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船橋屋のくず餅、美味しいな【芥川龍之介】

仕事で疲れて頭がぐるぐるしていた日。
何か気分転換しないと家に帰っても気持ちが休まらない…何か好きなことをしたい…と思っていろいろ考えた。


あ!そうだ
芥川龍之介が食べてた「くず餅」、食べてみたい!


帰り道に買えそうなところあるかなと探したら、なんとめちゃくちゃ近くにあった。
今まで全然気が付かなかった(というか知らないから興味がなかった)。

認識とは恐ろしいものです…。


船橋屋「元祖くず餅」

1人分が食べやすくなっている、パックのものを買って帰宅。

しっかりした入れ物に入っている
中には六切れのくず餅と、きな粉、黒蜜


原材料を見てみたら、小麦という文字が見えた。
え!そうか小麦でできてるのか?!と思ったら、なんと、グルテン質を取り除く工程を経て作られているらしい。
グルテンフリーにチャレンジしている私には有り難い。

船橋屋のくず餅の原料「小麦澱粉」は、小麦粉からグルテン質を取り除く分離行程を経たものを発酵させています。

船橋屋ホームページ「元祖くず餅について」


味は、とにかく素朴!
芥川龍之介が大好きだったくらいだから、めちゃくちゃ美味しいのか?と期待していたが、それほどの感動はなく。

でも、よく考えてみたら、ポテチとかチョコレートとかクッキーとかそういうお菓子がある時代ではないから、こういうのを皆食べてたんだなあ。
私の舌が、今の時代の濃い味のお菓子たちに慣れすぎている。

私も甘いものが好きだから、当時生きてたら、おしることかくず餅とか、桜餅とか…そういうのが好きになったのかもしれない。
それはそれで何だかよい。今からでも和菓子にシフトしようかしら。

素朴で優しい味、
また食べたい。

あと、芥川が通っていた本店に行ってみたい。


最後に、「本所両国」で船橋屋について言及されていた箇所を抜粋しておきます。

僕等は、「天神様」の外へ出た後、「船橋屋」の葛餅を食ふ相談をした。
(中略)
船橋屋も家は新になつたものの、大体は昔に変つてゐない。僕等は縁台に腰をおろし、鴨居の上にかけ並べた日本アルプスの写真を見ながら、葛餅を一盆づつ食ふことにした。
(中略)
僕は僕の友だちと一しよに江東梅園などへ遠足に行つた帰りに度たびこの葛餅を食つたものである。

芥川龍之介「本所両国」


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