順接・逆説で根拠を言い添える
主張や意見に根拠を足して「○○だから、△△です」と順接で伝えると、たとえ根拠が希薄であっても論理的に響き、否定しづらくなります。
〈例〉若年層に受けるので、B案がいいと思います。
〈例〉吉田さんは話が上手だから、プレゼンを担当してください。
根拠はどのようなものでもかまいません。
・一般常識、原理原則
・統計、調査データ
・政府の方針
・人物評価
・キーパーソンの言質
・著名人、学者の意見
・過去の事例
・現在のトレンドなど
反対に、逆接で訴える言い方もあります。
よく質問されるのは、「これで売れるのか?」「それが成功するという根拠は?」ですが、これに対しては真正面から答えてはいけません。
〈例〉8割は成功すると思いますが、そんな確率は意味がないですよね。
〈例〉困っているのですが……、売れない理由が見つからないんです。
上司も、「絶対に成功します(売れます)」という答えを期待してはいません。ビジネスやマーケティングの世界に「絶対」などないからです。ここで問われているのは本人の真剣度でしょう。
根拠が複数ある場合、これらを小出しにする方法もあります。根拠の部分が長くなるなら「AだからB」ではなく、「結論はBです。その根拠は……」として、結論を先に言うスタイルを選択します。
いろいろな本で紹介されている「理由は3つあります」というパターンでもよいのですが、3つの理由を連続してさらりと説明するのもけっこう大変なことです。理由が3つあるなら、1つずつ話せばいいのです。
1つの理由を話しても別案に向きかけたら「でも、○○という意見もあったんですよ」と引き戻すのです。さらに反論があったら、「それはあり得ますね。しかし、△△という調査結果があるんです」とパスを返します。
これを3往復もすると根拠は十分あるように感じられ、だいたいのケースでこちらの提案に傾くはずです。
〈フレーズテクニック〉構造を示す
問題点をきちんと構造化して捉え、「だから○○が必要なのです」と説明する話法です。「○○には、△△の前提が必要です」「□□するには、××が条件になります」のように整理して語ることで、説得力が高まります。
〈例〉26個ある足の骨は立方骨に乗っている構造なので、立方骨を支えれば足アーチが維持されます。
また、時系列を把握して話すやり方も有効です。「現在はこうですが、過去はこうでした。ですので、将来はこうします」と語るのです。
コンサルタントのフレームワークにはピラミッド構造やロジックツリーという手法があり、起きている事象などを分解して因果関係などを把握するのに向いています。
根拠となる要因や根拠を分解して示したり、項目に分けて箇条書きで話すと、課題をきちんと把握している人間として認識してもらえます。