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悩んだり、落ち込んだりするのはきっと、人間の性質

恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場が映画館に変わる「ピクニックシネマ」に行ってきた。

センター広場の奥に設置された大きなスクリーンの前には人工芝が敷かれ、そこにレジャーシートやタオルを敷いて鑑賞する、まさにピクニックしながら映画を楽しめるイベント。今回は今までで一番人が多かったとのことで、芝生がないところ、入口の階段、2階まで人で埋め尽くされていた。

映画は今まで年に1~2本しか見てこなかったのだけれど、月1の映画観賞を2018年の目標に掲げていたら、いつのまにかほぼ毎週見るようになっていた。今まで全く見てこなかったぶん、これからたくさん過去の名作に出会えると思うと、楽しみを先延ばしにしてきた過去の自分に感謝の気持ちが芽生えさえもしている。

今回の映画も過去の名作の1つ、『ティファニーで朝食を』。もちろんはじめて見た。

1961年に公開されてから、57年。その頃から時代は大きく変わったはずなのに、主人公の服装に可愛いな、と思うし、違和感なく作品の登場人物に共感できるから不思議だ。

映画を見ていると主人公の姿に、最近話した友達の姿が思い浮かぶ。「結婚相手は●●●の指輪をくれる人」と、ブランド物に弱い私では聞いたことのない、けれどおそらくとても高級なブランド名を結婚指輪に指定する、青山や表参道がよく似合うような友達。

57年前にも、多分100年前にもこういった女の子は一定数いただろうし、反対に「お金よりも感覚が合う人、私を肯定してくれる人と一緒にいたい」なんて思う人だって存在してたのだろうと思うと、時代は変わっても、人間の心の動きは変わらないんだろうな、と思う。

先日に会社の同僚と飲んだ時も、似たようなことを言っていた。

コンピューターが出始めた頃に、「今の仕事は今後すべてコンピューターに取られてしまい、私たちは仕事が無くなるのではないか」という話をする人がいたという。実際コンピューターに代わった仕事はあるかもしれないけれど、人間にもたくさんの仕事は未だに溢れているのが現実だ。

今の社会では「AIによってこれから仕事が無くなるんじゃないか」と言われているけれど、過去の人の考えを知ると、今後も人間がすべき仕事は何かしら作り出され、今と変わらずみんなは仕事に励んでいるのだろうなぁなんて思えてしまう。

ほか古典作品を見ても、恋煩いで眠れない夜を嘆くエッセイや、男女が入れ替わるSFのような話など、時代風景は違えど根本は一緒だよなぁと思うものも多い。

自由を求めたり、愛する人と結ばれたり、メンヘラになったり、周りにあるものは変わっても、人間の根本ってずっと同じところをぐるぐるしているんだなぁ。

悩んだり、落ち込んだりする日々も、何年も前から変わらない人間の特性なんだろうなぁ。素直に特性に従っていてもいいのかもしれない。蒸し暑い夏の夜、生ぬるい風に吹かれレモンの入ったビールを飲みながら、映画を見てそんなことをぼんやり考えた。


ピクニックシネマ、8月17~19日が最終です。


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