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「人間大合格でしょ」と君が言ったから12月はユーモア記念日

知性とセンスにあふれた返答を見ると、思わずにんまり顔がほころんでしまう。そして時には、ケラケラと声を出してしまうことも。今回取り上げた2つの返答は、まさに知性あるユーモアを感じたもの。私の中でおさめておくにはもったいない気がしたので、noteでひっそり公開してみることにした。


1.答えはまるで連詩のように

アドベンドカレンダーを書いたときのこと。

ちょっとした遊び心が芽生えて、冒頭の文章をある小説の冒頭をもとにアレンジして書いてみた。せっかくだから今まで書いたことのない形に挑戦してみてもいいかもと、実家から持ち帰ってきたその小説が目に入ってふと思ったからだ。

“ちなみに冒頭は、とある小説の冒頭をアレンジして書いてます”

そんなコメントを残してアドベントカレンダーのチームに共有。ぽつりぽつりと書いてくれるコメントを何度も覗きに行っては、「いつネタバレしようかな」なんて考えていたとき、別の場で私のnoteをシェアしてくれた西山さんのコメントを発見した。

“(前略)端的に尊いぞ…人間大合格でしょ…”

西山さんは知っている。この冒頭が、太宰治の『人間失格』から取られたことをわかっている。

そのうえで、ストレートに回答を告げず、コメントにアレンジを忍ばせて教えてくれている。

連詩のようなその返答に、言葉を扱うもののプロの業が見えたように思えて、ただただ唸るしかできなかった。こんなふうにスマートな回答ができるようになりたい。


2.著名人とおそろいの確定申告ミス

場面は変わってとあるグループメッセンジャーでのやりとりのこと。事務手続きにまつわる失敗談がカミングアウトされていたので、今年のGW明けに起こった私の恐怖も送ってみた。

“私も今年の確定申告ミスして、複業収入の4倍近くの納税金額が来て絶望しました…”

想定を大きく上回る納税金額が通知されたときのことは、今でも鮮明に思い出せる。金額が目に飛び込んできたとたん心臓のあたりが急に冷たくなって、何が起こったのかうまく処理ができなかった。ネットで調べてみてもこんな金額にはならない。一体何がどうなったというのだ。

区役所に電話しても「税務署の結果をもとにうちは算出しているだけなんで」と塩対応され、税務署に相談の予約をとって、資料一式もっていってミスの部分を特定してもらうことになった。なんとか無事に規定通りの納税金額に訂正できたけれど、できればあの時の恐怖は、今後一切避けたいものだ。

そんな恐怖体験を送ると、真っ先に最所さんから「!!!!!」とだけ返信が来た。そして、続いて届いたコメントがこちら。

“俵万智と同じことしてる!!!”

俵万智!!!!


想定外すぎる返信に、今年のM1を見たときよりも笑いころげる私。俵万智に関する知識がないとそんな返しはできないのだから、こちらもかなりの玄人業。さらにひととおり笑い終えたところで、「俵万智も間違えたなら、ミスを誘う制度のほうがよくないのかも」なんて、自分はダメな奴だと思っていた気持ちが薄れてくる。笑いを提供してくれるだけでなく、自信まで取り戻させてくれるコメントに憧れの気持ちすら芽生えた。



言葉を発することに時間がかかってしまう私にとって、ポンポンとリズムよくやりとりしながら印象に残る言葉を残せることは夢のまた夢のようだ。言葉でおしゃれに遊べる日が、せめて“夢”くらいまでには近づけるように、センスとユーモアにあふれた言葉は忘れずに残しておきたい。


一昨年の毎日note


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