レジャーシートを見るたびに本当のゆたかさについて考えてしまう

Bonjour, かおりちゃん!元気?

来月、家族でフランスに行くことになって楽しみなような不安なようなでソワソワしています。Airbnbのエクスペリエンスを見てたら、ひとつくらい参加してみてもいいかなぁと思い始めたりして。

頭のなかをエッフェル塔とセーヌ川でいっぱいにしつつ渡辺通りを歩いてたら、ついさっき1年半ぶりくらいにPascalさんとバッタリ会ってびっくりしちゃった。「いまは毎週土曜日にデモやってるから気をつけて」「でも5、6月はいちばんいい季節。わたしはもうフランス興味ないけど(笑)」って言ってたよ。

さて、かおりちゃんのライフテーマのひとつが「本当のゆたかさ」と知ってるからこそ今日はこれを書いています。

春先から、お花見や遠足(なんてあるんだよ、保育園でも!)、友だちとのピクニックなんかで大濠公園や舞鶴公園、植物園なんかに行く機会が多くてね。そのたびに、ついみんなのレジャーシートを観察してしまいます。

わたしが小学校低学年のうちは、母は家で内職をしていてね。そのあいだずっとラジオを聴いていて、母のそばで遊んでいたわたしも必然的に一緒に聴くともなしに聴いていたんだけど。

とあるラジオ番組で、学生さんの就職活動の話をしていてね。たまたまリスナーさんからの投稿でこんな話が取り上げられてて。

「ある企業の最終面接で、1人の面接官がこんな質問をしたそうです。

『あなたはどんなときに、ゆたかさを感じますか?』

自分にとって何がゆたかかはまだわからないけれど、と前置きして女子学生はこう答えました。

『留学していた際のホストファミリーと、近所の森にピクニックに行ったときのことです。少し散策して、そろそろお昼にしましょうと荷物を降ろし、ホストマザーがニコニコしながらバッグから出したのが素敵な小花柄の布だったのです。

日本だったら、この場面できっとペラペラのレジャーシートが出てきたでしょう。敷いて汚れてしまうものなのにこんな綺麗な布を持ってくるなんて、とそのときは驚いたのですが、ホストファミリーのみんなと昼食を食べながらわたしは、"ゆたかってこういうことを指すのかもしれない"と思ったんです』。

そんな話を披露したこの学生さんは、面接官満場一致で合格となったそうです」

このときの学生さんよりもだいぶ年齢が上になったいまだからわかるけど、彼女の感性や知性、そりゃ合格にしちゃうよね。30年近くも前に聴いたエピソードなんだけど、いまだによく覚えていて、ある意味自分にとって「ゆたかさ」を考える指標みたいになっちゃってる気がします。

あれから日本もいろんなことが変わり、みんなが持ってくるレジャーシートも格段におしゃれになりました。昔は、ほんっとペラペラの謎のシマシマ柄(ボーダーなんておしゃれなものではない)が多かったよね。いまでは見つけるのが難しいくらいです。

街を歩くだけで楽しかったり、流れる川のほとりに腰掛けておしゃべりするだけで時間が過ぎたり、ちょっとしたイベントやコンサートがリーズナブルに楽しめたり。「お金をかけなくても楽しめることがたくさんある」のが都市として、暮らしとしてのゆたかさを表すのかなとわたしは思うんだけど、このレジャーシートの話みたいに「惜しげもなく」という姿勢もゆたかさのひとつかなと思うんだよね。

かおりちゃんは最近「ゆたかさ」についてどう思う?初めてのブエノス滞在じゃないからこそ感じる何か、もしあったら教えてください。

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