弓削 徹『短い言葉を武器にする』@2019年12月フォレスト出版新刊

弓削 徹コピーライター、マーケティングコンサルタント。広告代理店を経て独立。ソニー、サ…

弓削 徹『短い言葉を武器にする』@2019年12月フォレスト出版新刊

弓削 徹コピーライター、マーケティングコンサルタント。広告代理店を経て独立。ソニー、サントリー、IBM、JTなど2200社のCMからPOPまでの企画、コピーライティングを担当して売上拡大に貢献。著書に『キャッチコピーの極意』など。www.yugetoru.com

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  • 短い言葉を武器にする

    2019年12月刊行のビジネス書『短い言葉を武器にする』(弓削 徹、フォレスト出版)の内容の一部を公開します。 力強いワンフレーズが人を動かす! 言葉の使い方を変えるだけで あなたの評価と年収はどんどん上がる 影響力と説得力を身につけるためのテクニックを大公開 たった「ひと言」で周囲の反応が一気に変わる!  □強烈な印象を与える  □場の空気をつかむ  □会話の流れを変える  □主導権を握る  □議論の方向を操る 人生を劇的に変える 短くて強力なワンフレーズの作り方 【著者プロフィール】 弓削 徹(ゆげ とおる) コピーライターとしてソニー、サントリー、IBMなどの商品開発、広告・販促キャンペーンを成功させる。「ノートパソコン」の名付け親。現在は、中小製造業を支えるコンサルタントとして商品開発から販路開拓までのマーケティング企画・戦略を提供。著書に『キャッチコピーの極意』など。

最近の記事

ブレインストーミングを成功させる方法

 会議に参加した人がその場でアイデアを出し合うブレインストーミング、いわゆるブレストは広告会社などでは日常のことです。しかし、一般の会社ではなじみのない人も多いと思います。  ここでは、うまくブレストに巻き込むための4つのルールと4つの極意をご紹介します。 〈ブレスト 4つのルール〉 ①他者の意見を否定しない……荒唐無稽なアイデア、実現不可能な企画であっても、言下に否定してはいけません。 ②自由に発想する……ごく普通の考えはいつでも出せます。いままでにない奇抜なアイデアこそ

    • 都合の悪い事実を明かす

       一般の会話において、親密度を深めるステップの1つに自己開示があります。自分のウィークポイントや過去の失敗、現在抱えている悩みなどを打ち明けることで、親しさの度合いが高まります。  この自己開示は自分の側からしなければ、ほとんどの場合、始まりません。セールスやプレゼンの場においては、なおさらです。  売り込んでいる商品のよい点だけを伝えた場合と、マイナスの点をきちんと伝えた場合とでは、相手の反応はまったく違います。  神奈川県に本社を置くスーパーマーケットのオーケーには、自

      • 相手に選ばせる・決めさせる

         たとえ部下であっても、頭ごなしの命令は通りづらい時代です。私自身が20代の頃を振り返っても、指示された仕事の理由や狙いを聞かないと動く気がしませんでした。  さらに言えば、最もモチベーションを持って取り組んでもらえるのは本人が言い出した仕事です。企画やアイデアを出すような案件に限らず、作業の期限を決めるような場合も同様です。 「来週の月曜午後イチまでにやってくれ。できるよな?」では、理想的なパフォーマンスは望めないかもしれません。最悪の場合、月曜には出来上がっていない事態

        • 提案にネーミングすると注目される

           キャッチコピーと似ているけれど、やはり違うのがネーミング。  商品やサービスにおいて、その特長や用途、メリットを端的なフレーズに煮つめたものであり、キャッチコピーのように手軽に変更はできません。  一般に、商品開発には時間やコストをかけるものの、ネーミングは発売の段階になってから間に合わせで考えることが多いものです。そのため、イマイチな商品ネーミングにはことかきません。  販売促進のセミナー・講演で地方に行くと、地元で企画された六次産業の商品が売れないとご相談を受けること

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        • 短い言葉を武器にする
          15本

        記事

          相手にとってのメリットをゴールにする

           顧客企業などに向けて商談やプレゼンをする場合、相手が期待する成果やメリットは明白であることがほとんどでしょう。  たとえば、「新商品の市場導入を成功させたい」「提携によって収益性の高い新規事業を立ち上げたい」「新規ショップのコンセプトデザインで集客を促進したい」など。  それでも、表面的な観察では取り違えることもありますし、細部を見落としている可能性もないとはいえません。  たとえば、一般に自社商品を取り扱ってもらう提案をする場合、上代価格(小売価格)は安いほうがいいと考

          正面から否定せずに反論する

           声が大きいだけの人の意見、あるいは現場感覚がなくなっているのに以前のように意見を押しつけてくる上司など、跳ね返さなければ誤った結論を導き出してしまう意見があります。  しかし、上司に逆らうことは気が引けますし、長い「演説」や大きな声で自説をまくし立ててくる相手に対して真っ向から反対意見をぶつけていくこともカドが立ちます。  エラい人や自信のある人たちは、「でも」「しかし」「とはいうものの」という反論ワードを嫌います。こうした目印なしに反論することができれば、ずいぶんと会議

          順接・逆説で根拠を言い添える

           主張や意見に根拠を足して「○○だから、△△です」と順接で伝えると、たとえ根拠が希薄であっても論理的に響き、否定しづらくなります。 〈例〉若年層に受けるので、B案がいいと思います。 〈例〉吉田さんは話が上手だから、プレゼンを担当してください。  根拠はどのようなものでもかまいません。  ・一般常識、原理原則  ・統計、調査データ  ・政府の方針  ・人物評価  ・キーパーソンの言質  ・著名人、学者の意見  ・過去の事例  ・現在のトレンドなど  反対に、逆接で訴える

          上司の名前を味方にする

           クリエイティブな会議を行うには、適した人数というものがあります。  かつてスティーブ・ジョブズは、米国政府から有識者会議への参加を打診された際、参加人数が多いことを理由に断ったことがあるそうです。  私も支援先企業で真剣な会議をする場合は4~5人以内の参加者がベストだとおすすめしています。話し合う案件に深くコミットしている人間だけとなると、それくらいの規模になるはずです。1人でも傍観者が混ざると会議の温度は下がります。  そして、そこには決定権を持つ人間──中小企業であれ

          他者にさえぎられずに発言をする方法

           短いフレーズで話すことの一番の効用の1つが、他者に発言をさえぎられづらいという点です。  結論を含む短いフレーズをひと息で話す──数秒以内に完結する短文だからこそ、すらすらと話し終えることができます。  まず発言は、はっきりと高めの大きな声で話すことが大切です。低い音程でボソボソと話していると、自信がないことを告白しているようで、「重要な意見ではないな」と受けとられかねません。当然、他者に割って入られやすくなります。  私も、自信がないときや、それほど重要ではないと自覚し

          相手の意見を誘導する

           コンサルタントやコーチングの指導には、本人が自力で回答にたどり着くように仕向ける手法があります。  たとえば、コンサルタントが「今回はこうしてください」と提示する解決策に従うだけでは、支援を受ける会社内にノウハウが蓄積していきません。加えて、彼らもカンタンに得られた助言は実行することに抵抗がある、という心理もあります。  そこで、質問やヒントを話しながら、担当者らの思考を前に進ませていき、最終的には自分たちで考え抜いて回答を導き出したように感じてもらうのです。 〈例〉その

          芸人さんのようにツッコむ

           最近のお笑いを見ていると、ボケよりもむしろツッコミで売れた漫才コンビが目立つような気がします。特に、ツッコミ担当の芸人が番組MCに抜擢されていくという流れもあるようにも感じます。  そもそもツッコミとは、非常識な発言やボケ、失敗に対して発動されるものであり、十分に常識がある人の役割です。つまり、ビジネスの現場で求められる当意即妙(とういそくみょう)なコミュニケーション力との親和性がとても高いのです。  とはいえ、芸人のように鮮やかなツッコミを繰り出すのは難しいのではないか

          発言のハードルを下げる

          「発言する以上は、気の利いたことを言わなければならない」というプレッシャーを感じる人もいると思います。しかしそのせいで気おくれし、発言をためらってしまうのでは本末転倒です。  人見知りの人は完璧主義でもあったりして、発言の回数が少ない傾向になるともいえます。実は私も、若い頃は長らくそのようなタイプの人間でした。  もし、あなたもそれに当てはまるなら、ぜひ発言の回数を増やし、周囲に認めてもらう成功体験を重ねていってほしいと思います。  自分で「これはたいした意見ではないな」と

          相手のニーズを知って合わせる

           コピーライターが商品のキャッチコピーを書くとき、ターゲットに合わせて言うことを変えるときがあります。  伝えるべきメリットがいくつかあったとして、男性雑誌に掲載する広告ではAというメリットを訴求するけれど、女性雑誌の広告ではBというメリットを一番に伝える、というように中身を変更するのです。  それは、相手によって刺さる要素が異なるから。キャッチコピーは対象者を強く意識して作られているわけです。  こう考えると、普通に会話をするときも話す前にまず相手のニーズは何かをきちんと

          具体的な数字を入れて話す

           私は文系で極端に数字に弱く、算数のテストで小学5年生に負ける自信があります。そのため、さまざまな分野の目安になる数字をあえて丸暗記しています。たとえば、次のような事項です。  ・日本の国家予算はほぼ100兆円  ・日本の人口はだいたい1億2600万人  ・明治維新は1868年  ・コンビニの店舗数は約5万7000店  ・東京から南西に向かってだいたい100キロ行くと熱海  ・平方メートルに3を掛けてゼロを1つとると坪数  暗記していない数字の目安を「だいたいこれくらいだ

          名言・格言、金言を引用して話す

           日本人は権威に弱いところがあり、専門家や著名人の言葉を疑うことなく受け入れてしまう傾向があります。また、歴史に名を残すような人の言葉が時代を超えて残っているのは、それが真理であり異論を差し挟む余地がないからです。 「ソニーの盛田元会長も、『マーケティング調査は必要ない』と言っていましたからね」と話すと、相手は絶対的に正しい結論を持ち出されたような気になるのです。  あなたの実績をまだ相手が知らない段階であれば、主張の中身を偉人の言葉に担保してもらうやり方もあります。  初

          出会った人との将来を語る

           自己紹介の終わりで将来の目標が語られることがよくあります。  たとえば、「将来は子育てに悩んでいるお母さんたちを助けたい」とか、「採用に苦労している会社さんをなくしたい」というような目標です。  目標がなくても、その人の専門性や得意としているスキルを聞き出すことはできるでしょう。  そうすると、あなたは仮に相手と協業したら可能になる理想を提案することもできます。つまり、相手の専門性や目標と自分の専門性とをかけ合わせたビジョンを語るのです。  まず、相手の目標や夢、関心につ