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クレーマーの定義

オーストラリアに住んでいる時、クレーマーの定義について考える機会は多かったです。

私の結論は、日本基準で物事を捉えて人に対応していると、誰も察してくれずどんどん損をするという事を学びました。

これは、サービスの良し悪しも人によって違うから勝手に推測すべきではないという意識が知らず知らずに根付いているからと思いました。

正直、私自身は日本の過剰サービスにイラッとくる事がある人間なので、オーストラリア式の言われた事以外までわざわざ先回りしない雰囲気が楽に感じる面も多々ありました。

これは働く側にとっても、とても良い事です。

その反面、日本と比較してしまうと気が利いていないなと思う面もあり一長一短かなと感じました。

けれど、意外と客自身がハッキリしてるなと思ったのは変だなとか嫌だなと思うことがあれば相手にしっかりと伝え主張する事です。

しかし、サービスとして記載されていない事はさほどなくても気にしない。やって欲しければ言うって感じで日本人より寛容性がある傾向でした。

日本でクレーマーと捉えられてしまう感覚とは大きく違うそう感じた。

逆に言わなければ、やってもらえない。

急いでいる時も、主張しなきゃ順番を後回しにされるとかの方が通常です。何も言わなきゃ、急いでいる人が優先。言わなきゃ急いでいるとか分かんないよねと誰しも思います。

極端な話、沈黙状態だったら、

“あの人何も言わないから時間あるんだろう。急いでる人優先でいいや”

となって最終尾にされても文句は言えません 笑

こういう微妙な部分がいつまでもわからない日本基準だと、

何も言わなくても察して(自分のして欲しいことを)やってくれる

なるべく早く(自分が次の予定に遅れないように入れるように)やってくれる

と何も言わずに待っていて、イライラが募る。

けど、向こうからしたらそんな環境で生きていないので

「〇〇がして欲しい」
「〇〇でこの後〇〇時から予定があるから、急いで欲しい」

とか言わなけりゃ分かんないからやりません。

「〇〇がして欲しい」の場合、主張されてからやらなきゃ揉めちゃうかもねと思ってる人さえいる。
そして、労働の対価として金をもらってるしそれ以外の事をやる意味はないんです。向こうとしては。

個人の権利を大事にして生きていきたい人は多い。だから、労働も納得しない以上はタダではやらない。

自分勝手じゃないできた人であれば、自分に権利があると思っているから、相手の権利も聞きますよとなる。

だから、主張してもクレーマーとは捉えない。

あ!そうなんだ!これをやって欲しいんだな!

となった後に、

→ちょっとの事だし、やってあげよう

→サービス(仕事内容)に書いてあったのにやり忘れてた。謝らなきゃ!

→あー。これ面倒くさい。しかも最初から言われてた仕事じゃない。オプション料金とれるんだろうか?

→ あー。これ面倒くさい。しかも最初から言われてた仕事じゃない。内容にないし無視か断ろう!

ぐらいに別れるだけ。

別に言われてもさほど気にせずに、大体こんな対応をされるだけ。

あー。クレーマーでめんどくせー。となった挙句にどんな人かまでは判断はしません。

(ま、その方が良いよねって話だけど。人はそんな単純な一面で判断できないし、、、)

上のどれかのような対応をとってから、双方共に仲良く雑談をしだす事さえある。細かしい事を引きずりたくない私にはあっていた部分。

非常にドライにとらえているからこそ、ストレスを互いに溜めていない。非常にうまいんです。
他人との間に境界を設けててそんなに推測しませんから、それで円滑なんですよ。

学ぶことは多かった。

まだオーストラリアに慣れない時に、レストランに入りパスタを頼んだ時です。その時に驚いたことを思い出します。

私の隣の席で食べてたお客さんが、

「具材の量とパスタの量が写真と違うから作り直して欲しい。この写真を見て、これが食べたいから注文して金を払ってる。この見た目なら、注文して金を払わなかった。不快だ!」

と怒った顔で言いました。

その時、私は一瞬クレーマーか?と思ったんですよね。

けど、ウェイターはすぐ皿を下げシェフに報告して

「その通りです。表示と違いますね。作り直します。」

とシェフが謝罪しに来た。

えっ!?そんな事まで!?

と最初は思ったけど、オーストラリアの学校では

“表示と違うものが提供されたら違反なので金を払う必要がない”

と教えていました。

客として、当然の権利だったんです。
これ、詐欺が起こりにくくなるので良い事です。

一方、良いサービスをしたり表示以上のものだった場合はそういう考えが根本にあるので、余分なチップを払っていく客もいる。

「オーストラリアはチップ文化ないから、いらない!」

みたいに言っている人はそういう客の層しかいないところしか行っていないだけなんです。

そのテンションで、そういう店に行く日本人は

「日本人は良い人にも、敬意を払わずチップ払わない。ケチで汚い奴だ!」

とか言われてる時もあります 苦笑。

人の自由に対する権利を大切にしているから、それは主張するし納得しなきゃやりません。

主張してるだけで、クレーマーにはならないと分かりました。

私も次に予定があるときは、

「〇〇時までにはここを出なきゃいけない!早くやってくれ!」

と何度も言うようになりました。
それでなけりゃ後回しです。

言わない場合は、何時間でも待つ覚悟をする事に決めたんです。他の人のためにも。
それで思いの外、早ければ嬉しいし、遅くても諦めがつく。

それが困るんだったら、必ず理由と早くして欲しいことを何度もひつこく言うことにしました。
西オーストラリア州のパースでは、殆どの人がそうしていました。それで上手く回っていた。

伝える努力を怠らず勝手に怒らないをモットーにしてかなりオーストラリア暮らしに慣れる事ができた。

しっかり伝える努力をして溜め込んでイライラしないは、今でも教訓として活かされています!

もちろん方法次第ですが、伝える工夫や努力をすることは自分のためにも相手のためにも、良い。

だって、みんな違うんだから。それにみんな権利はあるんだからと思いますよね。

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