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よりよい暮らしと、情報の幸せな関係は

三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
三保原屋は平たく言えば「楽しく、よりよく暮らす」ための道具を多く扱っています。

今回は、メーカーさんたちとも、よく話す内容を纏めてみます。
なんとなく買い物に『正解』が求められるような気がしていることに対する私個人の意見です。

情報に"生活をさせられている”?

本当は「情報」は生活の選択肢であるべきだと思いますが、知らず知らずのうちに、↓このような関係性になっていないか??と不安になることがあります。

言葉にするのであれば
●情報に"生活させられている"こと
が、あるのではないか??
と、感じることが増えてきています。

反対に
●情報を使って"自由に生活する"こと

が、非常に困難になってきているとも言えるのかもしれません。

このようになった背景を少し考えることで
「"普通"に生活する」ためのヒントが出てくればいいなと、noteにまとめることとしました。

なんでこんな状態になったのか?

①多くのことが情報化された

全部仮説ですが、生活に関わる多くのことが情報化され、
プロセスと結果が明確に紐づけられることが増えたように感じます。

それはそれでメリットもあり、実際に経験をしなくとも結果・評価が分かることも増えました。

(インターネットで調べれば多くのことが分かるようになりました。)

生活者や社会の傾向

②コスパ概念

効率を求めるニーズも根強くあります。

これもこれで悪いことではありません。
コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスの概念は、

●結果が同じであれば
●費用負担も時間消費も、少なければ少ない方がいい
という感覚なのかなと思っています。

情報×暮らしの変化

③結果を分かりやすく

実際に体験をせずに多くのことを知ることができる環境になったため、
プロセスがどんどんが省略され、結果だけが求められるようになった
ように感じます。

④結果が分かりやすく提示される

更に分かりやすさが求められ、
感覚的な「正解」を求める傾向が強くなってきました。

逆に「失敗」というワードが非常にネガティブになったと思います。

これだけ情報があるのに
「失敗する方がダメだ」
という感覚も私たちの中では育ちやすいのではないでしょうか。
(私自身にもよくあてはまる言葉なのですが。)

心配なのは

よく伺う事例としてティファールさんのフライパンを挙げさせていただきます。

このようなお声は非常に良く耳にします。
ティファールさんにも様々なランクのフライパンがあり、他商品と比較した場合も必ずメリット・デメリットも存在します。

フライパンの具体的な話を知りたい方は、以下のnoteをご覧ください。

仮にフライパン=ティファール(=正解!)として購入した場合
その買い物の成功要因・失敗要因を考察するのが非常に困難になります。

大きさや、重さ、使い方によって、買い物の評価(成功・失敗)が大きく変わることがあります。

こんなモンモンとした気持ちで、日々お客様に接している小売店は少なくはないと思います。

情報に生活させられていない?

これも、ある石鹸メーカーさんの社長さんと話をしているときに、
「おー!」と感じたのですが

『最近は情報に生活させられている人が多いのかもね。』

と言われたときに、モヤモヤしていたことが言語化されて、とてもしっくりきました。

嬉しかったお声

一方で、こんな分かりにくい生活から、お客様のお役に立ててうれしかったこともあります。

この記事を見て、
「タオルは"普通"に洗濯してはいけないんだ」
と、つぶやいてくださった方がいらっしゃいました。

現状の"普通"が、どんな"普通"なのかを考えるキッカケになれたことは、本当に嬉しかったです。

最後に

現在の生活の利便性、情報化を決して否定するわけではありません。
利便性や情報化は、もはや生活インフラとなっています。

どちらかといえば、情報を上手に使いながら、お買い物や生活が出来ればな・・と思っています。
仮に、買い物を失敗してしまっても、意味のある失敗であれば、あえて「失敗」と呼ばなくてもいいのではないでしょうか。

「昔でいえば普通」の生活が、生活者さんの手に戻れば嬉しいなと思っています。

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