ニチアサの話がしたい vol,14

【今回のニチアサ】

　おい……おい！！ニチアサ！！しっかりしろ！！情報量の蛇口がバカになってるぞ！！「尾上さん石化！吉田メタルさんと松田凌くんゲスト出演！キングオブアーサーかっこいいね！時代はライダーでも巨大戦！セイバー『が』斬るんじゃなくセイバー『で』斬るよ！あ、鎧武外伝グリドンVSブラーボこの後10時からTTFCで1話目配信で～す！CMS戦国ドライバーと仮面ライダーグリドンの新作アーツ出すから買ってね！！それと次回ついに大秦寺さん変身して仮面ライダースラッシュ登場！そうだ！劇場版ゼロワンの追加キャスト発表しとくね！ｱｯなんかジオジオしてきたかも…？ジオ〜…それと、TELASAでセイバーの番外編独占放送するからヨロシク！でも来週は放送お休みだよ！バイバ～イ！！」
……やっぱり情報量の蛇口バカか！！！

　いや、毎週毎週新鮮な情報をたくさんお届けしてくれるのはうれしいし、仮面ライダーというコンテンツが元気に動いてるのは本当に喜ばしいことなんだが、いっぺんにお送りするお知らせの量がやばないか？？受け手側の脳のストレージ無限だと思ってる？？ちなみに私はそれ以前に「は！？OPのクレジットにデザスト役の内山さんと岡田さんがクレジットされていたのに今日出てなくない！？！？自分一瞬が気絶してるうちに出てたのか！？？」という歴史に名高い（？）「セイバー第8章デザスト不在ショック」で既に大パニックだったので初見の記憶があまり無い。三回ほど見直してやっと「飛羽真たち、いいチームになってよかったね～～」という普通の感想が持てるようになったが、怒涛だ。あまりにも怒涛。だが、大人になってからディズニー映画「ピーターパン」やアメリカの幼児向けアニメ「スポンジボブ」を見直した時も「超絶意味不明な上に展開早すぎじゃね？？」とビックリしたので、世の頭の回転が早いキッズたちにはあのくらい目まぐるしい展開の方がちょうどいいくらいなのかもしれない。

　そんないい意味で供給過多な情報量で圧倒してくれた、仮面ライダーセイバーの個人的な見どころは次章の『今週のスーアクさん』で細かく語ることとして、今日はずっと話したかった、キラメイジャーの「オラディン王と充瑠」の話をしたいと思う。

　オラディン王と充瑠の関係性は、キラメイジャーの中でもちょっと特殊だ。基本的に「みんな特技も性格も好きなものもバラバラで、でもバラバラだからこそそれぞれの力が集まった時に強くなれる」というのが前提にあるキラメイジャーの中で、オラディン王と充瑠だけは「何かを想像するのが好き」「不死鳥が好き」「絵を描くのが好き」という「似た者同士」で惹かれ合っている関係性だからだ。
　これまで夢の中で何度も充瑠のピンチを救い、光ある方へと導いてきたオラディンが、今度は充瑠に手を引かれて新しい世界に飛び出すシーンの美しさがやはり抜群に印象的だった。鍵を生み出し、充瑠に渡したのはオラディンだが、それを開けるための鍵穴を生み出したのは充瑠であり、この瞬間に「導く/導かれるもの」のイニシアティブが逆転するところは、まさにオラディンと充瑠が放送初期から積み重ねてきた関係性ドラマにおける、ある種のカタルシスではなかっただろうか。