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#詩

別れ

さようなら、って言葉はね言わないの、二度と逢えないみたいで
寂しくなってしまうからまたね、って言葉もね言わないの、またが来なかった時に
辛くなってしまうからだからね、ただ手を振って祈るの

明日も貴方が元気で健やかに
幸せに過ごせますように。

足跡をなぞる

綺麗に重なるように
夏の香りにそぐわない
雪の上を歩くように
君の足跡を辿る

ゆっくりとゆっくりと
一歩、二歩、三歩、半歩
君の歩幅を思い出す

間違えない
此処を歩いた君の背を追う
狭い狭い道を抜けた開けた

嗚呼、嗚呼…
これがーー
君が最期に見た景色

生きたがりの死にたがり

生きたがりの死にたがり

今日も息をしているの
吸って吐いて
吸っては居て
眼は死んでいても
体が動かなくても

今日も私は息をしている
吸って吐いて吸って吐いて

あーあーあーあー

生きていたいの
死ぬことを実感出来るように
始まらないと終わらない
吸っては居ても始まらない

だから行きたい生きたいの

朝目が覚めて
今日も生きてる事にがっかりとする

朝目が覚めて
貴方が息をしている事にほっとする

ただ、息をしているだけで良いとは思えなくて何か何かと探してる

水に溺れて藻に足を取られて腕を掻いてもがくもがけ

吐息が泡になって空へ…きらきらとキラキラと白と混じる眩しさ

自分の中の呼吸が初めて好きになれた瞬間

溺れる間際にやっと

きらきらと光る
己の口から吐き出された泡に
反射する光を
私は自分の中にあるのだと
勘違いする

光はもっと強く逞しく
触れてしまえば爛れ
顔を上げれば目がくらむ
けれど息が出来なくなる事も忘れて
私はまた光に手を伸ばすのだ

何度も何度も

ほぼ思い付いたまま、直さずに
気が向いたら清書をしよう。

蝉の鳴く声に紛れて
綺麗な音がしたから
歩いていた日影から
一歩足を踏み出した

目が眩んだ光の中に
見た幻は少し笑んで
夏の日差しにとけた

ああ、まだ
夏は君の季節

忘れようにも
忘れられない

君への想いは

風化しているのだろうか
化石と化して妄執ではなく
思い出となっているのだろうか

それでも今は懐かしく
思うこともあるけれど

からっぽ

からっぽなのは頭ではなくて
からっぽなのはもっと内側で
からっぽなのに軽くはなくて
からっぽだから欲しくなって
からっぽなのに在る振りをした。

そんな私に色をくれたのは
彼女で彼で貴方で…君だった。
色んな色が飛び散って
僕はやっと少しだけ
からっぽじゃなくなった。

心臓がドッと鳴いた
空気をひゅっと飲み
胸に遺ったのは
手に入らないが故の
渇望

わたしは自分を不幸だと思った事はない
かと言って幸福だと思った事もない
それが不幸せだと言われようが
それが幸福なのだと説かれようが
実感が無いのだ。
わかるわけがないのだ。
頭の上で理論立てて
恵まれているのだと理解したとして
それが幸せなのだと
わかるわけではないの。