セルフコンパッション:自分への思いやりは足りていますか?
セルフコンパッションという言葉について聞いたことはありますか?
検索してみると
と書かれていますが、これだけだとちょっとわかりづらいので、僕なりの解釈を加えてみると
セルフコンパッションとは
自分の言動が原因で望む結果を得られなかったり、思いがけず自分にとってネガティブな出来事が起きても、ありのままの自分を受け入れて自分自身に対して気遣いの気持ちを持つこと
という感じになります。
自分への思いやりとは
自分にとって大切または身近な存在である誰か、例えば
仕事でミスをした同僚
告白してフラれた友人
人前で緊張する後輩
を目の前にしたら、どんな言葉をかけますか?
きっと「気にしないでいいよ」「話を聞くから飲みにでも行く?」「絶対できるから大丈夫!」といった気遣いの言葉を選ぶはずです。
なのに、これが
仕事でミスをした自分
告白してフラれた自分
人前で緊張する自分
になると途端に「バカじゃないの・・」「魅力がない証拠」「恥ずかしい、情けない」などの厳しい言葉を自分に投げつけてしまいがちです。
実際に相手を否定することを言ったとしたら、相手がどんな気持ちになるのか、どれほどのダメージを与えるのかを考えると、親しい間柄であっても言ってはいけない言葉がありますよね。
そうなんです!無意識のひとりごとでも、誰かに向けた強い言葉と同じように自分自身にダメージを与えてしまいます。
自分の大切な人と同じくらい自分に対しても思いやりを持つ
自分の大切な人がされて嫌なことや相手を傷つけてしまうことは自分にもしない
この感覚を理解して常に意識しておくことが、とても重要です。
セルフコンパッションについての導入部分はお伝えできたので、次はセルフコンパッションの構成要素
自分への優しさ
共通の人間性の認識
マインドフルネス
についてです。
セルフコンパッション:自分への優しさ
ついつい自分のことになると批判的・否定的な言葉や態度を向けがちですが、そうではなくて自分自身に対しても
親切で暖かい目を向ける
前向きな態度で自分をいたわる
感謝や尊敬などのポジティブな感情を持つ
ということが「自分への優しさ」です。
では、具体的に自分に対して何をすればいいのかというと
セルフハグ
心の声チェック
の2つが簡単ですぐに実践できる自分に優しくする方法です。
ひとつ目のセルフハグとは自分で自分を抱きしめること
自分で自分の肩や腕などを手を回してギュッとすることです。
お手軽簡単ですよね!
でも「セルフハグってちょっと照れくさいな〜」と感じる人もいるでしょう。
その場合は、セルフタッチ(そっと自分の心臓のところやお腹といった気持ちが落ち着きそうな場所に手を当てる)でも効果は絶大です。
「ベビーマッサージ」や「痛いの痛いの飛んでいけ〜」といった手当ての癒し効果は子供限定ではなく大人にも効きますから、試さないなんてもったいないです!
続いて、心の声チェックとは自分で自分に何を言ったかを一瞬だけ思い出すという作業で「自分に対してよくない言葉を使った 」「自分のことを責めすぎた」そんな自分に気づくためのチェックです。
例えば
また三日坊主になった(ネガティブな出来事)
「三日坊主を繰り返して最悪!」(よくない言葉)と自分に対して心の声が出てしまったら
「最悪!」と言いっぱなしで終わらずに・・・「でも行動できた自分はえらい!」と心の声を上書きする。
こんな流れで「気づき&フォロー」を繰り返して、自分に対して優しく接することを習慣にしていきます。
「気づき&フォロー」はすぐにでも始めてほしいのですが、ひとつ注意点があります。
思い出すという行為は、あまり深く&長くやりすぎると、そのときの嫌な気持ちや臨場感まで再現してしまうリスクがあるので、自分に対するネガティブな心の声が出た瞬間にパパッと「チェック&フォロー」を実践するようにしてくださいね。
セルフコンパッション:共通の人間性の認識
失敗したときや苦しい状況に陥ったときに「こんな失敗をするのは自分だけだ」「なんで自分ばっかりこんな目に・・」みたいに孤独感や疎外感を覚えた経験があると思います。
そんなときに
・(失敗なんて)誰でもやること
・(苦しい状況は)誰にでも起きること
と思えることが「共通の人間性の認識」です。
実際、完璧な人なんていないので、誰でもミスをするし大小の差はあれ不幸なことや苦しみを伴う出来事を誰もが何度も経験してますよね〜。
だから、何が起きても落ち込み続けず、最後は復活して「自分だけじゃないんだ」と考えることで他者や組織、社会などと繋がっている感覚を思い出せれば、孤独感や疎外感はどんどん消えていきます。
必要以上に自分を責めないで次に進んでいきましょう!
セルフコンパッション:マインドフルネス
今この瞬間の出来事に意識を向けて、何についても判断せず/評価せず/とらわれずに、ただありのままの自分に注意を向け、それを受け入れる。
という状態を指します。
例えば、三日坊主になってしまったときに
自己嫌悪に陥ったり
自己否定や自己批判をいつまでも繰り返したり
自信を失ったり
とネガティブな感情の沼から抜け出せなくなることがあると思います。
そんなときに、今の感情を判断せず/評価せず/とらわれずに、ありのままの自分(感情)を受け入れることが、心の穏やかさを取り戻す近道となります。
一方で「誰かに愚痴ったり、怒りを外に向けることでストレスを発散できている!」という意見があると思います。
ですが、実はその度にネガティブな感情を思い出して嫌な気持ちを自分の中で再燃させるだけで、ストレス解消には逆効果のため、あまりオススメできない対処法と言われています。
「今ここ」を意識することで、心の安定を保てます。
まとめ
長くなってしまいました・・
セルフコンパッションとは、他者への思いやりの気持ちと同様に自分も思いやること。
その際は、自分への優しさを持って、自分だけじゃなくて誰でもそうと顔を上げて、ありのままの自分を受け入れることが大切という内容でした。
後編は、セルフコンパッションの効果と高める方法についてです。