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同僚の正統派ユダヤ人来日 : てんやわんや

外資勤務の方でも、正統派ユダヤ人と仕事をしたことがある方は少ないかもしれません。モルガン・スタンレーに勤めていた時、ウォール・ストリートにある本社から正統派ユダヤ教徒2人が来日しました。

彼らはVP(Vice President)だったので、宿泊先は帝国ホテルです。普通、ホテルは上層階の方が眺めが良いので人気がありますよね。私は気を利かせたつもりで、日比谷公園が見える13階に二人の部屋を予約しました。

NYに伝えたら、「なるべく地上に近いフロアーにして欲しい、できれば1階だとありがたい」と返信がありました。理由は書いてありませんでしたが、変更するしかありません。帝国ホテルの1Fはロビー階でカフェやレストランがあり2階は宴会場なので、地上に一番近い3階に予約を変更してもらいました。

少しすると、「鍵のタイプを聞くのを忘れたんだけど、わかる?」と連絡がありました。そもそも「鍵のタイプ」の意味がわからなかったので、そのまま帝国ホテルの担当の方に連絡したところ、「多分、電子キーかどうかを聞いておられるのでしょう。うちのホテル古くて、まだ昔ながらのガチャガチャ開けるキーなのです。重くてすみません」とのこと。NYに伝えたら、「良かった!」と喜んでいます。再びどうして?

なぜだかお分かりになりますか?

なんと、安息日に電気が使えないからなのです。書くと1行ですが、この時代に「電気」が使えない不便さは想像を絶します。エレベーターが使えないので、部屋を出たらその日は登り降りが全て階段になります。13階が有難くなかった理由です。同じ理由で電子キーだと、安息日に一度部屋を出たら、入ることができなくなります。鍵が重いかどうかは彼らにとってはどうでも良いことだったのです。

来日中、いろいろ話す機会があったので、安息日にどうやって料理をするのか聞いてみました。ガスを使うのかなと思ってましたが、マッチの火で温められる調理器具があって、その上に食材を並べて焼くそうです。BBQに似たような感じなのでしょうか。

それ以外にも、男性は女性と握手できないので、女性は自分から手を差し出さないようにとか、食事の前には必ず手を洗わないといけない(衛生的で良いことですが)など、かなり細かいルールがあるようでした。日本人の私から見ると縛られているようにも感じましたが、個人の信仰に良い悪いは関係ないですものね。今のところ、「宗教が持つ多様性にかなうものはない」が私の経験です。海外からの出張者を迎える時は、滞在中に関係する制約については、前もって聞いておきたいです。

早めに日本入りした彼らと日曜日を共にした時のこと、1人のお父様と叔父様がアウシュビッツ収容所で亡くなっているとわかりました。「それも神様の思し召しだから仕方ない」と言い切れる深い深い信仰に、日本人の私はただ驚いて絶句してしまいました。

良い悪いを超え、好き嫌いを超えて、相手の多様性を許容できるかどうか、グローバル人材に問われる大事なことですね。

宿泊の手配の5倍は大変だった、食べ物のお話もいつかしたいと思います。

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('O'*) 右脳の女王 ('O'*)

私のiPhoneは何かあるとアップグレードされます。何かとは、例えば川に落としたとか。保険は必ずかけてますし、データ復旧も慣れたものですが、なぜかLINEの友人情報が毎回無くなるのが不思議です。高校の同期グループから再び抜けてしまい本人は慌てましたが、元クラスメートはどこ吹く風。「美加ちゃん、またいなくなったねぇ。」「また何かやったんじゃないの」で終わり、誰も心配してくれないのはいかがなものか.... 右脳の女王は今日も行く〜




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