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家族旅行を経て、今の観光を考えてみた。

ずっと前から計画していた家族旅行に行ってきた。

季節は、7月の半ば、梅雨の終わりかけの頃。
まさかの台風が接近する長崎に家族で突っ込んできた。

この旅行は、わたしの母が前々から計画していて、ずっと行ってみたかったハウステンボスに家族みんなで行きたいというものだった。

わたしは去年の暮れに結婚して、苗字は変わったものの、ありがたいことに夫がわたしの家族を好いてくれているため、二言返事でOKしてくれてたのもあり、両親、弟家族(子供3人)、我ら夫婦の合計9人で行くことが決まった。

なかなか大所帯での旅行だ。

母が立ててくれたプランは、いわゆるTHE観光。

《 1日目 》
朝、京都駅に集合し、新幹線で博多まで。

午後にハウステンボス内のホテルへチェックインへ。夜まで園内で過ごす。

《 2日目 》
午前中ハウステンボス

3時ごろから在来線で長崎市のホテルへ移動

チェックイン後、中華街で夕飯

《 3日目 》
チェックアウトを済ませて、グラバー園とその近隣を散策

2時半の特急で長崎から博多まで

19:30に京都に到着、夕飯を済ませて解散

とまぁ、こんな感じでベタな観光プランではある。

もし、夫とわたし2人だけで長崎を旅行するなら、インスタやネットを駆使して、レンタカーを借りて、オシャレなカフェや雑貨屋、夜は地元人が集まるような居酒屋…もっとローカルなネタを組み込んだプランにしただろう。

しかし、3世代という年代を超えた集団行動で、小学生や中年世代までが楽しめるプランとしては、母が立てたTHE観光地プランが1番ベストだと思えた。

久々の家族旅行で見えてきたもの

最近は敢えて避けていたように思えるTHE観光地を巡るプラン。家族と旅行するといろいろ見えてくるものがあって、意外と面白かった。

**《 見えてきたもの **》

①集団行動は、想像以上に移動時間がかかる。

② 3世代子供も大人もそれなりに楽しめるコンパクトな観光地がベスト。

③ 大人は『ご当地の食』、子供は『レジャー』に重きを置く。

④ 大人は『観光地そのものを楽しめる』、子供は『観光地で売られているお土産が楽しみ』

⑤ 集団行動は、エネルギー消費量も多い。

⑥ じぃじ、ばぁば世代がまだまだ元気ということ。

⑦ 義父、義母との関係が良好な人が多くなったのでは…(これはあくまで想像)

たぶん、まだあった気もするけれど、いま思い浮かぶだけでも、このくらい見えてきた。
家族旅行を考える際には、このようなことを念頭に置いてプランを立てる方が多いと思うので、当然っちゃ当然なことばかりかもしれない。

ただ、項目①は、想像以上だった。
時間を指定されている場合、例えば、子供が突然お手洗いに行きたいと言っても大丈夫なように、現地には遅くても15分前に到着してスタンバイは基本。

途中子供が疲れて寝てしまう場合もあるので、移動時間と体力消耗は想像よりも大きい。ただ、大人の目も多いので、交代で子供を見ることもできるので、子育て世代は、家族旅行よりも少し余裕を感じられるのではないだろうか。

今回の旅行では、ハウステンボスに丸1日予定を費やしていたけれど、そのくらい幅を持たせていてもお土産を買う時間が足りないくらいだった。長崎の中華街も夕飯に出掛けたくらいだったが、このくらいの人数で行くなら、それだけでも十分。

**コンパクトな観光地がベストな理由は、さっきあげたように、集団行動は時間がかかるという点が大きい。THE観光地エリアは公共機関のアクセスもとても良く、見所の建造物にしてもご当地モノのお土産にしても、旅館にしても、ほぼ揃っている。
移動時間に割かれるのはもったいないし、長距離だと子供がもたないので、できるだけコンパクトなエリアに絞って楽しみ尽くすのが良いと思った。 **


みんなで非日常を体験できるのは写真の中かもしれない

観光雑誌を見ながら、絶対これはしないだろうと思っていた貴婦人コスプレ(グラバー園にて)。
弟の提案により、急遽家族全員で着替えて撮ることになった。

料金は1人につき1,000円。
1人ひとつの衣装を選び、撮影部屋で30分間好きに撮影できるというもの。専用カメラマンはいないので、自前のカメラやスマホで撮影する。

たぶん夫と2人旅行なら、やってない。笑
最初に食いついたのは、小3の姪っ子がくいついた。女の子はドレスアップ好きだもんね。

まぁ、姪っ子の勢いもあり、家族みんなでなら...という好奇心で撮ることになった写真は、ただ撮影するだけでなく、旅のひとつの非日常エピソードとして強烈に記憶に残ることになったのだ。結果的に3世代全員が楽しめたのだ。

最初は正直、マジかよ…汗。と思っていたけれど、やると腹をくくったら案外面白く、普段着ることもないキンキラキンでまるで錦鯉みたいな中世ヨーロッパなドレスで写真を撮る非日常をノリノリで楽しんでいた。
(意地悪な叔母で姪っ子によく意地悪するという設定までつくってたりしてたw)

さらに今の祖父母は、まだまだ若々しく元気な方が多い。そして、スマホを使っている人が圧倒的に増えている。そういう意味でも観光地にある写真スポットの質を上げて充実させても良いのかもと思った。

しかも祖父母世代は、年賀状を送る習慣がまだしっかり根付いている世代でもあるので、旅先で良い感じの家族写真が撮れたなら、それを年賀状用の写真として採用することも少なくないはず。(今年のうちの年賀状はこれになる可能性大)


買いたい気持ちをどこにぶつけたら…

アップデートされないお土産たち

3世代家族旅行でのTHE観光プランは、孫から祖父母までが楽しめることに気づいたのは収穫だった。
そうは言ったものの、ひとつだけうーんと悩ましかったことがあった。いざお土産を買おうとなると買いたいものが見当たらないことに気づいたことだ。

バラマキ用のお菓子はあるとして…
旅の思い出に何を…?

どこに行ってもあるご当地ストラップ。
全部売れたら、お店閉じるの?みたいなもう何年も商品の入れ替えをしていないような古いお土産店。
名産と掲げている割には、雑に置かれた伝統工芸品。

せっかく遠いところまで来たのだから、ちょっとくらい値が張ったって今日は買うわよ!
そんなくらいの気前の良い懐事情にも関わらず、ときめくものが見当たらない。

商品が悪いわけだけとは思えなかった。もっとディスプレイに力をかけて見せ方を変えるだけでも素敵に輝く商品になるはずと思えるものはいくつもあった。
定員さんも受動的な方が多く、積極的に接客してくれる定員さんが少ないのも気になった。

お土産店が並んでること自体が珍しくわくわくしている子供たち。欲しいものが何かないだろうかとおねだりできるものを吟味している。
親は、我が子に買ってあげたい気持ちもありながら『え?これ買うの?』と3日で飽きてしまいそうなものは買いたくない。

買いたいのに買えない。買いたいものがない。買ってあげたいものもしっかり厳選しないと…
その間に過ぎていく時間。ちょっと切ない気持ちにすらなってしまう。
買いたい気持ちをセーブさせているものは何だろうかと考えてしまった。

地元のデザイナーとコラボした普段にも使えそうな可愛いご当地グッズがあったら良いのに。
瀬戸芸のグッズのようなご当地グッズコーナーがあったらめっちゃときめくし、ここでしか買えないってなったらつい何個もカゴに入れてしまうのに。


家族旅行を経て、今の観光を考えてみた

2泊3日の家族旅行は、台風で特別警報が鳴るときもありましたが、みんなで良い思い出をつくれたことが本当に良かったと思いました。

わたし目線で言うならば、両親と夫がとても楽しそうにしてくれていたことが何よりだった。

他の人の目線で言うなら、母は『家族全員が楽しそうでよかった』になるだろうし、父は、『母が満足そうでよかった』になるだろうし、弟夫婦なら『両親と子供が楽しそうで良かった』になるのではないかな。

3世代で家族旅行へ行く家族はそんなに多くはないかもしれないけれど、最近は両親(義父母)とも良好な関係を築いている家族が増えてきているような気もするので、『3世代』というキーワードがもしかしたらこれからトレンドになっていったりして…⁈(もちろん気は遣うけどね)

インバウンドや若者世代に来て欲しいという観光地はいろんなところで言われているけれど、
孫からシニア世代まで、3世代旅行が楽しめる観光地づくりが衰退化の進む観光地エリアの何かしらの活性化の突破口にならないかな、とこの家族旅行を経て思ったのでした。

何にせよ、みんなで行く旅行は楽しいね。

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