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水曜日の本棚#11 もちぎさんのこと

いつだろう、もちぎさんのことを知ったのは。

高校時代から体を売って稼いだお金を家計に入れ、母親(いわゆる毒親)にゲイであることがバレて卒業前に逃げるように上京。ゲイ風俗で働きながらお金を貯めて大学進学...と、まぁざっくり端折っただけでもわかる、ディーブな人生を歩む(歩まざるを得なかった)ひとの自伝エッセイ漫画。この方が世に出ていなかったら、わたしはまずゲイ風俗の内情を知ることはなかっただろうし、なんだか本当にパラレルワールドを覗いたような気分になる。

サブタイトルの「セクシュアリティは人生だ」。これはね、もう本当にそう思う。性は生の土台だもの。

体は女性、性別や性的指向をクエスチョニングにしていた年若き友人が、以前こんなことを言っていた。

「このひと(男性)は『わたし』のことが好きなのか、それともわたしが『女性』だから好きなのか、どっちなんだろうと思ってしまって」

そっかー!!そこから悩みが入るのか!わたしは自分が「女性」であることや「異性愛者」であることに1度も疑いを持ったことがないし、男性に好意を寄せられても前述の友人のように疑問を抱いたことがない。ないからこそ、この発言が目から鱗であったと同時に、「なるほど、そこから悩みで揺れるとすれば、これはかなり生きづらいだろうな...」と初めてセクシャルマイノリティの方々の苦悩が身近に感じられたのだった。

LGBTQ+を取り囲む諸々の課題は、それだけ孤立した課題ではない。「自分らしく生きたい」と願う誰もにつながる課題で、だからこそわたしは目が離せない。

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