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京都の世界最大級の植物工場は、レタスの匂いのするSF映画のようだった。

あまから手帖連載「食からSDGs」2022年 1月号より(写真・伊藤信)
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LED光に煌々と照らされて、高さ 約 mの棚にぎっしりと育つレタスを、 ロボットが収穫してゆく
―― 世界最 大の自動化植物工場、「テクノファー ムけいはんな」。
建物内に漂うレタス の香りがなければ、SF映画のセット かと思っただろう。農薬を使わないた め土壌や大気を汚さず、水は %リ サイクル。栽培環境は、栽培と収穫の データを組み合わせるシステムで最適 化されている。野菜は、データで育てる 時代なのだ。
とはいえ、サステナブルな理念と、ビジ ネスの持続可能を、データが示す 可能性だけで、現 実にできるものなのだろうか?

同工場を運営する(株)スプレッ ドは、2007年に、いきなり成功事 例のない世界最大(当時)の植物工場・ 亀岡プラントの稼働を開始し、それを 軌道に乗せてしまった。大胆である。その秘訣は、テックだけでも理念だけでもない要素、流通にあった。

「社長の稲田信二が、元々青果流通ビ ジネスに携わっていたことが、大規模 な植物工場を構想したきっかけでした。 レタスで生産、流通の採算性を逆算し たら、あの規模だったということなん です」と、広報部。

理念を掲げて採算を目指してゆくのではなく、理念が採算ベースに乗る規模を逆算する発想。達成できなければ、それはビジネスモデルではない。

ITとロボティクスが育てたレタス の葉っぱは、優しく柔らかい。
だが、 その根を支えるのが「ソロバン」片手 のリアルな 商魂であることに、「食でS DGs」の頼もしい歯ごたえを感じる。


ベジタス

青 果 の 流 通 、配 送 事 業 な ど を 行 う ア ー ス サ イ ドグループ(京都市下京区 www.earthside. c o m )で 植 物 工 場 事 業 を 行 う「 ス プ レ ッ ド 」 が 設立した大規模の植物工場「亀岡プラント」 と 、自 動 化 植 物 工 場「 テ クノ フ ァ ー ム け い は ん な 」、パ ー ト ナ ー の 植 物 工 場 で 生 産 す る レ タ ス の ブ ラ ン ド 。w w w . v e g e - t u s . c o m


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