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株式投資・企業分析⑥シイエム・シイ
企業分析の6回目は、シイエム・シイとします。
理由として、名証IRなどでも取り上げられている割に知名度はかな~り低く、煽る人すら見かけません。
東海近郊などで就職活動をすると目にすることが多いような企業な気がする割に、謎の会社というイメージは否めません。
実際、筆者も今回調査するまで「?」ってイメージでした。
基本的な企業情報
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東証スタンダード上場で、従業員数は930人ほど。
マニュアル制作&マーケティング支援会社。取引先・消費者・商品を対象としたマーケティング事業(マニュアル制作、業務標準化、人材育成/商材・販売・技術教育、製品の販売促進・広告宣伝、技術情報活用)を展開しています。
長期のトレンドとして、5年平均成長率で売上高は1.2%の成長に留まるものの、営業利益率の成長が目覚ましく、13.6%もあります。フリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローも10年連続でプラスを守り、財務面は盤石と言えるでしょう。(現金がちょっと多いかな?って印象ですが、それを踏まえて株主還元を最近強化しているのでしょう)
シイエム・シイの事業について
決算資料を見ると単一セグメントとなっており、その中で、「Manuals」と「Knowledge」の2つに分かれています。どちらの事業も半々程度の構成比となっている中で、Manualsの存在感が今期は大きかったと言えそうです。
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Manuals事業
もともとは、このシイエム・シイの主力事業っぽいですね。HPによると、お客さま企業の商材・市場・会社を深く理解し、企業活動の目的(例えばリアルからデジタルコンテンツへの転用)に合わせて情報を体系化するサービスを提供。とあります。
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主力は自動車向けのマニュアルが多く、大手自動車会社ではシイエム・シイのマニュアルのシェアが5割とのこと。
顧客構成では約4分の1のモビリティ関連がシイエム・シイの売り上げの4分の3を占めるなど、大きな稼ぎ柱となっています。
自動車会社以外では、工作機械や、医薬品や情報機器など様々な業界に納入実績があるようで。
直近では、技術マニュアルや学術資材関連の受注拡大より、増収しているとのことです。マニュアルにもデジタル化の波が来ているということで、HPではクラウドで集約、共有できることをアピールしています。
筆者の前職はマニュアルが散乱しており、ファイルサーバ上で適当に管理。このマニュアルどこですかねってなっても、えらいひとしかわからない。管理も見るも集約も全然できてないじゃないか(憤慨)だったので、後述するKnowledgeを積み上げられず、人材育成にも遅れが出ていたんじゃないのかなあとは。
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Knowledge事業
売上の構成比ではManualsに負けているものの、近年強化を図っていることはHPを見ても明確です。HPによると、情報を必要とする人のシーンに応じて、最適な尖端技術を活用し、ユーザーエクスペリエンス(顧客体験価値)の最大化を図るサービスを提供。とあります。
システム開発の強みを活かし、自動翻訳や、AI、VRARなどいろいろな事業に挑戦。よくある中堅システム会社の事業に見えますが、シイエム・シイの強い点は(筆者の主観でしかないですが)積み上げた知識やナレッジを無駄にしないっていう、そういうところだと思っています。
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システム開発をやっている方は思い当たるところがあるかもしれませんが、いろんな会社から人が集まってプロジェクトが完了しても、別のプロジェクト、となると、その積み上げた知識は良くて属人化、残念な場合だとそのまま消滅・・・してしまいます。もったいない。
意味のないデータを意味のあるデータにする、そういう支援などをやっているのを見ると、ITコンサル的な要素もあるのかなあと。
また、モビリティ関連への強みを活かし、車検の機能調整機能を簡単にIPad上で行えるアプリを開発し販売もしているとのこと。
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おわりに
調べていて、HPを全部チェックするまで「自己株取得や6連続増配(予定)、IRで増配傾向なのはわかるけど」感じでもったいないなあって感じです。サービス紹介や、重要箇所もばらばらに記載してあって・・・ヒット商品が出てくれば、シイエム・シイは〇〇の会社って認知が広がりそうで。今のところ増配傾向にある地味な会社という印象ではあるのですが。
サービスがまず最初に来るようになれば、知名度があがって、株も活発に取引されそうだなーって。愛知の会社だしがんばってほしい!
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