とにかく手を動かすのを早くしたり。食べ物を詰め込み、噛むスピードを上げたり。


それでも、どれもうまくいかなかった

無理して早く食べると、胃が苦しくなり気持ち悪くなる。

そして何より、せっかくの料理を味わって食べられない罪悪感を感じるのだ。

早く食べるくらいならみんなの半分量をゆっくり食べたい、と思うようになった。

食べるのが遅すぎる3つのわけ

なぜこんなにも食べるのが遅いのか。
考えられる原因は3つある。

一人っ子ゆえの平和ボケ

きょうだいがいると、食べ物1つで取り合いになる、と聞く。

すぐ食べないと自分の分はなくなるそうで、だから自然と食べるスピードが早くなるそうだ。

そんな競争社会に揉まれることなく過ごした一人っ子の私は、平和ボケしたのだろう。

1口入れたら30回噛め、を律儀に守り続けたこれまで

小学生のころ、とあるテレビで「1回口に入れたら30回は噛みましょう」と紹介されていた。

30回の根拠はよくわからなかったが、あれから私はとりあえず「1口で30回噛む」を律儀に実践している。

このことを先日先輩に伝えると、「偉すぎ!」と突っ込まれた。

これ、当たり前じゃなかったんだ……。

バランスよく食べましょう、で考えて食べるように

また、とあるテレビでは「1つの食べ物に偏らず、ぜんぶを満遍なく食べましょう」とも言われていた。

「1口で30回噛む」に加えて、私はこれもずっと、律儀に実践していた。

バランスよく食べるには、意外と頭を使う。

ご飯を食べた後味噌汁を飲んで、おかずはさっき一気に食べすぎたから……などと考える。これを毎食、毎回、いつも。365日。

おかげで私は、ご飯とおかずをバランスよく食べることが得意になった

食べるスピードを犠牲にして。

遅くてすみません。でも、直す気はありません

食べるのが遅いことで、迷惑をかけることは多い。

でも、これはもう直らない(ごめんなさい!)

ゆっくり食べれば、満腹感が上がり太りにくくなる(らしい)し、味わって食べたいので……。

その代わり、おいしい!と思ったものは、大層おいしそうに食べるので、どうかお許しを!!

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