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「好きな商品」の軸はどこか

中学生の頃に買ったポーチを今でも使っている。

お気に入りだとか、ブランドものだとかいうわけではなく、単純に「使えるから」使っているし、このポーチに限ったことでもない。

同じく中学の頃に買ったBetty's blue(知ってる人どのくらいいるんだろう)のポーチも大学卒業まで使っていた。最長は、小学校3年生の時に買ったエメラルドグリーンの爪切り。ケースに少しのヒビは入っているものの、未だにこれを愛用している。机の引き出しを開ければ、小学2年生の時に幼馴染からもらった手鏡も入っているくらい、壊れなければ永遠に使い続けるタイプだ。

けれど、どれもそこまですごく好きなわけではない(幼馴染からもらったものは思い入れがあるけれど)。

特に小物に関しては、購入までに悩む時間が多いため、1度買ったら目移りすることが少ない。どうせ買ったら長く使うんだから、値段とか関係なく「好きなもの」を買いたいなと思った。

そう考えて選んだ最初の商品は、soarに記事があったSALASUSUのトートバッグだ。

使っていると、バッグを作る工場の人たちが思い浮かぶ。実際には見たこともないのに、soarの記事を読んでからは遠く離れたカンボジアのことが身近に感じるようになったのだ。通勤で、買い物で、トートバッグを肩から下げると、彼女たちと繋がっているような気がしてほっとする。


Webメディアのおかげで誰かの想いが気軽に読めるようになり、また取材を通して店舗やブランドの想いを深く知れるようになり、商品の背景にあるストーリーや、誰かの熱量を知れる時代になった。そのおかげでモノに個性が生まれたり、想像力を掻き立てられるようになった。

もちろんブランド物を持っているのもうれしくなるけれど、それ以上に「誰かが大事だと思ったもの、一生懸命作ったもの」を、大切に使いたい。「好きなもの」で探し始めたら、そんなことを考えるようになったのだ。

今日は、お茶の工場が併設された、お茶カフェに行ってきた。工場で作られた和紅茶を飲み、店員さんの「茶葉を蒸す時間は、その年の気候によって違うので、茶葉を見ながら決めます」と"職人の勘"の話を聞いて、「クセになる味」と言われた和紅茶を買ってきた。

「少し燻してあるので、スモーキーで大人な味ですよ」と店員さんが説明したことを思い出す。「よかったら、これも」と、もらった猫のパッケージのお茶を思い出す。明日から、マグカップへお湯を注ぐ朝の時間が、私と店員さんとの時間になるような気がしている。



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