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【読書メモ】図解 いちばんやさしい哲学の本

哲学は、他の哲学者が述べたものを否定したり発展させたり引用したりするので、基本的な哲学の全体像を押さえておかないと理解しにくい。いきなりキルケゴールの「死に至る病」に手をつけてしまって、そう思いました。そこでこちらの本。簡潔にまとまっていてよかったので、ここにメモしておきます。(詳細なメモのため、半分以上は表示制限(有料設定)しています)

第1章 哲学をつくった哲学者

タレス

世界の根源を考えた最初の哲学者

万物の根源(アルケー)は水である
・なんでも神様によってこの世界のことを説明するのはやめよう
→タレスが住んでいた港町ミレトスは植民市で、様々な文化とふれあって気づいたのは、自分たちの文化(ギリシア神話など)が唯一絶対ではないということ。神様抜きで世界のことを考えたとき、それが世界で最初の「哲学」となった
・自然を観察するうちに気がついたのは、植物でも動物でも生ある者は湿り気があり、死んだ者は干からびているということ。「自然哲学」とも呼ばれる

ソクラテス

「無知の知」で真理を求めよう!

無知の知
→知らないことを自覚し、とことん真理を追求しよう
プロタゴラスの「相対主義」(=「人間は万物の尺度である」)が流行していたとき、哲学で考える対象を「世界」から「人間」へと大きく転換させたことに意義があり、真理でもあったが、発展性がなく絶対的な真理への議論の余地がない。これを解決しようとした

プラトン

ものの本質(イデア)はどこにある?

イデア論(ものの本質=イデア)
ソクラテスが大事にした「ものの本質」を追求する作業を引き継いだのが弟子のプラトン。私たちの魂はもともとイデア界に住んでいたが、現実の世界に落ちてきて肉体を持った。不幸にもその時にイデアのことは忘れてしまったが、現実の世界でそれに近いものをみるとかつて見たイデアを思い起こす。それによってものを認識できるようになる。

・哲人政治
・哲学者王を育成するための学校「アカデメイア」

アリストテレス

たった一人で世界のことを説明した

ものの本質=形相(けいそう・エイドス)
アカデメイアで学び教師も務め、プラトンの弟子でもあったがイデア論を否定。ものの本質は現実の世界のそれぞれの「もの」にあり、質料(ヒュレー)からなる形相と呼んだ。

・君主制、貴族政治、民主政治、どの政治体制にも問題がある。中庸を提唱
・学園「リュケイオン」

エピクロス

人間にとって最高の快楽は知恵である

快楽主義
知恵によってアタラクシア(平静)に至れ
cf.ゼノン「禁欲主義」ストア派

・学園「エピクロスの園」

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