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「YES」じゃなくて「NO」をもっと言おうよ

日本人は、「YES」って言うから、楽だよね!という思想に意味もなく苦しめられた事が多かった。

私は、外国人の立場でビザを取りオーストラリアに滞在していたので、そういう国籍が分かる書類を見せると態度が変わる奴を沢山見てきた。

けれど、私だってもちろん人だから要求飲めない事も嫌いな事もあるのは当然な訳。
だから、「NO」の時はそう言ってきたし、あんま直接的に言うのは良くないなと思えばそれなりに交渉もした。

意識して「NO」と言ってきた。嫌がられたら余計にひつこくそうしてきた。それが大切だと思ってきたから……。


すると、“えっ!”と意外そうに驚く人が多かった。

「あなた、日本人のはずなのに主張してくるんだね。あー予想外で疲れた。大体の人がYESって言うのが普通。あなた中国人か何か?」

とか、まあしっかりと正直に言ってくる人もいて笑えてしまった…。
めちゃくちゃ失礼だよね。このレッテル貼り…。

どこの国の人でも色んな人はいるし、嫌な事は嫌と言って良いはずでそれは許されているはずなのだから。

こういう印象がついている人に多数会う時点で、あまり否定しない日本人に数多くあってきた人がいるのは簡単に想像できてしまう。

だから、「YES」じゃなくて「NO」をもっと言おうよ!と私は言いたいと思う。

何が嫌な事なのかちゃんと認識して伝えるのは、とても大切な事なのだから。

例をあげよう。

たとえば、自分が苦しいとか辛いとか感じる事でも、自分が関係なければ他人に強要する人はいる。そして、そういう奴は残念ながらいなくなる事はない。

そこで、向こうが要求してる事だから断ったら嫌がられてしまうかな?とか、立場が悪くなってしまうかな?とか考えて「YES」と言ったとしよう。

一瞬、我慢すれば良いと自分だけの問題として捉えたとして、そういう人に何人もあってこればその国の人はこういう特徴なんだと、どうしても印象がついて舐めてかかられる。そして、カモにするリストに入れられる。

全然、その人だけのその場の問題だけじゃない訳だ。

よく“頼まれたら「YES」と言い、「NO」と言わないようにしよう!それこそが日本人の強み!”みたいに言う人がいたり、“断らずに全て「YES」と言えば気に入られ認められる。勤勉さをアピールしよう!”みたいな事を言う人を見つけると私は何とも言えない気持ちになり、嫌な感じがする。

「あの人、日本人だよね。私達が嫌な事でも断らずやってくれるよ!頼んでみよう!」

とずる賢い奴が利用するからだ。何度も聞いてきた。
しかも、それだけじゃない。その場のオペレーションが悪くても、その環境が改善されず間接的に周りにも迷惑をかけている。

「YES」を言うことは、悪い環境を野放しにする事にもつながっている。

それだけじゃなく、差別的環境の野放しにもなる。

日本人は「NO」を言うのは良いことと、もっと認識しても良いと思う。

現地の語学学校や専門学校でも、暗記した事以外は分からない日本人が、「とりあえず笑って「YES」と言っとこう。便利だし!」と会話してるのはよく聞いた。

何とか努力して自分の思いや考えを伝えてほしいと何度思ったか分からない。

なんで、「YES」は言えて「NO」は言えないのか?

「YES」と要求をのむことが時として社会を悪くする事を認識して人と対話して欲しいと願うばかりだ。

「YES」じゃなくて「NO」をもっと言おうよ!とあらゆる場所でよぎってしまう。

言語はとても良いツールなんだから、それを利用しようとしなくてはロボット以下の存在だ。

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