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#7【結婚】事実婚で再婚して1年 当時の苦悩について

事実婚というとまだポカンとなる日本人

事実婚というと、まだ日本では珍しい模様。
もう21世紀、令和5年というのに!
正直なところ、私自身まだ胸を張ってこれを公表できるような気持ちになれていない。

だって世の中の当たり前から外れてマイノリティで生きていくことが、時として怖いと思うから。
だからこそ言語化して整理していきたい。

当時は夫婦ともども、色々な感情が溢れかえっていて、穏やかに事実婚を決定するというプロセスにはならなかった。
今は妊娠生活を継続させることに精一杯で、その時の苦労を忘れかけているが、あの頃の熱量でできるだけ語りたい(笑)


事実婚、何それ?という人もいれば、入籍しない理由は?とか、それ結婚って言う意味ある?とか色々なことを言われるときもある。
余計なお世話だわ。もっと勉強しろー。と心の中で思うことも実際ある(笑)

正直色々答えるのに面倒臭くて、結婚したよ。としか普段は言わない。
新しい名字は何ですか?お相手の〇〇さんになった?と聞かれたら。本当に余力のないときは、そうです!と咄嗟に言ってしまう。

ちょっと脱線するが、最近ではLGBTQなんかについては社会での関わり方や在り方について配慮されるようになってきた。
事実婚や夫婦別姓を望む、またそういう家族の形をすでに体現している人たちのことも、マイノリティとして一定の苦労や生きにくさを感じていることを知ってもらいたい。

さて、戻ります。
別に私たちは単細胞的に事実婚にしよう、そうしよう。と簡単に決まったわけではない。
それはそれはもう私は10円いや500円ハゲが出来るんじゃないだろうかと思うくらい思い悩んだし、夫との議論・ぶつかり合いに疲れ果ててしまった。
正直もう関係が終わったとしても、縁がなかったと諦めよう。それでいい。
それくらいのことであった。

と言うもの、私は別に初めての結婚をしたわけではない。
一度はちゃんと婚姻届も出しているし離婚届けも出したことがある。
20代の頃に別の方と法律婚をしていた。


事実婚を選択しなければならなかった理由

  1. 家族の跡取り問題

  2. 家父長制への疑問と不満

大きく分ければこの2つ。
改めて。私自身、事実婚を最初から希望していたのではない。

古きよき日本の考え方、同調圧力、量産的な考え方、
こういったものに段々と嫌気がさしていた中で、自分自身もその渦中にいたと気づかされた。


家族の跡取り問題


私には姉がいて、2人姉妹。
当時姉も結婚しており、結婚相手の方の名字に改姓した。
姉には子供がいるけれども、女の子。

我が家はやや伝統といいますか、家系を大切にする家でもあり、
両親とくに父が、もし可能であれば婿入りしてほしいという気持ちがあることを知っていた。但しそれは強い要望ではなく、もちろん結婚する2人の関係性がそんなことで悪くなるようなら全く気にしなくて良い。というもの。

簡単に言ってしまえば、私たち姉妹は、大好きな両親のささやかな期待に応えたい!それこそが親孝行でありご先祖様との関係性を深めるものでもある!と思い、お相手の方・そのご両親を含め協議をしたものの、その交渉に失敗した。

一方で、一度目の結婚では私は我が家の要望を受け入れられなかったことや、その断り方含めて自分は相手の家族に蔑ろにされた。と、ショックを受けていた。
結局、両親はそんなの気にしなくていいよ、2人の幸せが一番。と言い、仕方なく私が改姓して入籍するものの、納得いかない気持ちを押さえながら生活していたように思える。
その時の感情は、❝お父さんお母さんごめんね❞ という、悔しさのようなもの。

そこから数年後に離婚し、今の夫と再婚することになるわけだが、
揉めるもの嫌だし、もう今回も❝普通❞を受け入れよう。と思っていた、
ところが入籍が近づけば近づくほど、このまま何も行動せずにまた後悔するのは絶対嫌だという気持ちが強くなり、今の夫に改姓についての意見と頼み事を何枚もの手紙に書いて渡すことにした。

夫からしてみれば、青天の霹靂だったと思う。
夫側が改姓するということが私にとってはベストだと思っていたが、両親の意向もあり、それは受け入れ難いという結論になった。

このあたりから、私は、この日本の訳が分からない慣習に腹が立ち始める。
それまで、なんで私のお願いを受け入れてくれないの?なんで女ばっかり負担が多いわけ?と、夫や夫の両親に対して納得できない気持ちだった。
ところが、どんどん怒りは大きくなり、このご時世、多様性だとかなんだとか言っておいていっつまでも変わらない女性に不都合なことばかりの家父長の日本に憤りを感じまくるように。

やり場のない感情から、両親に対しても怒りと懺悔の気持ちでいっぱいで、私自身、改めて結婚や幸せを親のために捧げてきたことを痛感した。
(この話はまた別で書きます~~!!親の呪縛)

家父長制への疑問と不満


最初は両親やご先祖様のために、私が頑張って家系をしっかり残していくよ!という漢気で戦っていたが、
段々と多様性と逆行する世の中の理不尽な仕組や慣習、それに何の疑問や関心も持たない夫や世の中の男性たちに怒りが向いていった。

なんせ一回、婚姻届を出して離婚届を出して、様々な苦労があったわけで。
物理的な事務手続きやなんやかんやから、精神的な喪失感まで。
いい加減にしてくれと本気で思っていた。

また??またですか??
しかも当然のように私がその全苦労を請け負うとは、理不尽すぎる。

2回も??
結婚のときに色々やって、離婚した後もめちゃくちゃ大変で、
そしてまた今回も同じことやる?
めちゃくちゃ忙しい毎日なのに、平日15時までしか開いてない銀行いったり、良く分からないけど待たされる役所いったり、クレジットカードの名義だの保険の受取人変更だの公共料金の変更とか色々。
(お子さんがいらっしゃる離婚はそれはそれは想像を絶する)

それに加えて、離婚を通じて私の現在の結婚観というものは、
戸籍をともにして法律や世間の見え方として夫婦と認められていたとしても、幸せは手に入らない。というものだったが故に、余計にこの良く分からない制度や仕組に疑問が溢れかえっていた。

もう、なんか、この時はほんと、日本が嫌になった(笑)

やっと今度こそ幸せを自ら掴みにいってやるし、幸せは自分たちの形で!と思っていたのに。

相当揉めた。

というか、夫はこの件(自分が改姓するとか事実婚とか)について考えたこともなかったというのが正直なコメントだった。

じゃあ今考えろ。と。

※今、1年半くらい経過してちょっとだけこの件については冷静に見れているが、その当時は私も怒り狂っていた。
今の日本では当然ながら結婚=入籍=女性の改姓という頭がほとんどだと思うから、結婚というものの概念やビジョンまで広く深く考える人の方が稀有なんだと今はわかる。(しかも初婚で)

夫は長男だし、両親からも改姓はNGということで、夫は今まで好き勝手やってきたしこれくらいは両親の願いを聞いてみたいという気持ちもあったみたい。

ここまで、平行線。

何回議論したか、ケンカしたか、分からない。
2ヵ月くらいはかかったかな。最初に頭出しをしてからは4ヶ月程度。

疲れ切ってきた我々、そして本質を見失っていることに気が付き始め、
折衷案について考え始める。

それが事実婚だった。

結婚しているから一緒にいるんですか?

一度目の結婚で、関係が破綻しているなと感じた時、
何で不幸なのに一緒にいる必要があるのか?と元夫に聞いたことがある。
その答えが忘れられず。
❝結婚してるから。結婚ってそんなもんだろ(我慢してでも結婚してしまったんだから一緒にいるしかない)❞

それを思い出しては、私はもう、毎回目が覚める。

あ、好きだからとか、一緒にいたいから、とかそういうのではない。
親やお世話になった方々への面子とか、世間体とか、そういうものかと。

私はそういう外側の幸せはもう必要ないと思い始めていたし、
それでは本当の幸せや豊かさはいつまで経っても来ないとその時心底わかった。

でも、改めて再婚のプロセスを俯瞰して見てみると、同じようなことをやってしまっている。

形にこだわって、一体誰のために、何のために、こんないがみ合ってケンカして傷つけ合う戦いをしているんだと。

親のための結婚でもなければ、結婚の形にこだわって幸せになれるわけでもない。

大事なことは、2人が一緒にいて幸せと感じること。
それ以上に必要なものなんてないはずなのだ。

ここから事実婚で進めよう。と、2人の意見は合致する。
但し、子供を授かった時にはまた改めて考えよう。
居もしない子供のことや将来を案じて人はという云わば暫定的な決定のようなものだったため、また妊娠してから揉めることになるのだが(笑)

出産後も事実婚を継続する予定。
また出産に向けて色々と手続きを明瞭にしなければならないが、
一旦は事実婚で今まで1年間やってきた。

周りは色々と言う。
2人のことならいいけど、子供は大丈夫?(子供がかわいそう)
子供がいたらどうなるの?
夫婦別姓で家族の一体感が薄れる!

などなど、、
こちらからすれば開いた口が塞がらない。

貧乏だからかわいそうなのか?
一人っ子だからかわいそうなのか?
シングルの家庭だからかわいそうなのか?

サイボウズ社の青野さんのnote記事は必見。

別に今幸せに生きている家族の形を崩そうとしているのではない。
今不自由している人に選択肢を与えるだけのこと。

そして幸せや豊かさの形や真実は、一つではないのだから、
自分が納得する生き方を見つけながらやっていきたい。

ただそれだけのこと。






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