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56話(一部55話)感想
※あくまで感想のため、原作者の意図・意向は汲んでおりません。
※例により推しの欲目です。
──化かし合い、探り合い
奪った煙草を咥え、火を灯す。
『甘くて苦いあなたの味』
詩人めいた感想は、今の百目鬼に映る矢代像だろうか。懐古とも皮肉ともつかないが、辛うじて仄かな恋心を匂わす。
“甘くて少し──”
あの頃の初な憧れとも違う。焦がれて止まない、やるせない執心だ。時折赤らむ頬も綻ぶ唇も、は
53話扉絵
初見は墓場のようなおどろおどろしさと、このまま刺し違えてもおかしくない戦慄を感じた。
それはさておき、矢代は屈して跪いているかと思いきや、百目鬼の手に導かれて立ち上がろうとしてるんじゃなかろうか?
闇から光へ引き上げる。その前触れだと良いが……井波のところから戻った百目鬼が、返り血など浴びていませんように……
実をいうと、囀る8巻にはそれほど感情移入出来ない。百目鬼の心情が全く見えないのと、矢代の薄幸ばかりが強調されている気がするのがその理由
絶望と苦渋
『優しそうな普通のセックス』を知ってしまったからこその
“レイプ”
純心を知ってしまったからこそ、穢れた自分を思い知る。果てはそれが厭世に……
片や『優しそうな普通のセックス』では繋ぎ止められないと悟った。ゆえに、敢えてそうではない手段を取らざるを得なかった。
ただの掛け違い、されど掛け違い。