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聴覚の敏感期

わたしは自分のこどもをモンテッソーリ教育のある場に通わせています。そのため“敏感期”という言葉をよく耳にします。

敏感期というのは
特定の事柄に対して特に強い感受性が表れる、ある特定の期間を指します。
敏感期内にはその事柄の能力を大いに伸ばしやすいのですが、時期が過ぎるとその感受性は消えてしまいます。

2歳から4歳ぐらいの子供が、ある行動を執拗に繰り返し行い、一定の期間が過ぎるとぱったりとその行動をやめてしまうのも敏感期によるもの。その繰り返し行った期間に何らかの能力を洗練させているのです。
聴覚の敏感期は6歳ごろまでと言われており、ピアノを習わせるのは幼いうちの方が良い、とよく聞くのはこの敏感期があるためです。
この期間に洗練された聴覚は大人になってからも維持され続け、大人になってからこの頃に到達できる聴覚を獲得しようと思っても困難、とされています。
個人的には困難とされているとしても不可能ではないと思いますが、その頃とは比べ物にならないほどの時間がかかるのは確かです。

習い事として音楽を選ぶことが環境によって難しかったり、他の習い事との兼ね合いが付かず時間が合わなかったりと、様々な理由で実現できないことはあるかと思いますが、この聴覚の敏感期には、特に、普段から色んなジャンルの音楽を聴いて欲しいと思います。

ポップスやR&Bの込み入ったものは音数がやたらと多かったり、突発的で耳に入りやすい音が多用されていますので、それらばかりをよく耳にしていると、どうしても刺激の強いものにしか聴覚が働きにくくなりますし、そうでないものを退屈に感じていってしまいます。刺激の強いものを好む傾向が何をもたらすのかは、個人差がありますし憶測の域を出ないので敢えて書きませんが、味覚や視覚然り、行き着きやすい結果は同じでしょう。
低い音、小さい音、長く伸びる音、ゆっくり変化する音が使用されている音楽を是非意識して取り入れてみてください。

実はそれらの音が豊富に使われているのがクラシック。
クラシックが教育的な観点で良い、とされている理由の一つにはこういった点があるためなのです。

聴いて楽しいと思える音がたくさんあるなんて、素敵な人生ですよね。
学校や幼稚園での音楽の取組に制約の多い昨今、その中で貴重な聴覚の敏感期を過ごす子どもたちに、是非多くの種類の音を聴いて欲しいと願います。

写真は赤ちゃん用の鈴の入ったおもちゃです。

赤ちゃんの頃は動くに任せてカラカラと音を鳴らしますが、こんな鈴一つとってみても、鳴るという音の大きさは様々。注意深く鳴らせば、いくつもの表情を持ち合わせています。

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